卓球の2016年ワールドツアーグランドファイナルズが8日から中東・ドバイの地で始まります。ポルトガルのリスボンで行われた前回2015年大会では、男子シングルスは中国の馬龍、男子ダブルスは日本の森薗政崇・大島祐哉ペア、アンダー21男子シングルスは同じく日本の大島が優勝を果たしました。
女子シングルスは中国の丁寧、女子ダブルスはシングルスに続いて中国の丁寧と朱雨玲のペア、アンダー21女子シングルスはシンガポールのリン・イエが優勝しました。長年中国が優勝をほぼ独占するような状況が続いていましたが、近年は日本の躍進が目立ってきているように思われます。
一年間を通して世界中を転戦するワールドツアーの総決算となるこのグランドファイナルズ。世界ランキングにも大きな影響を与える卓球界でもっとも重要な大会の一つである今大会において、今年は最強中国の牙城をどこまで突き崩すことができるでしょうか?
ここで今大会に臨む日本代表メンバーの紹介をしたいと思います。
【2016ワールドツアーグランドファイナルズ日本代表メンバー】
<男子>
水谷隼(wr5位)、丹羽孝希(wr17位)、松平健太(wr18位)、吉村真晴(wr27位)、村松雄斗(wr31位)、 大島祐哉(wr39位)、森薗政崇(wr52位)、張本智和(wr77位)、及川瑞基(wr103位)
<女子>
石川佳純(wr5位)、伊藤美誠(wr9位)、平野美宇(wr11位)、浜本由惟(wr23位)、
早田ひな(wr24位)、佐藤瞳(wr25位)、石垣優香(wr29位)、橋本帆乃香(wr34位)、加藤美優(wr37位)、森さくら(wr41位)、芝田沙季(wr60位)、前田美優(wr64位)
※wrはワールドランキングの略。12月現在の順位に基づく
日本男子
男子シングルスは、トップ16選手、ダブルスはトップ8ペアによって争われますが、この戦いを制するのは誰でしょうか?ブックメーカー「bet365」が男子のシングルスとダブルスの1回戦のオッズを発表しましたので紹介しておきます。
【ワールドツアーグランドファイナルズ2016男子シングルス1回戦オッズ】
※オッズは8日午前6時現在
【ワールドツアーグランドファイナルズ2016男子ダブルス準々決勝オッズ】
※オッズは8日午前6時現在
<ワールドツアーグランドファイナルズ2016の組み合わせ・結果>
注目選手にはまず2016年リオ・デ・ジャネイロオリンピックにおいて男子シングルス銅メダルを獲得し、日本史上初となるシングルスでのメダル獲得に加えて、団体でも男子史上初の銀メダル獲得に貢献した水谷が挙げられるでしょう。過去のワールドツアーグランドファイナルにおいては2010年ソウル大会、2014年バンコク大会において優勝を飾っており、今大会でも優勝候補に挙げられています。日本のエースとして中国勢をも上回る活躍を見せつけてほしいところです。
続くのは、丹羽孝希です。ロンドン五輪のアジア予選では世界ランキング1位(当時も今も)の中国の馬龍を破る快挙を成し遂げ、本大会では準々決勝で敗れたものの相手の張継科は金メダルに輝いています。リオ五輪では団体チームの一員として銀メダル獲得に貢献しました。丹羽というとそのイケメンぶりや、乃木坂46の熱狂的なファンであることが表立ってあまりその実力が語られていないようにも感じますが、いずれ水谷を押しのけて日本のエースとなれる潜在能力の高さは誰もが認めるところです。ぜひとも今大会をその契機としてほしい選手です。
日本女子
女子も男子同様にシングルスが16選手、ダブルスが8ペアで争われます。ブックメーカー「bet365」が発表した1回戦のオッズを紹介しておきます。
【ワールドツアーグランドファイナルズ2016女子シングルス1回戦オッズ】
※オッズは8日午前6時現在
【ワールドツアーグランドファイナルズ2016女子ダブルス準々決勝オッズ】
※オッズは8日午前6時現在
<ワールドツアーグランドファイナルズ2016の組み合わせ・結果>
女子ではまずエース石川佳純の名前が挙げられます。リオ五輪では団体戦銅メダルに貢献し、リオ五輪後の復帰戦となったスウェーデン・オープンで優勝を果たしています。2014年のグランドファイナルでは女子シングルスで優勝した実績もあり、今大会も大いに期待ができることでしょう。今大会はこれまで日本をリードしてきた福原愛が不在となるため、石川にかかる責任はかつてないものになるかもしれませんが、彼女ならきっとやってくれるはずです。
石川に続くのは伊藤美誠です。リオ五輪では福原、石川とともに団体戦に出場して銅メダル獲得に貢献しました。リオ五輪前の4月には世界ランキング1位の丁寧を破る快挙も果たしています。11月にはワールドツアーのオーストラリア・オープンで優勝、またつい先日に南アフリカのケープタウンで行われた世界ジュニア卓球選手権では中国を破って団体戦優勝も果たしており、ノリに乗っている状態です。このまま女子のエースに名乗りを上げることもあり得るでしょう。
また、平野美宇も外せません。同い年の伊藤と幼少期から切磋琢磨してきた平野は残念ながらリオ五輪の団体チームからは落選しましたが、その後ワールドツアーのポーランド・オープンで初優勝を飾ると、10月にアメリカのフィラデルフィアで行われた卓球ワールドカップでは中国人以外で初めてとなるシングルス優勝という快挙を成し遂げました。男子や団体を含めても2009年以来の中国勢以外の優勝となり、その素晴らしさがさらに際立ちます。まだ16歳という若さもあり、伊藤ともども大きな伸びしろが残されているでしょうから、さらなる飛躍に期待です。
先日、日本卓球協会が将来的なプロ化を目指し、「Tリーグ」と仮称する新リーグの設立計画を発表しました。これが成功すれば日本における卓球のレベルアップにつながり、中国を超えて日本が卓球世界最強国に成り上がることすら夢ではなくなることでしょう。その目標に向けて弾みをつけるためにも、ぜひ今大会での日本選手団の活躍に期待しましょう。