EURO2016に先駆けて、日本時間の6月4日に「コパ・アメリカ・センテナリオ2016」が開催されます。
南米大陸の王者をかけて、サッカー強国が火花を散らすコパ・アメリカ。本来は4年に一度の開催なのですが、今年は南米サッカー連盟(CONMEBOL)およびコパ・アメリカの100周年の記念の年という事で、昨年に引き続いて2年連続、そして規模をグレードアップして開催されます。
今大会には南米サッカー連盟の10チームに、北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)の6チームを加えた16チームが出場。100年の歴史の中、初めて南米以外の地、アメリカでの開催となります。16チームを4組に分けてグループステージを戦い、各グループの上位2チームが準々決勝に進出、6月27日に行われる決勝で南米大陸の王者が決定します。
約1か月に渡る南米のサッカー強国のプライドをかけた戦いが間もなくスタートします。
【コパ・アメリカ2015決勝PK戦(チリ対アルゼンチン)】
6月4日の「アメリカ vs コロンビア」のオープニングマッチを皮切りに、6月15日までグループステージが、6月17日から27日にかけて決勝トーナメントが行われます。イギリスに本社を構え、ヨーロッパで知名度のあるブックメーカーの一つで、日本語など9か国語に対応している「NetBet」(ネットベット)が優勝オッズとグループステージでのグループ勝者オッズを発表しているので見てみましょう。
【コパ・アメリカ・センテナリオ2016 優勝オッズ】
※オッズは28日午後4時現在
優勝の大本命はアルゼンチンで2.90倍のオッズとなっています。アルゼンチンはグループDに入り、前回優勝国のチリと同じグループ、しかも初戦で対戦します。2番手につけるのがグループBに入ったブラジルでオッズは5.50倍。3番手にはグループDのチリ(8.00倍)、開催国でグループAに入っているアメリカが9.50倍となっています。その後ろに続くのが、コロンビアの10.50倍、ウルグアイの12.00倍、メキシコの12.00倍となっています。
実力的にも、組み合わせを見ても、この7か国にプラス、ワールドカップ南米予選で2位につけている好調なエクアドル(オッズ31.00倍)が優勝争いに絡んでくるものと思います。
グループA
【コパ・アメリカ・センテナリオ2016 グループA勝者オッズ】
※オッズは28日午後4時現在
グループAには開催国のアメリカ、コロンビア、コスタリカ、パラグアイが入りました。順当に行けば、ホームアドバンテージのあるアメリカと、実力のあるコロンビアが1位、2位でグループステージ突破となりそうです。グループAのグループ勝者のオッズもアメリカが2.25倍、コロンビアが2.40倍で続いており、コスタリカは6.50倍、ペルーは9.00倍となっています。
2001年大会以来の優勝を目指すコロンビアの注目選手はハメス・ロドリゲスです。今シーズンは素行不良、コンディション不良の影響もあり、満足に公式戦への出場機会を得ることは出来ませんでしたが、リーガエスパニョーラでは26試合で7ゴール、8アシストとある程度の結果を残しています。他にもスピードに乗ったドリブルが魅力のフアン・クアドラードや、不振が続くACミランで18ゴールと一人、気を吐いたカルロス・バッカといった実力のある選手が揃い、バランスの取れたチームとなっています。ワールドカップ南米予選でも、今年に入って連勝中ですので勢いもあるでしょう。コロンビアは6月4日の今大会のオープニングマッチで開催国アメリカと対戦します。
グループB
【コパ・アメリカ・センテナリオ2016 グループB勝者オッズ】
※オッズは28日午後4時現在
