2年に一度の陸上競技の祭典「世界陸上2015北京大会」がいよいよ22日、男子マラソン(22日午前8時35分~)を皮切りに開幕します(日程:8月22日~30日)。何といっても、大注目なのが来年のリオ五輪で引退を宣言している男子100㍍、200㍍に出場するウサイン・ボルト(ジャマイカ)と、ジャスティン・ガトリン(アメリカ)の世紀の対決でしょう。
【世界陸上2009ベルリン大会男子100㍍決勝(金メダル:ウサイン・ボルト)】
世界陸上2015で最も脚光を浴びるのは誰なのか?世界記録は誕生するのか?そして、日本人メダリストは何人誕生するのか?話題が尽きることはありません。ただ、決まっているのは表彰台のてっぺんを目指して世界中から最強の猛者たちが中国は北京に集結するということです。
では、誰が世界の頂点に立つのでしょうか?ブックメーカー(スポーツブック)が金メダルオッズ、もしくはメダル獲得オッズ(3位以内)を発表していますので、そのオッズを紹介しながら注目種目を見ていきましょう。
男子100㍍/男子200㍍ (男子100㍍:予選=22日、準決勝・決勝=23日) (男子200㍍:予選=25日、準決勝=26日、決勝=27日)
【世界陸上2015男子100㍍金メダルオッズ】
※オッズは22日午前9時現在
英国の老舗ブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」が発表した金メダルオッズでは、ウサイン・ボルトが1.73倍で金メダル最有力となっています。そのあとを僅差で追うのがジャスティン・ガトリンで2.10倍となっています。この二人がダントツの金メダルオッズとなっていますが、3番手には世界歴代4位となる9秒72の記録を持つアサファ・パウエル(ジャマイカ)で21.00倍、4番手には9秒69の世界2位の記録を持つタイソン・ゲイ(アメリカ)が41.00倍となっています。
世界2位、4位の記録を持つパウエルやゲイがいても、ボルトとガトリンがオッズにおいても抜きに出ている―。実に恐ろしいメンツが揃ったものです。
ボルトは言わずと知れた100㍍の世界記録9秒58を持つ“世界で最も早い男”です。世界陸上2009ベルリン大会で世界を驚愕させたボルトが、世界陸上最後の出場と公言している北京大会で再び人類の歴史を塗り替えるのでしょうか?ボルトは、世界陸上2013モスクワ大会からの史上初となる100㍍、200㍍、4×100㍍リレーの3冠連覇を狙います。一方、ガトリンは2006年に薬物違反が発覚して長く陸上界から離れていましたが、2010年に再びトラックの舞台に舞い戻ってきました。そして、今シーズンは絶好調で100㍍では9秒74、200㍍では19秒57と世界ランク1位の記録をマークし、ボルトを凌駕しています。ボルトを世界陸上の舞台で打ち負かす最後のチャンスになるであろうガトリンの走りにも注目です。
男子200㍍の金メダルオッズにおいても、「ボルト対ガトリン」の一騎打ちとなっています。ボルトが1.73倍で1番人気、ガトリンが2.25倍で2番人気となっています。この2強を追うのが同種目南米記録保持者のアロンソ・エドワード(パナマ)と、20歳のツァーネル・ヒューズ(イギリス)が26.00倍で続きます。今年の世界ユース選手権の同種目で、ボルトが持つ記録を上回る20秒28で大会新Vを果たした16歳のサニブラウン・アブドゥル・ハキーム(日本)がどこまで戦えるかも見ものです。
【世界陸上2015男子200㍍金メダルオッズ】
※オッズは22日午前9時現在
男子5000㍍/10000㍍ (男子5000㍍:予選=26日、決勝=29日) (男子10000㍍:決勝=22日)
【男子10000㍍金メダルオッズ】
※オッズは22日午前9時現在
ブックメーカー「bet365」が発表した男子10000㍍の金メダルオッズによると、モハメド・ファラー(イギリス)が1.40倍で優勝最有力となっています。2番手には世界クロスカントリー2015を制したゲオフレイ・カムウォロレ(ケニア)が4.50倍、世界陸上2013モスクワ大会銅メダルで九電工に所属するポール・タヌイ(ケニア)が8.00倍であとを追います。
何といってもファラーがモスクワ大会に続く5000㍍と10000㍍の2冠なるかに注目が集まります。ロンドン五輪(2012年)、世界陸上(2013年)、ヨーロッパ選手権(2014年)の大会すべてにおいて両種目で金メダルを獲得しているファラーがまたその強さを見せつけそうな気がします。
男子棒高跳び (決勝=24日)
【世界陸上2015男子棒高跳び金メダルオッズ】
※オッズは22日午前9時現在
ブックメーカー「NetBet」が発表したオッズによると、2014年2月にあの世界陸上6連覇の偉業を果たし、世界記録保持者のセルゲイ・ブブカの記録を破る6㍍16の世界新記録をマークしたルノー・ラビレニ(フランス)が1.33倍とダントツの1番人気となっています。2番手には今年3月の室内学生選手権を5㍍91のNCAA新記録で優勝したショーン・バーバー(カナダ)が8.50倍となっています。
「次の世代にバトンを渡すことができて最高」と鳥人ブブカに言わしめたラビレニがロンドン五輪の金メダルに続く表彰台のトップに立つことになるのでしょうか。また、世界新記録の更新もありうるのでしょうか?
