夏を目前に控えたこの時期、夏の暑さよりも一足先に欧州競馬界における「最も熱い5日間」アスコット競馬場で開催されるロイヤルアスコットがいよいよ間近に迫ってきました。
1711年に第1回が開催され、300年以上の歴史を誇るロイヤルアスコット開催。この5日間で述べ30レース、G1レースは8レースが組まれています。
【ロイヤルアスコット2018スケジュール】
6月19日
セントジェームズパレス
キングズスタンドステークス
クイーンアンステークス
6月20日
プリンスオブウェールズステークス
6月21日
ゴールドカップ
6月22日
コモンウェルスカップ
コロネーションステークス
6月23日
ダイヤモンドジュビリーステークス
全日程に注目レースが目白押しではありますが、今回はこの中から、初日に開催されるキングズスタンドステークス、2日目のプリンスオブウェールズ。最終日のダイヤモンドジュビリーステークスの3レースをご紹介いたします。
キングズスタンドステークス2018
直線1000mで競われるキングズスタンドステークス(海外G1、1000㍍・芝)。2008年からG1レースに再昇格して以降「数時間前に子供が生まれたばかりの騎手が勝利」「6年連続出走馬の引退レース」など、数々のドラマや話題を呼んできたレースでもあります。
今年はいったいどんなドラマ、そしてどの馬が勝利するのか。まずは、ブックメーカー「10Bet」が発表しているオッズをご確認いただきましょう。
【キングスタンドステークス2018オッズ】
※オッズは18日午前10時現在
<10Bet 登録方法>
一番手評価となる3.00倍には、2頭推されています。
その内の一頭、レディオーレリア(Lady Aurelia)は昨年、3歳牝馬にしてキングズスタンドステークスを勝利。
昨年の勝利時点で6戦5勝。欧州短距離界におけるニューヒロインの誕生を予感させていましたが、その後は3戦してすべて1番人気に推されながら勝利はなし。前走では昨年勝利した準重賞も2着に敗れるなどやや精彩を欠いている面もあります。連覇達成となるでしょうか。
もう一頭は2017年のアベイユドロンシャン(海外G1、1000㍍・芝)の勝利馬バターシュ(Battaash)。
3歳馬にしてアベイユドロンシャンの圧勝したことにより、一気に短距離界の主役として注目を集めることとなりましたが、そこから8か月間の休養に入ります。
その復帰戦となった前走は頭差ながらにキッチリ勝利。このひとたたきでキッチリ仕上がったとなれば、やはり今回の注目候補であるといえるでしょう。
その他、重賞3勝の実績を誇るブルーポイント(Blue Point)が8.50倍。昨年、日本のスプリンターズステークス(G1、1200㍍・芝)に予備登録もしていたキャッチー(Kachy)が10.00倍で続いています。
プリンスオブウェールズ2018
ロイヤルアスコットの2日目に開催されるプリンスオブウェールズ(海外G1、約2004㍍・芝)。
ロイヤルアスコットにおける代表格的レースということだけでなく、この後に控えるキングジョージや凱旋門賞に向けたステップレースのひとつとして毎年豪華なメンバーが顔をそろえる一戦となっており、今年も現在の欧州中距離界における最注目馬が出走いたします。
まずはブックメーカー「10Bet」が発表しているオッズをご確認いただきましょう。
【プリンスオブウェールズ2018オッズ】
※オッズは18日午前10時現在
1.61倍のダントツ一番手評価となっているのがG1レース3連勝を含む、重賞5連勝中のクラックスマン(Cracksman)です。
3歳時にはイギリス、アイルランド両ダービーにおいて最有力候補に推されながらも3着、2着と勝ちきれなかったクラックスマンでしたが、その後一気に能力が開花。現在はG1を3連勝中と勢いに乗っています。
前々走のガネー賞(海外G1、2100㍍・芝)が4馬身と完勝だったのに対し、前走のコロネーションカップ(海外G1、2420㍍・芝)では頭差まで迫られたことに関しても「エプソム競馬場があっていなかっただけ」と陣営は強気の一言。
今回の舞台であるアスコット競馬場、そしてプリンスオブウェールズは3走前に7馬身差をつけて完勝したイギリスチャンピオンステークスと同条件であり、得意としています。
対する二番手の5.00倍評価となっているのがポエッツワード(Poets Word)。
これまでG1勝利はなく、G3を2勝するにとどまっているポエッツワードですが、香港カップにおける6着を除けばこれまで4戦したG1レースにおいてすべて2着という抜群の安定感が魅力的です。
実は昨年、クラックスマンが圧勝劇を見せたチャンピオンステークスの2着馬がこのポエッツワード。その時以来の再戦となります。
もう一頭、クラックスマンに雪辱を誓うのが今年のドバイシーマクラシック(海外G1、2410㍍・芝)を勝利したホークビル(Hawkbill)。
しかし、前走のコロネーションカップでは勝利したクラックスマンから17馬身差離された5着に終わったこともあってか、オッズは12.00倍とかなり離された評価に。実績面でみればこの評価に終わる馬ではないでしょう。
この先の主要海外G1レースを占う大事な一戦だけに、要注目です。
ダイヤモンドジュビリーステークス2018
ロイヤルアスコットの最終日に開催されるのが、イギリス競馬におけるスプリンターナンバーワン決定戦。ダイヤモンドジュビリーステークス(海外G1、約1207㍍・芝)です。
少頭数でのG1開催が珍しくない海外競馬において、20頭立て以上も珍しくない伝統あるG1レースとなっています。
まずはブックメーカー「10Bet」が発表しているオッズをご確認いただきましょう。
【ダイヤモンドジュビリーステークス2018オッズ(上位)】
※オッズは18日午前10時現在
<10Bet 登録方法>
昨年のロイヤルアスコット開催から、欧州短距離界の構図ががらりと変化します。
3.50倍の一番手評価となっているのがハリーエンジェル(Harry Angel)。昨年のロイヤルアスコットは3歳限定戦のコモンウェルスカップ(海外G1、1207㍍・芝)に挑み、2着でした。
しかしその後、ジュライカップ、スプリントカップと、国内有数のスプリントG1レースを連勝。勝利した相手も昨年のコモンウェルスカップ勝利馬であるカラヴァッジョや、G1レース2勝のリマトなどそうそうたるメンバーだったこともあり、今回1年の時を経て主役級の評価を与えられることとなりました。
二番手として5.00倍と評されているのがマーチャンネイビー(Merchant Navy)。
良質な短距離馬が多いニュージーランド競馬においてG1を勝利、前走からアイルランドへ移籍してきましたが、その移籍先はあのA.オブライエン厩舎。かなりの素質を見込んでの移籍だったと考えられるでしょう。
期待にこたえるかのように、好メンバーがそろった前走のグリーンランズステークス(海外G2、1200㍍・芝)を見事に勝利。こちらも一気に主役へと踊り出ました。
異色の経歴を持つ7歳馬、レッドカークウォーリア(Redkirk Warrior)も要注意が必要でしょう、オッズは現在7.00倍となっています。
今回、ニュージーランドにおいてG1レース2連勝という実績を引っ提げてロイヤルアスコットへ挑むレッドカークウォーリアですが、実は4年前は英国所属馬でありアスコット競馬場で10ハロン(2000m)を勝利。一流のスプリンターへと変身を遂げた今回、凱旋勝利となるでしょうか。
お伝えきれないほど、見どころ満載のロイヤルアスコット開催。今週1週間は是非とも、英国競馬にご注目ください。