メジャーリーグベースボール(以下、MLB)のレギュラーシーズンが終了し、今年も世界一をかけた熾烈なプレーオフが始まります。現地10月3日にワイルドカードゲーム、10月5日に地区シリーズが始まり、10月13日にリーグ優勝決定シリーズ、そして10月24日からワールドシリーズという日程で進む今年のMLBプレーオフ。2017年の世界最強の座をつかむのはどのチームとなるのでしょうか?ブックメーカー「Marathonbet」(マラソンベット)の発表するオッズを参考に、戦いの展望をご紹介していきます。
2016年ポストシーズン結果
2016年のワールドシリーズは、MLB全30球団で最長となる107年間ワールドチャンピオンとなれていないシカゴ・カブスと、その次に長い67年間のクリーブランド・インディアンスの対戦となりました。
この両チームはともに「呪い」にかかっているとされるチームでもあり、勝った方のチームの呪いが解けるとあって大きな注目を集めました。カブスにかかる1945年以来の「ビリー・ゴートの呪い」と、インディアンスにかかる1960年以来の「ロッキー・コラビトの呪い」。その長年にわたる呪いを打ち破り、ついに世界一の座を掴み取ったのはカブス。第7戦の延長10回までもつれこんだ戦いはモンテロのタイムリーで2点を追加したカブスが見事勝利を飾っています。
なお、当時カブスに所属していた川崎宗則はポストシーズンの登録メンバーを外れましたが、そのムードメーカーぶりが評価されてチームに帯同し、ベンチで最後までともに戦い続けました。
日本人先発を2人擁するドジャースが優勝オッズ筆頭に
【MLB2017ワールドシリーズ優勝オッズ】
※オッズは1日午後4時現在
<MLB2017プレイオフ最新オッズ情報(bet365発表)>
世界最強の称号を争うワールドシリーズ。ブックメーカー「Marathonbet」(マラソンベット)からその2017年の勝者として最も高いオッズを付けられたのはダルビッシュ有と前田健太を擁するロサンゼルス・ドジャースで、オッズは4.50倍となりました。終盤失速したものの、その強さは歴史に残るレベルのものだったといえるでしょう。
同率4.50倍のオッズが付いたのは、昨シーズンのワールドシリーズ出場チームであるクリーブランド・インディアンス。今シーズンは22年ぶりとなるシーズン100勝を達成しています。
この2強に、ヒューストン・アストロズが6.00倍、ワシントン・ナショナルズが6.50倍、ボストン・レッドソックスが8.00倍と続き、昨年の世界一で上原浩治擁するシカゴ・カブスも8.00倍、8番手には田中将大擁するはニューヨーク・ヤンキースが14.00倍のオッズを付けられています。
【MLB2017アメリカンリーグ優勝オッズ】
※オッズは1日午後4時現在
ア・リーグの優勝候補筆頭に挙げられたのはインディアンスで、オッズは2.75倍となりました。アストロズが3.50倍、レッドソックスが4.50倍と続き、ヤンキースは7.50倍のオッズが付けられています。
【MLB2017ナショナルリーグ優勝オッズ】
※オッズは1日午後4時現在
ナ・リーグの優勝候補筆頭に挙げられたのはドジャースでオッズは2.70倍となりました。ナショナルズが3.70倍、カブスが4.50倍と続いています。
日本人コンビがドジャースを頂点に押し上げる
序盤から中盤にかけて圧倒的な強さを発揮したドジャース。シーズン歴代最多勝記録更新すら期待されたシーズンでしたが、終盤に突然の失速。ニューヨークのブルックリンから今のロサンゼルスに移転した1958年以降最悪となる11連敗を喫するなど、ジェットコースターのようなシーズンを過ごしましたが、それでも地区優勝を果たすことができました。1988年以来39年ぶりの世界一を目指すには、中盤以前の強さに戻ることができるかがカギとなるでしょう。ドジャースを支える日本人投手2人にも大きな期待がかかります。
7月末にテキサス・レンジャーズからドジャースにトレードで電撃移籍したダルビッシュ有は、当初苦戦しましたが、プレーオフが近づくにつれて調子をあげつつあります。メジャー屈指の先発投手と評価される実力を発揮したいところです。
ドジャース2年目の前田健太は今季12勝6敗を記録するも、昨シーズンのプレーオフで防御率6.75と活躍できなかったこともあってか中継ぎでの起用を監督が明言しています。
2013年のボストン・レッドソックス世界一にリリーフとして多大な貢献をした上原浩治と田沢純一のように、2人の日本人投手がチームをワールドチャンピオンに導くことができるでしょうか。シカゴの大きな期待が2人の肩にかかっています。
カブスを再び日本人が優勝に導くか
2年連続となるナ・リーグ中地区優勝を果たしたシカゴ・カブス。ビリー・ゴートの呪いをようやく昨年解くことができ、これから常勝球団への道を駆け上りたいところでしょう。シーズン序盤は苦戦を強いられ前半終了時には借金2を抱えていたものの、後半戦に盛り返して見事地区連覇を達成しています。
昨年の世界一に大きく貢献した川崎宗則が去ったカブスに今年レッドソックスから加入した上原は、42歳となった今シーズンも49試合に登板。3勝4敗2セーブ防御率3.98の好成績で、中継ぎとして優勝に貢献しています。2013年のレッドソックス世界一を支えた経験に加え、42歳という高齢になってもメジャーでプレーし続けることができるそのプロ意識の高さはカブスのブルペンに大きな好影響を与えているはずです。
9月はけがの影響でほとんど登板がありませんが、ポストシーズンには間に合うとされています。カブスのワールドシリーズ連覇達成の瞬間、マウンドの上で上原がガッツポーズするシーンを見ることができるかもしれません。
名門復活へ、ニューヨークの期待が田中将大にかかる
ワイルドカードで進出した2015年以来のポストシーズン出場を決めたニューヨーク・ヤンキース。メジャーリーグの盟主ともいうべき同球団にとって世界一は至上命令。ポストシーズンにすら出場できなかった昨シーズンの屈辱を晴らすには今年世界一になるしかありません。
そのためには田中将大の活躍は不可欠となるでしょう。今シーズンの田中は一言でいえば「不安定」。圧巻の内容で相手打線をシャットアウトしたかと思えば次の試合では大炎上。そんな内容を繰り返しています。9月24日の登板でもトロント・ブルージェイズを相手にグランドスラムを含む3本塁打を浴び、8失点KO。世界一厳しいとされるヤンキースファンから絶賛と酷評を繰り返されている状態です。
ヤンキースは、メジャー新人最多本塁打記録を更新した25歳のアーロン・ジャッジや、ヤンキースの捕手史上最多本塁打記録を更新した24歳のゲーリー・サンチェスなど、若手が育ってきています。かつてイチローやデレク・ジーター、アレックス・ロドリゲスといったベテランばかりが活躍していたかつてのヤンキースから大きく生まれ変わりました。平均年齢も26.76歳と、もうすぐ29歳になる田中の年齢を下回っています。
メジャー4年目で現在28歳の田中はもはやチームを引っ張るべき存在です。精神力がものをいう短期決戦ではなおさら経験豊富な選手の力が重要となってきます。ファンからの信頼を失いつつある田中ですが、本来期待されるのはエースとしての働きでしょう。かつてヤンキースをワールドチャンピオンに導いた2009年の松井秀喜のように、ニューヨークの街に歓喜を届けることができるでしょうか。