フェデラーとナダルの復活、超新星の台頭など話題に事欠かない2017年のテニス界。いよいよ今年最後のグランドスラムである全米オープンを迎えます。年内最後にして4大メジャー最大の大会であるこの全米オープン。復活の英雄がさらにその支配を強めるのか?それとも若き才能が新たな時代の幕開けを飾るのか?ブックメーカー「NetBet」がその勝敗を占うオッズを発表していますので、ご紹介していきます。
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全米オープンとは
4大メジャー大会の一つである全米オープン。この大会を特徴づけるのはその観客収容人数や賞金総額の大きさです。センターコートとして使用されるアーサー・アッシュ・スタジアムは収容人数なんと約2万3000人と世界最大。賞金総額も3425万2000ドルとこれまた世界最高額です。世界最高のスポーツ大国が開催する最高のテニストーナメントに相応しい、堂々たる威容を誇っているといえるでしょう。
2016年はワウリンカが初の全米王者に
2015年王者のノバク・ジョコビッチと全米オープンで初めて決勝の舞台に立ったスタン・ワウリンカの対戦となった2016年。勝者となったのはワウリンカでした。3-1で見事ジョコビッチを下し、全米の頂点を掴み取っています。
全米過去5回優勝のロジャー・フェデラーは今大会17年ぶりに欠場。日本の錦織圭はアンディ・マリーを準々決勝で下すも、準決勝でワウリンカの前に敗退しています。
フェデラーが再び全米6冠を成し遂げるか
【全米オープン2017男子シングルス優勝オッズ(上位)】
※オッズは28日午前8時現在
ブックメーカー「NetBet」が発表する、2017年全米オープンテニス男子シングルスの優勝候補筆頭はロジャー・フェデラー。オッズは2.60倍となりました。フェデラーにとって、全米は過去に5回優勝経験のある相性の良い大会です。歴代全米オープン最多優勝は7回。フェデラーならば、追いつける可能性があるかもしれません。今大会を制し、大記録にリーチをかけられるでしょうか。
<全米オープンテニス2017男子シングルスドロー(組み合わせ)>
2番手は全米2度の優勝を記録しているラファエル・ナダル。オッズは4.00倍となりました。今年の全豪オープン決勝でフェデラーに敗れた雪辱を今大会で晴らしたいところです。
3番手は驚異の超新星アレクサンダー・ズベレフでオッズは6.00倍となりました。8月に行われたシティ・オープンでは錦織圭を相手にストレート勝ちを収めています。弱冠20歳の新鋭の快進撃に期待が持てます。
なお、昨年全米オープン王者のワウリンカ、同2015年王者のジョコビッチ、元世界ランク1位のアンディ・マレー、世界ランク11位のミロシュ・ラオニッチ、そして日本の錦織圭は欠場を表明しています。
グランドスラム年間3冠の偉業達成なるか
36歳にしてかつての輝きを取り戻したロジャー・フェデラー。長いけがとの格闘の末、今年はまさに完全復活の年となっています。1月にはナダルとの打ち合いの末に全豪オープンを制し、2012年ウィンブルドン以来となるグランドスラム制覇を記録。さらには7月のウィンブルドンでも勝利し、年間グランドスラム2冠を達成しています。ウィンブルドンでは1976年以来となる全試合ストレート勝利、および最年長優勝記録を32歳から35歳に更新、さらには歴代最多となる優勝8回目と、記録づくめの優勝となりました。
現在フェデラーは全米最多優勝記録の7回にあと2回と迫る5回。今のフェデラーなら、達成できる可能性は十分にあるはずです。史上最強のテニスプレーヤーとの呼び声の高いフェデラーが、さらにその地位を確固たるものにしていくのでしょうか。
世界ランキング1位を奪還したナダル
2016年には手首の怪我の影響により不調が続き、途中休養となったナダル。ライバルのフェデラーとともに、もう終焉を迎えつつあると考えられました。しかし、今年1月の全豪オープンではそろって決勝に進出。さらには全試合ストレート勝利で全仏オープンを制覇。史上初となるグランドスラム同一大会10冠の大記録を達成しています。
それらの結果、ついにアンディ・マリーを抜いて3年ぶりとなる世界ランキング1位の座にナダルは返り咲きました。まだ31歳。フェデラーと比べるまでもなく、老け込むにはまだまだ早すぎる年齢です。2013年以来の全米制覇を達成し、ここからさらなる上昇への契機としたいところでしょう。史上最強の座をフェデラーから奪い取ることも、決して不可能ではないはずです。
超新星がビッグ4超えに挑む
世代交代の時が訪れているのでしょうか。長くビッグ4(フェデラー、ナダル、ジョコビッチ、マリー)が支配していた今のテニス界に現れた超新星、それがズベレフです。世界ランキング27位のミーシャ・ズベレフの10歳年下の弟である彼は、兄の試合について回り、幼いころから世界トップクラスのテニスプレーヤーたちを目の当たりにしてきました。その中にはマリーやジョコビッチも含まれ、一緒に遊んでもらうことも多かったとのこと。
世界で活躍する兄とともに練習し、ボールを打ち合うことで同年代にはできない経験を積み重ねてきたズベレフ。20歳にして世界ランキング6位と、その才能は本物です。かつてのビッグ4のように、若くしてグランドスラムを制して新時代の幕開けを宣言することができるでしょうか。
錦織は年内休養を選択
右手首の腱の部分断裂により、年内の全大会休養を決めた錦織。近年は常にけがに悩まされ、途中棄権となる大会も少なくなかっただけに、今回の休養は避けられないものだったとみてよいでしょう。
テニスにけがは付き物。多くの選手が時に休養を迫られています。もちろん選手本人にとって喜ばしいことではありませんが、無理に競技を続けるよりも、将来的にはプラスとなるはずです。同じように怪我に苦しんでいたフェデラーの復活は、錦織にとっても大きな後押しとなっていることでしょう。さらなる飛躍の糧とするため、今はしっかりと休んでもらいたいところです。
日本からは今シーズンATPツアーで初優勝を果たした世界ランク43位の杉田祐一と、同118位のダニエル太郎の2選手が出場します。