男子20㌔競歩 (決勝=23日)
【世界陸上2015男子20㌔競歩金メダルオッズ】
※オッズは22日午前9時現在
日本の金メダル第1号となるか?イギリスの老舗ブックメーカー「Ladbrokes(ラドブロークス)」が発表したオッズによると、今年3月に行われた全日本競歩能美大会で日本陸上界としては50年ぶりとなる1時間16分36秒の世界新記録を樹立した鈴木雄介が、3番手となる4.50倍のオッズとなっています。1番人気になってもおかしくない世界記録ホルダーですが、欧州での評価は思った以上に上がっていないようです。1番人気にはロンドン五輪同種目で銅メダルを獲得した王鎮(ワン・ジェン、中国)で2.25倍、2番手にはロンドン五輪同種目金メダルの陳定(チェン・ディン、中国)で3.50倍のオッズとなっています。
【鈴木雄介特集「歩きの極意」を徹底分析!】
日本勢では本大会が世界陸上初出場となる高橋英輝が5番手となる8.00倍、3大会ぶりの世界陸上の出場となる藤原勇が8番手となる26.00倍のオッズがついており、メダル争いに日本勢が絡んできそうです。
女子マラソン (決勝=8月30日)
【世界陸上2015女子マラソンメダルオッズ】
※オッズは22日午前9時現在
世界陸上の最終日に行われる女子マラソン(30日午前8時30分~)のオッズは、ブックメーカー「888sport」が発表しています。888sportは世界陸上のほぼ全種目のオッズを発表している数少ないブックメーカーの一つです。Winnerはいわゆる金メダルオッズで、(1~3)は3位以内、つまりメダル獲得オッズとなります。
まずは日本勢に注目すると、前田彩里が金メダルオッズ61.00倍、メダル獲得オッズが11.00倍と日本勢でトップに立っています。続いて、伊藤舞と重友梨佐の金メダルオッズが81.00倍、メダル獲得オッズが14.00倍となっています。メダル争いと入賞争いに十分絡んできそうな期待を持てるオッズ予想となっています。
金メダル最有力には昨年のシカゴマラソンを2時間25分37秒で優勝したマレ・ディババ(エチオピア)で1.60倍のオッズがついています。2番手には世界陸上2011、2013の女子マラソン金メダルのエドナ・キプラガド(ケニア)で6.00倍、3番手には今年のロンドンマラソンを制したティギスト・トゥファ(エチオピア)で9.00倍のオッズで続いています。日本勢はアフリカ勢を崩すことができるのかに注目しましょう。
まだまだ世界陸上2015には多くの注目種目があります。ブックメーカーも各種目のオッズを発表しますので、ぜひブックメーカー情報局公式ツイッターや清崎民喜ツイッターなどでフォローいただければ幸いです。また、清崎民喜公式ブログでも更新していきます。
地上波ではTBS系列で織田裕二さんが司会を務め、全日生中継予定となっています。
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