日本競馬史上初となる「12レース中11レースが『外国人騎手の勝利』」という記録が達成された先週末の競馬開催。エリザベス女王杯も、これまで勝ち切れなかったリスグラシューを見事にJ.モレイラ騎手が導き、悲願のG1初勝利となりました。
そして今週末迎えるのが、今年京都競馬場で開催される最後のG1レース。秋のマイル王決定戦、マイルチャンピオンシップ(G1、1600㍍・芝)です。
スプリント路線におけるファインニードルのように強く中心視されるような馬が不在のマイル路線。そんなこともあり今年のマイルチャンピオンシップは真の主役を決める一戦といえるでしょう。
【マイルチャンピオンシップ2018枠順】
1-1 ステルヴィオ(牡3、W.ビュイック・木村哲也)
1-2 ペルシアンナイト(牡4、M.デムーロ・池江泰寿)
2-3 アルアイン(牡4、川田将雅・池江泰寿)
2-4 ブラックムーン(牡6、浜中俊・西浦勝一)
3-5 ヒーズインラブ(牡5、藤岡康太・藤岡健一)
3-6 ジュールポレール(牝5、石川裕紀人・西園正都)
4-7 ロジクライ(牡5、C.デムーロ・須貝尚介)
4-8 モズアスコット(牡4、C.ルメール・矢作芳人)
5-9 ウインブライト(牡4、松岡正海・畠山吉宏)
5-10 ミッキーグローリー(牡5、戸崎圭太・国枝栄)
6-11 ジャンダルム(牡3、武豊・池江泰寿)
6-12 レーヌミノル(牝4、四位洋文・本田優)
7-13 レッドアヴァンセ(牝5、北村友一・音無秀孝)
7-14 エアスピネル(牡5、福永祐一・笹田和秀)
7-15 アエロリット(牝4、R.ムーア・菊沢隆徳)
8-16 カツジ(牡3、松山弘平・池添兼雄)
8-17 ロードクエスト(牡5、横山典弘・小島茂之)
8-18 ケイアイノーテック(牡3、藤岡佑介・平田修)
※16日午後6時更新
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※オッズは15日午前7時現在
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3.00倍の一番手評価となっているのは、安田記念(G1、1600㍍・芝)を勝利したモズアスコット(Mozu Ascot)
C.ルメール騎手が手綱をとるにもかかわらず重賞で勝ち切れない点や、連闘だったことから単勝オッズ9番人気となっていたモズアスコット。今の空前のルメールブームからすると考えられないようなオッズでもあります。
勝利した相手もアエロリット、スワーヴリチャード、リスグラシュー、サングレーザーと、一線級がズラリ。非常に価値のある勝利だったといえるでしょう。
前走のスワンステークス(G2、1400㍍・芝)では単勝オッズ1倍台に推されながらも惜敗ながらに2着。もともと「叩いてよくなる」というタイプの馬であることや、デビューから4着以下が一度もないことを考えると、やはり期待や安定感はピカイチ。あとは勝ち切ることができるかどうかという点でしょうか。
昨年のマイルチャンピオンシップ王者であるペルシアンナイト(Persian Knight)も高評価。4.50倍はあとでご紹介するアエロリットと並ぶ2番手評価です。
しかし今年はここまで、大阪杯(G1、2000㍍・芝)での2着こそあれど未勝利。前走の富士ステークス(G3、1600㍍・芝)においても不利がありながら5着とやや不本意な結果となりました。
しかし、素晴らしい切れ味を持ちながらエンジンのかかりがやや遅い馬ということを考えると、コーナーの出口で下り坂のある京都競馬場は非常に相性のいい競馬場であることは事実。戦績面で見る充実度は昨年の方が上かもしれませんが、やはり「京都1600」となれば無視できない存在でしょう。
ペルシアンナイトと並ぶ4.50倍のアエロリット(Aerolithe)。
前走の毎日王冠(G2、1800㍍・芝)においてはまんまと逃げ切り勝利。スピード・スタミナ共に高水準のモノを持ち合わせています。
京都コースが初めてであることや馬場が悪化した際がどうかという点ですが、心強いのが今回の鞍上である、この時期ではもはやおなじみとなったR.ムーア騎手。
ムーア騎手自身、マイルチャンピオンシップはこれまで3年連続馬券内と非常に好相性なレース。アエロリットの実力から考えれば当然勝利も視野に入っているだけに、新コンビながら非常に楽しみな一頭です。
そんなアエロリットが制した毎日王冠において、非常に強い競馬を見せていたのが3歳馬のステルヴィオ(Stelvio)。7.00倍は上位3頭に続く4番手評価です。
アエロリットとは着差こそありましたが、最速の上りを見せて2着に入線。
勝ったアエロリットが作ったペース。それに加えて3着のキセキ、4着のステファノスが2~3番手でレースを進めていった馬たちである事実から考えても、やはりこのステルヴィオのパフォーマンスには目を見張るものがあります。
京都コースは初めてとなりますが、過去には朝日杯フューチュリティステークス(G1、1600㍍・芝)において関西遠征は経験済み。その際も2着と結果を残しているだけに、輸送も問題なし。切れ味勝負の展開になればまず台頭してくる一頭でしょう。
加えて、鞍上に迎えるのは今年イギリスダービーを制するなどシーズンを通して非常に好調なW.ビュイック騎手。
日本遠征時は短い期間できっちり大きいところを勝利する勝負強いジョッキーなだけに、この乗り替りはアエロリット同様楽しみも大きいコンビでしょう。
ブックメーカーでも上位評価に推されているこの4頭。実は示し合わせたかのようにすべて「外国人騎手」が騎乗する馬たち。先週末の外国人騎手11勝もあり、日本人騎手たちの逆襲にも期待がかかります。
9.00倍評価となっているアルアイン(Al Ain)は、大阪杯以来となる川田将雅騎手とのコンビ。
これまで2000m前後を主戦場としてきたアルアインですが、今回は3歳冬のシンザン記念以来となるマイルへ。3戦2勝と一定以上の実績は残していますが、京都競馬場で開催されたシンザン記念自体は6着とやや不発な結果に。
しかし、番手につけてもある程度中団からレースを進めてもレースを作れるのは強みとなる点。アエロリットの出方を見つつ自分の形に持ち込みたいところです。
同じく9.00倍となっているエアスピネル(Air Spinel)。こちらは今年のダービージョッキー福永祐一騎手が手綱を取ります。
マイルコースなら、競馬場を問わず力を発揮することができるエアスピネルですが、その中でも特に得意とするのが京都競馬場。5戦2勝、重賞2勝。複勝圏率100%は驚異的な数字といえるでしょう。
その他、3歳マイルチャンピオンであるケイアイノーテック(Keiai Nautique)が12.00倍。C.デムーロ騎手鞍上で、ペルシアンナイトやエアスピネルを富士ステークス(G3、1600㍍・芝)で破ったロジクライ(Logi Cry)が15.00倍で続いています。
実績馬がズラリと顔を揃えた今年のマイルチャンピオンシップ。秋のマイル王の栄冠はどの馬に輝くのか。同レースは11月18日(日)15時40分発走予定です。