欧州4大リーグの一つ、プレミアリーグ。リーグ全体のレベルの高さは他のリーグをしのぎ、群雄割拠の様相を呈しています。それだけに優勝チームを予想するのがもっとも難しいリーグでもあります。そんなプレミアリーグの開幕は8月11日(金)。ブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」が世界一熾烈なリーグの優勝オッズを発表していますので、ご紹介していきます。
<プレミアリーグ2017-18最新オッズ(ウィリアムヒル)>
2016-17年はチェルシーがリーグを席巻
2016-17年シーズンを制したのはチェルシー。まさに復権の1年となりました。前年は降格圏近くをさまよい、ジョゼ・モウリーニョ監督も解任の憂き目にあうなど散々な出来だっただけに、同シーズンにかける思いは強かったことでしょう。ユベントスより招聘した新監督アントニオ・コンテのもと、クラブ記録となる13連勝を果たすなど素晴らしいシーズンを送りました。
2位には若き勢いで旋風を起こし続けているトッテナム・ホットスパーが昨年より1つ順位を上げました。いよいよ優勝候補と呼ぶにふさわしい実力を身に着けつつあります。3位はマンチェスター・シティ。新監督ジョゼップ・グアルディオラのもと、世代交代と戦力の底上げがうまく進行している印象です。
不振にあえぐライバル、マンチェスター・ユナイテッドはポール・ポグバやズラタン・イブラヒモビッチ、ジョゼ・モウリーニョ監督らを獲得する大補強を敢行しましたが6位に終わっています。
岡崎慎司擁する昨シーズン王者レスター・シティは、チャンピオンズリーグ出場などによる試合数増加の影響もあり、本来の定位置ともいえる12位に終わっています。
マンチェスターの両雄がオッズのトップに立つ
【2017-18英国プレミアリーグ優勝オッズ】
※オッズは7日午前9時現在
「William Hill(ウィリアムヒル)」発表の優勝オッズ2.75倍でトップに立ったのはマンチェスター・シティ。大金を費やした補強を進行中で移籍市場を騒がせています。その補強策が評価されての高オッズとなりました。
2番手となったのはジョゼ・モウリーニョ監督のもと2シーズン目を迎えるマンチェスター・ユナイテッド。オッズは4.33倍となりました。こちらもライバルに負けじと巨額の資金を投じた補強を続けています。
3番手は昨シーズン王者のチェルシーで、オッズは4.50倍となりました。アントニオ・コンテ監督の2シーズン目の手腕に期待がかかるところです。
4番手は昨シーズン2位のトッテナム・ホットスパーでオッズは11.00倍。5番手タイにアーセナルとリバプールが13.00倍で続きます。両クラブともエースのアレクシス・サンチェスとコウチーニョの動向が定まっていないのが不安材料でしょうか。ウェイン・ルーニーが電撃復帰したエヴァートンは7番手の81.00倍となっています。
岡崎慎司擁するレスター・シティと吉田麻也擁するサウザンプトンはともに201.00倍で8番手タイとなりました。
シティのサイドバック総入れ替えは吉と出るか?
シティは今夏、モナコのベンハミン・メンディ(フランス代表)、トッテナムのカイル・ウォーカー(イングランド代表)、レアル・マドリッドからダニーロ(ブラジル代表)と、サイドバックを3人も獲得。この3人だけで投資額はなんと1億ポンド以上です。これまで長年チームを支えてきたサイドバックのアレクサンドル・コラロフ、バカリ・サニャ、ガエル・クリシー、パブロ・サバレタの4人を一斉に放出するギャンブルに出ました。サイドバックは世界的にも人材に乏しいポジションなので、うまくいけば他クラブに大きな差をつけることができるでしょう。
その他にも積極的な補強を繰り返し、現在の移籍金総額はすでに約2億ポンド(約290億円)にまで達しています。グアルディオラ体制2年目の今シーズン、求められるのは2013-14年以来のプレミアリーグ制覇と欧州チャンピオンズリーグ初戴冠となるはずです。
ユナイテッドはなりふり構わず王座をうかがう
エヴァートンからベルギー代表ロメル・ルカク、チェルシーからセルビア代表ネマニャ・マティッチを獲得し、その陣容を強めたマンチェスター・ユナイテッド。昨シーズンに続き、大金を投入した補強が続いています。昨シーズンは6位と到底納得のいかない順位に甘んじただけに、今シーズンは最低でも優勝争いに絡むぐらいでなくてはなりません。
さらにはこんなご褒美も。もしプレミアリーグと欧州チャンピオンズリーグの2冠が成った場合、選手一人当たり400万ポンド(約5億8千万円)のボーナス支給を決めたそうです。総額ではなく、1人当たり!登録人数が25人だとしたら、総額で145億円にもなる計算です。とてつもないニンジンをぶら下げて勝負に挑むユナイテッドに隙はありません。
盤石のチェルシーが連覇を狙う
今季補強の一番の目玉は、やはりレアル・マドリッドから獲得したアルバロ・モラタでしょう。クラブ史上最高額、およびスペイン人史上最高額となる7000万ポンド(約101億円)でマドリッドからロンドンに渡ったモラタ。マドリッドではカリム・ベンゼマ以上の選手だとの声も多く、移籍決定の際には多くのファンが涙を流しました。
モナコから4000万ユーロ(約52億円)で獲得した22歳のティエムエ・バカヨコは”新たなるヴィエラ”と呼ばれる逸材です。”マケレレの再来”エンゴロ・カンテとともに、チェルシーの黄金中盤コンビとなる可能性は非常に高いはずです。ユナイテッドに移籍したネマニャ。マティッチの穴も充分ふさがることでしょう。チェルシーは2004-05、2005-06シーズン以来となるリーグ連覇を果たし、黄金期の到来を迎えることができるでしょうか。