2018年に控えるサッカーワールドカップロシア大会。出場権獲得争いも白熱し、その行方が気になるところではありますが、その前の今年、もう一つのワールドカップであるFIFAビーチサッカーワールドカップ2017が開催されます。灼熱のビーチで、それに負けないぐらい熱く燃え上がった選手たちが激しく競い合う戦いは4月27日に始まり、5月7日に決勝が行われます。
ビーチサッカー概要
ビーチサッカーはサッカーの国ブラジルが発祥の地です。路地裏から空き地まで、どこでもサッカー場と化すブラジルにおいてビーチでサッカーをすることはごく自然な流れだったのでしょう。
ルールは多少サッカーと異なり、例えば一チームの人数は5人、コートのサイズはサッカーのおよそ7分の1などといった違いがあります。
サッカーを引退した名選手がビーチサッカーでプレーすることも多く、1995年にブラジルのコパカバーナビーチで行われた第1回世界選手権では、あのジーコが最優秀選手に選ばれています。
FIFAビーチサッカーワールドカップ概要
FIFAビーチサッカーワールドカップ(以下ワールドカップ)は世界選手権に端を発しています。2005年にFIFA主催となり、名称も改められました。2007年までブラジルで開催された後、2008年からは各国持ち回り開催となっています。2009年大会以降はそれまでの毎年開催から、2年ごとの開催となりました。
2017年大会はカリブ海に浮かぶ島国バハマの首都ナッソーで開催されます。
前回大会結果
ポルトガル北部のヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアで開催された2015年大会では、開催国のポルトガルがタヒチとの決勝戦を制して2001年以来2度目の優勝を果たしました。この大会では過去開催された18大会中13回と圧倒的な優勝回数を誇るビーチサッカー宗主国ブラジルが初めてベスト4を逃しており、新たな時代の始まりを感じさせるものとなっています。
【ビーチサッカーワールドカップ2015決勝】
優勝オッズ
【ビーチサッカーワールドカップ2017優勝オッズ】
※オッズは24日午前8時現在
ブックメーカー「888sport」によるビーチサッカーワールドカップ2017優勝候補最有力は、前回覇者のポルトガルとなりました。オッズは3.50倍が付けられています。
続く2番手には4.50倍でビーチサッカーの盟主ブラジルが挙げられました。3番手は前回大会ベスト8で日本を破ったイタリアで7.00倍、以下、9.00倍のイラン、11.00倍で開催国のタヒチ、15.00倍のスイスと続き、7番手に日本が17.00倍で挙げられています。
グループリーグ
まずは、出場16チームが4つのグループに分かれて総当たり戦でグループリーグを戦います(4月27日~5月2日)。そして、各グループ上位2チームが決勝トーナメント(5月4日~)に進出できるというわけです。日本はグループDに属し、28日にポーランド戦、30日にタヒチ戦、そして5月2日にブラジル戦が行われます。
各グループリーグの首位突破オッズも、ブックメーカー「888sport」から発表されており、グループAがスイスで1.20倍、グループBがイタリアで1.75倍、グループCがポルトガルで1.15倍、日本が属するグループDはブラジルが1.40倍でそれぞれ最有力候補となりました。日本はグループDで3番手となる5.50倍のオッズが付けられています。
【ビーチサッカーワールドカップ2017グループAオッズ】
※オッズは24日午前8時現在
【ビーチサッカーワールドカップ2017グループBオッズ】
※オッズは24日午前8時現在
優勝候補
ポルトガル
クリスティアーノ・ロナウドを擁するサッカー代表は2016年ユーロを制覇、そしてビーチサッカーは2015年に世界チャンピオンと、乗りに乗っているポルトガル。今大会では連覇を目指した戦いを突き進むことになります。
注目選手は40歳のベテラン、マジェールでしょう。ワールドカップには過去11大会に参加して53試合出場118ゴールと、試合平均2ゴール以上という驚異的な成績を残しています。2015年大会のグループリーグで日本が2-4で敗れた際にも彼に2ゴールを決められており、その得点力は抜群です。2005年、2006年大会では最優秀選手賞(ゴールデンボール)、同2大会に加えて2008年大会では得点王(ゴールデンシュー)も獲得しています。
年齢的に恐らくマジェールにとって今大会が最後となるでしょう。長年ポルトガルを牽引し続けた名選手の最後の晴れ舞台を飾るべく、ポルトガルの進撃は留まることを知りません。
【ビーチサッカーワールドカップ2017グループCオッズ】
※オッズは24日午前8時現在
ブラジル
前回2015年大会では準々決勝でロシアに屈したブラジル。3大会連続で優勝から遠ざかっており、しかも毎回結果が悪化し続けているとあって、ビーチサッカー宗主国のプライドは傷つくばかりです。今大会こそはその汚名挽回と躍起になっていることでしょう。
現在のブラジル代表では、ASローマやユヴェントス、レアル・マドリッドで中盤を支配し、「世界最高のボランチ」と呼ばれたエメルソンがアンバサダーを務めています。サッカーにおいても2014年の悲劇から立ち直るべく戦いを続けているブラジルですが、サッカー王国と呼ばれるだけあってその人材の豊富さは世界最高級。草莽期にはジーコやロマーリオのような伝説級の選手がプレーすることでブラジル国内でのビーチサッカー人気を高めました。同じように、エメルソンのような大物が間に入ることでビーチサッカーに優れた人材が流入し、再び世界の頂点に押し上げる原動力となるはずです。
【ビーチサッカーワールドカップ2017グループDオッズ】
※オッズは24日午前8時現在
日本
近年成長著しい日本ビーチサッカー。本格的な体制づくりも進んでおり、例えば今年2月には東京ヴェルディがビーチサッカーチームを新設し、そこから代表キャプテンの茂怜羅オズを含め今回の日本代表に7人選出されるなど積極的な活動をしています。総合スポーツクラブを志向するクラブが多くなってきている中、ビーチサッカーに進出するクラブもこれから増えてくるのではないでしょうか。
2005年、そして2009年から2013年とラモス瑠偉が代表監督を務めていたこともあって少しずつその知名度を高めている日本のビーチサッカー。ワールドカップでは過去2大会連続でベスト8に進出しており、悲願の初優勝を今大会では期しています。
1次リーグでは盟主ブラジル、前回準優勝のタヒチ、欧州チャンピオンのポーランドと同組になり、死のグループを戦うこととなった日本。サッカーでいえばイングランド(宗主国)、ブラジル(2014年ワールドカップ準優勝)、ポルトガル(2016年ユーロ優勝)と同組になったようなものでしょうか。厳しい戦いが予想されますが、ここを勝ち抜けば優勝に大きく近づくことでしょう。
仮想ポーランドとして4月15日、16日に沖縄で対戦したドイツ代表には2戦2勝を飾っており、その実力を示した日本。ブックメーカーのオッズはあまり高くありませんが、チームは高い自信を持って大会に望んでいます。ワールドカップ制覇は決して夢ではありません。