キラ星のごとき逸材が次々と出現し、黄金期を迎えつつある日本の卓球界。1年間世界中で並み居る強豪と戦い続けてきた彼らが、一年の総決算となる一戦、ITTFワールドツアーグランドファイナルに挑みます。
12月14日(木)から12月17日(日)にカザフスタンの首都アスタナで開催される同大会で日本はどれだけ金メダルを獲得することができるでしょうか。日本語対応のブックメーカー「dafabet」がそのオッズを発表していますので、その数字とともに大会展望をご紹介していきます。
卓球ワールドツアーグランドファイナルとは
卓球ワールドツアーグランドファイナルは、年間通して世界中で開催されるワールドツアーの獲得ポイントによるランキングであるワールドツアースタンディングの上位者と開催協会枠の出場者によって年間王者の座が争われる世界最高峰の戦いの一つです。
シングルスが上位15選手と開催枠1選手の計16選手、ダブルスが上位7組と開催枠1組の計8組、21歳以下限定のアンダー21は上位7選手と開催枠1選手の計8選手が大会に出場します。
1996年に中国の天津で第1回大会が開催され、2012年に現在の名称に変更されました。2010年に男子シングルスの水谷隼が日本人初優勝を飾ると、2014年にも再び男子シングルスで王座を獲得しています。
2014年には女子シングルスの石川佳純と女子ダブルスの平野美宇/伊藤美誠ペアにアンダー21男子の町飛鳥、2015年には男子ダブルスの森薗政崇/大島祐哉ペアにアンダー21男子の大島祐哉が金メダルを獲得しており、近年日本勢の躍進が目立っているといえるでしょう。
2016年は黄金世代が表彰台の多くを奪取に成功
2016年大会は、日本にとって世界に「女子卓球黄金世代」と呼ばれる逸材たちの1人、早田ひなをお披露目する舞台となりました。弱冠16歳で臨んだこの大会で早田はアンダー21女子シングルスを制覇するとともに、浜本由惟とのペアで戦った女子ダブルスも優勝し、見事2冠を飾っています。日本人の同大会2冠はこれが初めてのこととなりました。
女子シングルスは平野美宇と石川佳純がそれぞれ準決勝に進出して3位、男子ダブルスは2連覇を狙った森薗政崇/大島祐哉ペアが銀メダル、アンダー21男子シングルスは村松雄斗が銀メダルと、男子シングルス以外はすべての種目でメダルを獲得しています。
ワールドツアーグランドファイナル2017日本人出場選手
<男子>
張本 智和(JOCエリートアカデミー)wr17位
松平 健太(木下グループ)wr15位
丹羽 孝希(スヴェンソン)wr8位
𠮷田 雅己(協和発酵キリン)wr22位
大島 祐哉(木下グループ)wr25位
吉村 真晴(名古屋ダイハツ)wr27位
上田 仁(協和発酵キリン)wr34位
森薗 政崇(明治大学)wr45位
木造 勇人(愛工大名電高校)wr83位
<女子>
石川 佳純(全農)wr5位
伊藤 美誠(スターツSC)wr9位
森 さくら(日本生命)wr32位
早田 ひな(日本生命)wr14位
平野 美宇(JOCエリートアカデミー/大原学園)wr6位
佐藤 瞳(ミキハウス)wr14位
橋本帆乃香(ミキハウス)wr21位
※wrは世界ランキング
早田は昨年の快挙をさらに超える活躍ができるか
昨年は弱冠16歳にしてワールドツアーグランドファイナル2冠を達成し、世界にその名を知らしめた早田。今年はさらなる好成績が期待されます。今季ダブルスでは新たに同い年の伊藤美誠とペアを組み、ワールドツアーでは韓国オープンで準優勝すると、チェコオープン、ドイツオープンに優勝。さらに、11月のスウェーデンオープンでは世界ランク1位の朱雨玲と同2位の陳夢の世界最強中国ペアを破って優勝する快挙を達成しています。
さらにシングルスでも11月末のスペインオープンを見事制覇。ダブルスでもシングルスでも、世界の頂点を射程内に収めたといっても過言ではないはずです。
【ワールドツアーグランドファイナル2017女子シングルス&ダブルス1回戦オッズ】
※オッズは14日午前7時現在、ブックメーカー「dafabet」発表
日本のエースが世界最強への道を進む
まだ24歳ではあるものの、幼い日から世界の一線で活躍している石川は今や日本のエースを担う存在となりました。世界最強・中国の選手たちを相手にも台頭以上に戦うことができるほどにその実力を高めています。2017年12月の世界ランキングは5位と、中国人を除けば世界最高位に。1位の朱雨玲や3位の丁寧を相手にしても勝るとも劣らない戦いを続けており、このまま成長を続ければ十分乗り越えられる壁のはずです。
事実、2014年大会ではシングルスで金メダルを獲得。今年も世界卓球のダブルスで金メダルを獲得するなど、世界最強の一角としての実力を世界に見せつけています。黄金世代と呼ばれる優れた後輩たちが多く現れていますが、その下からの突き上げを自身がさらに上へのし上がる力に変えることができれば、石川がワールドツアーグランドファイナルを制し、そして世界ランキング1位の座に就く日も決して遠くないことでしょう。
若き天才が世界の頂点に挑む
2016年に世界ジュニアシングルスを大会史上最年少の13歳163日で制覇し、世界を驚かせた張本。2017年5月には世界卓球選手権シングルスに男女合わせて史上最年少となる13歳6か月で代表に選出されています。
その大会ではこれまた史上初となる13歳でのベスト8進出を達成と、史上初をさらに続けると、8月のチェコオープンではワールドツアー史上最年少の14歳61日で優勝という快挙を達成しました(以前の記録は伊藤美誠の14歳152日)。100年に1人の逸材と呼ばれる天才が並み居る強豪たちを討ち果たし、期待通り世界の頂点にまで到達することができるでしょうか。
【ワールドツアーグランドファイナル2017男子シングルス&ダブルス1回戦オッズ】
※オッズは14日午前7時現在、ブックメーカー「dafabet」発表