二輪ロードレースの世界最高峰MotoGP2017の開幕が迫ってきました。2017年のシーズンは3月26日に行われるカタールGPで幕を開け、18戦を戦い、11月12日のバレンシアGPで決着を迎えます。日本でも10月15日にツインリンクもてぎで第15ラウンドが開催されるこの情熱のスピードバトルが今年もいよいよ始まります。
2016年シーズン結果
2016年のMotoGPはレプソル・ホンダ・チームに所属するマルク・マルケス(スペイン)が5つのレースで勝利し、MotoGP参戦4年目にして3回目となるチャンピオンの座に輝きました。2位にはマルケスの地元スペインで行われた2レース(スペインGP、カタルニアGP)を制したモビスター・ヤマハ・MotoGPのヴァレンティーノ・ロッシ(イタリア)、3位には2015年チャンピオンでロッシのチームメイトのホルヘ・ロレンソ(スペイン)が入りました。
チームズ・ランキングでは1位がマルク・マルケスとダニ・ペドロサ(スペイン)擁するレプソル・ホンダ・チーム、2位がヴァレンティーノ・ロッシとホルヘ・ロレンソのモビスター・ヤマハ、3位がマーベリック・ヴィニャーレス(スペイン)とアレイシ・エスパルガロ(スペイン)のチーム・スズキ・エクスターと、日本のチームが上位3チームを独占する結果となっています。
2017年の動向
2017年はホルヘ・ロレンソが、2008年のMotoGPデビューから数年の中断を除いて続いていたヴァレンティーノ・ロッシとのコンビをついに解消し、ドゥカティに移籍する運びとなりました。チームメイトでありながら激しいライバル関係にもあった2人の戦いに注目が集まります。
そのロレンソの代役には2016年4位ヴィニャーレスのモビスター・ヤマハ加入が決まっています。若干22歳にしてMotoGPで3年目を迎える気鋭の若手の活躍が大きく戦況を左右するかもしれません。ヴァレンティーノ・ロッシとの16歳差コンビにも耳目が集まるところでしょう。
世界一の二輪ロードレーサーを決めるこの戦いの行く手を占うMotoGP2017の優勝オッズがブックメーカー「NetBet」から発表されているので、ご紹介していきます。
優勝オッズ
【MotoGP2017優勝オッズ】
※オッズは23日午前9時現在
優勝最有力候補は、オッズ2.30倍でディフェンシングチャンピオンのマルク・マルケスとなりました。対抗馬の最有力はマーベリック・ヴィニャーレスでオッズ2.80倍、続いて3番手にヴァレンティーノ・ロッシが6.00倍、そして4番手はホルヘ・ロレンソで7.00倍となっています。マルケスが二連覇を果たすのか、期待の若手が世代交代を果たすのか。はたまた実績豊富なベテランのロッシや中堅のロレンソらがその行く手を阻むのか。強豪入り乱れる激しいデッドヒートが展開されること間違いなしでしょう。
優勝候補
マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)
若くしてMotoGPの頂点に君臨するマルク・マルケス。デビュー以来の成績はヴァレンティーノ・ロッシにすら勝るとも劣らない成績を誇り、このまま彼を超えるライダーにまで成長していくのか期待がかかるところです。
しかし、ここまでのテスト走行では転倒によって肩を怪我するなど、思い通りには進めていない様子ではあります。テスト走行総合トップのヴィニャーレスに少し差を付けられた感もありますが、それでも本人は本番への自信を見せており、これまでの実績から言っても必ず調子を上げてくるはずです。
伝説のライダーを超えたさらなる伝説となるのか、それとも数いる超一流の一人に終わるのか。マルケスはその分水嶺にいます。ひょっとしたら、今年我々は史上最強ライダーの誕生を目撃する歴史の生き証人となれるかもしれません。
マーベリック・ヴィニャーレス(モビスター・ヤマハ・MotoGP)
2016年にはMotoGP参戦2年目にしてランキング4位となったヴィニャーレスは、今年はモビスター・ヤマハに移籍して新たなシーズンに臨みます。
昨シーズンロレンソがインタビューで、ヴィニャーレスは将来必ずチャンピオンになると明言し、またマルケスも、ヴィニャーレスはロッシより速いかもしれないと述べるほどトップライダー達からも高く評価されており、同世代のマルケスを乗り越えて最強のライダーとなる素質は十分備えていると言えるはずです。
本人も優勝候補としての意識を強く持っており、マルケスとは激しいライバル関係になるだろうと言及しています。そんな彼にとって、この2017年が飛躍の年となる可能性は大いに高いでしょう。要注目です。
ヴァレンティーノ・ロッシ(モビスター・ヤマハ・MotoGP)
ロードレース世界選手権で45勝を含め15年で9回も王座に君臨し、史上最強のライダーとの呼び声を欲しいままにするヴァレンティーノ・ロッシですが、2009年の優勝以降ここ7年は頂点に辿り着けていません。とはいえここ3年は連続で2位となっており、チャンピオンの座を奪還するまであと少しといったところでしょうか。
38歳となり一回り以上年下のヴィニャーレスをチームメイトとして迎える2017年シーズンにおいて、彼はヴィニャーレスによる世代交代を許すのでしょうか。それとも伝説的ライダーとしての矜持を見せつけ、まだまだ老け込んではいないというところを世界に示すのでしょうか。新たなる栄光がその伝説に今年も刻みこまれることを世界中が期待しています。