グループBには優勝候補の一角に挙がるブラジル、エクアドル、ペルー、プレーオフから勝ち上がったハイチが入りました。このグループはサッカー王国ブラジル、ワールドカップ南米予選で好調のエクアドルの勝ち抜けが堅いかと思いますが、ペルーも侮ることは出来ません。グループBのグループ勝者のオッズはブラジルが1.26倍、エクアドルが5.00倍、ペルーが9.00倍となっており、実力の大きく劣るハイチは71.00倍となっています。
大黒柱であるネイマールが自国開催のリオオリンピック出場を優先させるため、コパ・アメリカは欠場となりました。ネイマール不在の中で注目したいのはイングランド、プレミアリーグのチェルシー所属のウィリアン。今シーズン、大不振に喘いでいたチェルシーの中で違いのあるプレーを見せていたのがウィリアンでした。持ち前のスピードを生かした縦への突破、前線からの守備、フリーキックで獅子奮迅の活躍を見せていました。ウィリアンの他にもバイエルン・ミュンヘン所属のドウグラス・コスタ、リバプールのコウチーニョといったタレントが揃っています。ブラジルの初戦は6月5日にエクアドルとの対戦となっています。
グループC
【コパ・アメリカ・センテナリオ2016 グループC勝者オッズ】
※オッズは28日午後4時現在
グループCにはメキシコ、ウルグアイ、ジャマイカ、ベネズエラが入りました。このグループはウルグアイ、メキシコが順当に勝ち抜けると見て良いでしょう。グループCのグループ勝者のオッズは、ウルグアイが1.83倍、メキシコが2.10倍となっており、ベネズエラが10.00倍、ジャマイカ19.00倍と続いています。
最多の15回の優勝を誇るウルグアイは最多優勝回数の更新を狙います。そのウルグアイで注目なのは何といってもFWのルイス・スアレスです。ブラジルワールドカップでの噛みつき事件の代償として、代表チームでの公式戦9試合の出場停止処分を受けていました。その結果、昨年の大会で彼の出場はかなわず、2連覇を目論んでいたチームはベスト8止まりという結果に終わりました。スアレスは今シーズン、リーガエスパニョーラで40点、16アシストと大活躍。リーガエスパニョーラの得点王を獲得しています。スアレス以外にも、彼と前線でコンビを組むと思われるエディソン・カバーニ、アトレティコ・マドリード所属のDFディエゴ・ゴディンといったメンバーも揃っており、伝統の堅守速攻のサッカーを展開してくれそうです。ウルグアイは6月6日のメキシコとの対戦がコパ・アメリカの開幕戦となっています。
グループD
【コパ・アメリカ・センテナリオ2016 グループD勝者オッズ】
※オッズは28日午後4時現在
グループDには優勝候補筆頭のアルゼンチン、前回大会の覇者であるチリ、プレーオフを勝ち上がったパナマ、ボリビアが入りました。このグループからの勝ち抜けはアルゼンチン、チリで間違いはないと思います。パナマとボリビアがジャイアントキリングを達成する可能性は極めて低いと見て良いでしょう。グループ勝者のオッズはアルゼンチンが1.52倍、チリが2.40倍、パナマが22.00倍、ボリビア36.00倍となっています。
注目は、現代サッカー最高のプレーヤーとも称されるリオネル・メッシを擁するアルゼンチン。1993年以来となる、ウルグアイに並ぶ15回目の優勝を目指します。メッシは説明が不要なほどの選手ですが、メッシ以外にも、セリエA最多得点記録を66年ぶりに塗り替えたゴンサロ・イグアイン、高い得点能力を誇るセルヒオ・アグエロ、MFにはバルセロナのハビエル・マスチェラーノ、DFにはニコラス・オタメンディといった各ポジションに優秀な選手を揃えており、間違いなく優勝候補の大本命です。アルゼンチンは6月7日、前回決勝でPK戦の末に敗れたチリとの初戦を迎えます。
約1か月に及ぶ南米王者を決める大会が6月4日にいよいよスタートします。アルゼンチンが下馬評通りの強さを見せつけるのでしょうか?それとも大黒柱のネイマールを欠くブラジルが9度目の王者に輝くのでしょうか?あるいは開催国のアメリカが、南米以外の国で初の戴冠を勝ち得るのでしょうか?その結果は6月27日に知ることが出来ます。