今年も残すところあと1ヶ月。しかしながら、2歳両G1レースや、最終週には有馬記念や、年末のダート王決定戦東京大賞典がスタンバイするなど、まだまだ楽しみなレースが盛だくさんと言ったところでしょう。そんな年の瀬12月の風物詩となったのが12月8日(日)に香港はシャティン競馬場で開催される「香港国際競走」です。
日本からの出走予定馬は以下の通りです。
▽香港ヴァーズ(海外G1、2400㍍・芝)
グローリーヴェイズ
ディアドラ
ラッキーライラック
▽香港スプリント(海外G1、1200㍍・芝)
ダノンスマッシュ
▽香港マイル(海外G1、1600㍍・芝)
インディチャンプ
ペルシアンナイト
アドマイヤマーズ
ノームコア
▽香港カップ(海外G1、2000㍍・芝)
ウインブライト
大注目であったアーモンドアイが香港カップを回避。場合によっては有馬記念へ向かうということを発表したことによってややトーンダウンしている競馬ファンもいらっしゃるかもしれませんが、今年は上でご紹介した通り日本からの遠征馬が9頭と、かなりの頭数が出走。非常に楽しみな1日であることにかわりはないでしょう。
今回はその中でも特に日本馬の出走頭数が多い香港ヴァーズ、そして香港マイルの2レースについて、ブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」が発表しているオッズを紹介しながら詳しくご紹介していきましょう。
香港ヴァーズ
世界的にもビッグレースの多いクラシックディスタンスですが、香港はどちらかというとスプリント・マイル路線が強い国ということもあり、香港勢の勝利は25回の歴史の中で3回のみ。ちなみに日本馬の勝利回数は2回となっており、もし今年勝利すれば香港に並ぶこととなります。
果たして今年はどの国の馬が栄光をつかむのか?まずはブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」が発表しているオッズをご確認いただきましょう。
【香港ヴァーズ2019オッズ】
※オッズは5日午前9時現在
<ウィリアムヒル 登録方法>
1番手評価に挙げられたのは香港所属にして昨年の香港ヴァーズ勝ち馬エグザルタント。オッズ2.37倍は、1頭かなり抜けたオッズとなっています。
元々アイルランドで生産され、デビューしたエグザルタント。デビュー2連勝後わずか3か月ほどで香港へと移籍することとなった同馬は、2018年に重賞勝利そして香港ヴァーズにおいて日本のリスグラシューを下して初のG1勝利を手にします。
ここから一気にその素質が開花。2019年はここまで6戦4勝、2着1回3着1回。G1レースを2勝と昨年以上の充実ぶりを見せており、地元勢による2連覇に大きな期待がかかります。
管理するのは香港の元一流ジョッキーA.クルーズ調教師。
「今シーズンはかなり順調、昨年よりもさらに良くなっているんじゃないかな」と、自信のコメント。「逃げてこその馬」と同師がコメントしていた同馬が、前走では4コーナーで捲り切っての勝利を挙げたことからも、その進化の度合いが伺えます。
日本勢の注目馬は牝馬の2頭。
今年、海外戦線で活躍し続けたディアドラ。オッズは7.0倍となっています。
3月のドバイから、世界中で6戦。勝利はイギリスでのナッソーステークス(海外G1、1980㍍・芝)のみではありますが、最低着順も6着と多くのレースで善戦。競走能力はもとより、その精神力の強さを見せました。
香港自体はこれで3戦目。昨年の香港カップでは2着に入線していますが、今回はヴァーズ。2400mは久々だけに、この点がどう出るでしょうか。
前走のエリザベス女王杯(G1、2200㍍・芝)において復活勝利を挙げたラッキーライラック。オッズは8.0倍となっています。
前走ではそれまでコンビを組んでいた石橋脩騎手から、C.スミヨン騎手へと乗り替わり。正に「馬が合う」かのような見事な騎乗で勝利。今回も鞍上はC.スミヨン騎手が続けてまたがるだけに、勢いそのままG1レース2勝目を狙います。
欧州勢からの注目馬がアンソニーヴァンダイク。こちらもオッズは8.0倍です。
今年のイギリスダービーを制した後は精彩を欠いていましたが、前走前々走では連続して3着に入線。確実に状態は上向いてきていると言えるでしょう。
その他、アイルランドの重賞馬トゥルーセルフが13.00倍。イギリスで芝・ダート両レースの勝利経験があるヤングラスカルが15.00倍。残る日本からの遠征馬であるグローリーヴェイズが17.00倍となっています。
香港マイル
香港ヴァーズでは海外勢の活躍が目立つ一方。ここ10年で香港勢によって9勝を占められているのが香港マイルです。ちなみに残る1勝は、日本のモーリスによるものです。
こちらもまずはブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」のオッズをご確認いただきましょう。
わずかな差ではありますが、3.0倍で1番手評価となったのは香港マイル2連覇中の名馬ビューティージェネレーションです。
2018年4月から2019年10月まで、マイルG1レース5勝を含む10連勝を達成。今年もビューティージェネレーションの1年かと思われていましたがここ2戦は連続して3着と、ややトーンダウン。斤量差こそあったものの、やはりこれだけの馬であれば勝利して欲しかったのが正直なところでしょう。オッズもそういった事情が反映されての僅差でしょうか。
そのビューティージェネレーションに2戦連続で先着、更に前走で破ったのがワイワク。オッズは4.5倍となっています。先着した事実こそ確かですが、前走は「2.5キロ差」今回は「斤量差なし」ということを考えると、力関係を考えるのが非常に難しい2頭でもあります。
4頭が出走する日本勢の大将格は、春秋マイルG1制覇の偉業を成し遂げたインディチャンプではないでしょうか。オッズは3.25倍でビューティージェネレーションに次ぐ2番手評価となっています。
前走のマイルチャンピオンシップ(G1、1600㍍・芝)では、主戦騎手の福永騎手が騎乗停止によって池添謙一騎手に急遽乗り替わるアクシデントも何のその。あのアーモンドアイを破った春の安田記念(G1、1600㍍・芝)での勝利が決して運だけでなく実力もあってのことだったと改めて思い知らせる結果となりました。今回も、福永祐一騎手には戻らずD.レーン騎手が騎乗予定となっています。
調整も「力みもなく落ち着いている」と、順調。日本、そして香港の両マイルG1を制すればモーリス以来の快挙となります。
その他、日本勢はノームコアが11.00倍。ペルシアンナイトが13.00倍。アドマイヤマーズが15.00倍。上記3頭から離されたオッズですが、こちらも要注目です。