世界最高のスポーツ大国アメリカにおいて、トップクラスの人気を誇るスポーツがアメリカンフットボールです。
そのプロリーグであるNFLは野球のMLBやバスケットボールのNBA、アイスホッケーのNHLを凌ぎ、世界で最も収益を上げるスポーツリーグの座に君臨しています。
そんなアメリカンフットボールは学生スポーツにおいても絶大な人気を誇り、全米大学リーグに相当するNCAAカレッジフットボールはアマチュアスポーツでありながら1チームが何十億円もの収益を上げてしまうほど。
そんなNCAAカレッジフットボールが8月30日(木)に開幕を迎えます。ブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」が優勝オッズを発表していますので、その数字を参考に大会展望をご紹介していきます。
NCAAカレッジフットボールはアマチュアの域を超えた学生スポーツ
学生スポーツでありながら、アメリカにおいて4大スポーツに並ぶほどの人気を誇るNCAAカレッジフットボール。
強豪チームはNFLに勝るとも劣らない規模のスタジアムをホームとして使い、チームごとの収益も数十億円以上に上るほど。監督の給与も数億円と、メジャースポーツ並みかそれ以上です。
2018年のプレーオフ準決勝は2018年12月29日に開催。それぞれオレンジボウルとコットンボウルと呼ばれ、オレンジボウルはフロリダ州マイアミガーデンズのハードロック・スタジアム、コットンボウルはテキサス州アーリントンのAT&Tスタジアムで行われます。
そして栄えある全米王者決定戦は2019年1月7日。カリフォルニア州サンタクララにある、2016年にはNFLのスーパーボウルの会場となったリーバイス・スタジアムで開催されます。
全てのスタジアムがNFLチームの本拠地であり、収容人数は70000人を超える巨大なもの。それでもチケット購入が困難で、プレミア価格が付けられてしまうほどの人気を誇っています。
昨年度はアラバマ大学が王座奪還に成功!
2017年シーズンのNCAAカレッジフットボールを制したのはアラバマ大学。2018年1月8日にジョージア州アトランタのメルセデス・ベンツ・スタジアムで行われた全米王者決定戦において、ジョージア大学をオーバータイム(延長戦)にもつれ込んだ末に26-23で下し、2015年以来2度目の優勝を果たしました。
アラバマ大学は3年連続で全米王者決定戦進出、4年連続でプレーオフ進出ともなっており、全盛期を迎えつつあるといっても過言ではないでしょう。
一方のジョージア大学はこれが初めてのプレーオフ進出となりました。準決勝ではオクラホマ大学を相手に2度のオーバータイムの末に54-48で勝利。アラバマ大学を相手にも激しい戦いを繰り広げるなど、今後の活躍に期待が持てる内容となっています。
ハイズマン賞はオクラホマ大学のQBメイフィールドが獲得
全米大学最優秀選手賞に相当するハイズマン賞。19世紀後半から20世紀前半にかけてのアメリカンフットボール草莽期に大学フットボール界で選手、監督として多大な貢献をしたジョン・ハイズマンの名を冠し、1935年から最も優れた選手に授与されています。
その選定は870人の記者や関係者、歴代受賞者、一般投票の集計によって決定されており、受賞者の多くがドラフト上位でNFL入りしています。加えて、過去の受賞者のうち8人が殿堂入り、4人がスーパーボウルでMVPを獲得しているほど。非常に権威のある賞だといえるでしょう。
2017年のハイズマン賞受賞者はオクラホマ大学の4年生QBベーカー・メイフィールドでした。パス成功率は71%、獲得ヤードは4340、インターセプトされたのはわずかに5回という優れた成績を残し、投票で2398点を獲得。
2位のスタンフォード大学のRBブロイス・ラブに1098点も差をつける圧勝劇となりました。なお、メイフィールドはその後NFLドラフトにおいて全体1位指名でクリーブランド・ブラウンズに加入しています。
昨年度チャンピオンのアラバマ大学の連覇が最高オッズに!
【NCAAカレッジフットボール2018優勝オッズ】
※オッズは30日午前7時現在
<ウィリアムヒル 登録方法>
2018年の優勝オッズで最有力候補となったのは昨年度チャンピオンのアラバマ大学。オッズは3.25倍と、非常に高い数字が付けられました。
2番手は昨年度プレーオフ準決勝でアラバマ大学に敗れたクレムソン大学。2016年に全米王者に輝いている強豪がオッズ7.00倍となっています。
3番手は昨年度ファイナリストのジョージア大学で9.00倍。昨年決勝でアラバマ大学に敗れた雪辱を果たせるでしょうか。
4番手はオハイオ州立大学で9.50倍、5番手はミシガン大学で15.00倍、6番手はワシントン大学で19.00倍と続いています。
今季のハイズマン賞は昨年2位と鮮烈デビューの2年生との争いとなるか
【NCAAカレッジフットボール2018ハイズマン賞受賞者オッズ】
※オッズは30日午前7時現在
2018年のハイズマン賞受賞者オッズでトップに立ったのはスタンフォード大学のブロイス・ラブとアラバマ大学のトゥア・タガバイロアで7.00倍。
4年生のラブは昨年度の投票で2位となった経験を活かして今年こそハイズマン賞獲得と行きたいところ。
一方、2年生のタガバイロアは昨年の全米王者決定戦で1年生にして途中出場。劣勢に立っていたチームを逆転優勝に導く活躍を見せ、無名の存在から一気に全国区のスターにのし上がっています。
3番手はウィスコンシン大学のジョナサン・テイラーで9.00倍、4番手はジョージア大学のジェイク・フロムとアリゾナ大学のハリル・テートで15.00倍と続いています。
絶対王者への道を進むアラバマ大学、初の連覇となるか
2007年からアラバマ大学のヘッドコーチを務めるニック・セーバンの年棒はなんと約12億円。NCAAカレッジフットボールで最高額を誇ります。
2018年ロシアワールドカップに参加した監督の年棒だと、最高額はドイツ代表監督のヨアヒム・レーヴ監督で約5億1300万円。ドイツを2014年のワールドカップ王者に導いた名将でさえ半額以下と、カレッジフットボールのヘッドコーチがどれほどの利益を生み出すのか、そしてセーバンヘッドコーチの優秀さがうかがえます。
3年連続全米王者決定戦進出、そのうち2回優勝とまさに絶対王者への道を突き進んでいるアラバマ大学。最高のヘッドコーチとともに、連覇へ視界は良好です。
プロ有望選手が全て残留!クレムソン大学はより強くなって王座に再挑戦
カレッジフットボールの世界では、卒業前でもNFLから声がかかり、退団してプロ入りすることは珍しくありません。
優秀な選手が多いほどその選手たちが引き抜かれたダメージは大きくなるものですが、今年のクレムソン大学はクレリン・フェレル、クリスチャン・ウィルキンス、オースティン・ブライアント、ケンダル・ジョセフ、ミッチ・ハイアットといったNFL入りが噂された選手たちが全て残留を決めました。
このようなチームのために結束し、戦うカルチャーを持っていることがクレムソン大学の強さを支えているのかもしれません。クレムソン大学は昨年アラバマ大学に奪われた王座を再び取り返すことができるでしょうか。