白熱のレギュラーシーズンが終わり、いよいよ今年も野球世界一を決めるプレーオフがスタートします。ワイルドカードゲームが現地4日にア・リーグ、5日にナ・リーグの試合が行われ、それぞれの勝者が決まった時点ですべての参加チームが出揃うこととなります。昨シーズンはア・リーグのカンザスシティ・ロイヤルズがナ・リーグのニューヨーク・メッツを下し、世界一の座を勝ち取りました。
【メジャーリーグ2016ポストシーズン日程(日本時間)】
◆地区シリーズ:10月7日~10月14日
◆リーグ優勝決定シリーズ:10月15日~10月24日
◆ワールドシリーズ:10月26日~11月3日
<MLB2016ポストシーズン最新オッズ(bet365発表)>
地区シリーズでは、ア・リーグが勝率1位のテキサス・レンジャーズがワイルドカードの勝者と、2位のクリーブランド・インディアンスと3位のボストン・レッドソックスが対戦します。ナ・リーグでは勝率1位のシカゴ・カブスとワイルドカードの勝者、2位のワシントン・ナショナルズと3位のロサンゼルス・ドジャースが対戦します。
【MLB2016プレーオフトーナメント表】
※「日刊スポーツ」より抜粋
さあ今シーズン、並みいる強豪をなぎ倒し、野球界の頂へとたどり着くチームはどこになるのでしょうか?ブックメーカー「SBOBET」がア・リーグ、ナ・リーグの優勝オッズとワールドシリーズの優勝オッズを発表していますので、ご紹介したいと思います。
ア・リーグはダルビッシュ有が所属するレンジャーズがオッズ3.00倍で、リーグ優勝最有力候補に挙げられています。上原浩治、田沢純一のレッドソックスが3.50倍で2番手、以下インディアンスが4.00倍、トロント・ブルージェイズが6.00倍、ボルティモア・オリオールズが11.00倍と続いています。
ナ・リーグは川崎宗則の所属するカブスが2.00倍で人気を集めています。続いてナショナルズが4.00倍で2番手、前田健太のドジャースが5.00倍の3番手となりました。メッツが9.00倍、ジャイアンツが11.00倍で追走しています。
そして大注目のワールドシリーズ優勝オッズですが、1番人気はカブス(3.00倍)となりました。強大な戦力に加えて、長年遠ざかっている優勝へのチームの渇望が評価されたのでしょう。続いてレンジャーズが5.50倍で2番手、レッドソックスが6.00倍で3番手となりました。前田健太のドジャースは5番手の8.00倍となっています。
お気づきかもしれませんが、優勝候補上位5チームのうち、4チームに日本人選手が所属していることになります。2013年のレッドソックス以来となる、日本人選手のチャンピオンリング獲得にも期待したいところです。
両リーグ唯一の勝率6割台を記録し、81年ぶりにシーズン100勝を達成したカブス。その原動力は何といっても超強力先発陣でしょう。ジョン・レスター(19勝5敗)、ジェーク・アリエッタ(18勝8敗)、カイル・ヘンドリックス(16勝8敗)、ジェーソン・ハメル(15勝10敗)、ジョン・ラッキー(11勝8敗)の先発陣は全員二桁勝利、合計で実に79勝も挙げています。二桁勝利を挙げた投手がいないチームもある中でこれはまさに快挙と言っていいでしょう。短期決戦ではチームの雰囲気の良さや勢いも重要なファクターになりますが、メジャー屈指のエンターテイナー川崎がいるカブスにその点で隙はないはずです。いよいよ長年苦しめられた「山羊の呪い」が解ける時が来たのかもしれません。
ア・リーグ最高勝率の5割9分をマークして西地区を制覇したレンジャーズの鍵を握るのは、今年7月末にトレードで加入した捕手のジョナサン・ルクロイです。レンジャーズは今季、強烈な打棒に比べてチーム防御率は4.36のリーグ13位と振るわないものでした。しかし、投手の長所を捉えて伸ばすことに定評のあるルクロイが来てからは、ダルビッシュを筆頭に多くの選手が彼の助言によりパフォーマンスを伸ばしていると言われています。そのダルビッシュですが、昨年の春に受けたトミー・ジョン手術から5月に復帰して7勝5敗、カムバック賞の最終候補にも挙げられるほどの活躍を見せました。ポストシーズンでも日本時間8日の地区シリーズ第2戦に登板予定です。また、今年日本のヤクルト・スワローズから加入したトニー・バーネットも今季60回1/3を投げて、防御率2.09と大車輪の活躍を見せており、ポストシーズンの登板も確実でしょう。彼ら投手陣のパフォーマンスが戦況を大きく左右しそうです。
3年ぶりの地区優勝を遂げたレッドソックスは、リーグ勝率3位となり、2位のインディアンスと対戦します。シーズン半ばには中継ぎ陣の補強が課題だと言われていたレッドソックスですが、7月19日のジャイアンツ戦で故障した上原が9月8日に怪我から復帰して以降は、ブルペン陣の役割が明確化したことが功を奏して抜群の安定感が戻りました。上原は復帰後11回連続無失点。日本の名将・野村克也監督曰く「短期決戦では調子が水物の打線よりも、ブルペンの安定が勝敗を左右する」とのこと。ブラッド・ジーグラー、ロビー・ロス、ジョー・ケリー、田沢純一らの中継ぎ陣に、セットアッパーの上原、そして守護神クレイグ・キンブレルにつながる勝利の方程式の活躍に期待が持てます。今季で引退する長年チームの主砲を務めた”ビッグ・パピ”ことデイビット・オルティスのためにも、2013年以来の世界一奪還へ、意気込みは高まるばかりのはずです。
67年の長きに渡って専属実況アナウンサーを務めたビン・スカリー氏の引退が決まっているドジャースは、なんとしても世界一の称号を彼に捧げたいところでしょう。注目はなんといっても今季日本の広島カープから加入した前田健太です。シーズン前は怪我の状態などから活躍を疑問視されていた右腕ですが、今季175回2/3を投げて16勝11敗は、チームのエースでメジャー屈指の剛腕クレイトン・カーショーすら超えて、どちらもチームトップの成績です。開幕からローテーションを守り切った投手も前田だけだという事実もまた彼の貢献度の高さを物語っています。セ・リーグを制覇した古巣広島同様、前田がレギュラーシーズンの勢いそのまま”神ってる”活躍を見せれば、世界一も十分射程範囲に入るでしょう。