南半球のラグビークラブチーム世界一決定戦「スーパーラグビー2016」が日本時間の26日午後3時35分から、日本代表のマレ・サウ所属のブルーズ(ニュージーランド)と田中史朗所属のハイランダーズ(ニュージーランド)の試合で幕を開けます。今シーズンからオーストラリア、ニュージーランド、そして南アフリカから各5チームずつ計15チームに加えて、キングス(南アフリカ)、アルゼンチン、そして日本代表「サンウルブズ」の3チームを加えた計18チームで南半球ラグビーNo.1をかけて争います。
このスーパーラグビー2016が日本でもこれまでにない注目を浴びています。1つは、ラグビーW杯2015イングランド大会で日本代表が南アフリカを34-32で撃破するという歴史的勝利を挙げるなどグループリーグで3勝を挙げる活躍を見せました。日本のラグビーが世界からそして日本中から注目される中で、W杯を戦った日本代表選手を中心としたチーム「サンウルブズ」がスーパーラグビーに参戦するのです。ヘッドコーチにはニュージーランド「オールブラックス」の選手としても活躍したマーク・ハメット、主将には堀江翔太が就任しました。
【日本代表「サンウルブズ」スコッド(メンバー)】
【PR1】
三上正貴(東芝ブレイブルーパス/2015RWC日本代表 32キャップ)
稲垣啓太(パナソニック ワイルドナイツ/2015RWC日本代表 10キャップ)
山本幸輝(ヤマハ発動機ジュビロ)
【HO】
堀江翔太(パナソニック ワイルドナイツ/2015RWC日本代表 42キャップ)
木津武士(神戸製鋼コベルコスティーラーズ/2015RWC日本代表 41キャップ)
有田隆平(コカ・コーラレッドスパークス/日本代表 9キャップ)
【PR3】
垣永真之介(サントリーサンゴリアス/日本代表 6キャップ)
平野翔平(東海大学)
具智元(拓殖大学)
【LO】
大野均(東芝ブレイブルーパス/2015RWC日本代表 96キャップ)
真壁伸弥(サントリーサンゴリアス/2015RWC日本代表 34キャップ)
ティモシー・ボンド(ベイ・オブ・プレンティ/元 日本A代表)
リアキ・モリ(前ブルーズ/元U20トンガ代表)
エドワード・カーク(前レッズ)
【FL/NO8】
村田毅(NECグリーンロケッツ/日本代表 5キャップ)
細田佳也(NECグリーンロケッツ)
アンドリュー・デュルタロ(2015RWCアメリカ代表 12キャップ)
トーマス・レオナルディ(前トゥールーズ/アルゼンチン代表 18キャップ)
ファアティンガ・レマル(宗像サニックスブルース/サモア代表 15キャップ)
【SH】
日和佐篤(サントリーサンゴリアス/2015RWC日本代表 51キャップ)
矢富勇毅(ヤマハ発動機ジュビロ/日本代表 16キャップ)
井上大介(クボタスピアーズ)
【SO】
立川理道(クボタスピアーズ/2015RWC日本代表 43キャップ)
トゥシ・ピシ(サントリーサンゴリアス/2015RWCサモア代表 28キャップ)
【CTB】
田村優(NECグリーンロケッツ/2015RWC日本代表 35キャップ)
山中亮平(神戸製鋼コベルコスティーラーズ/日本代表 4キャップ)
パエア・ミフィポセチ(NTTドコモレッドハリケーンズ/日本A、7人制日本代表)
デレック・カーペンター(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)
【WTB】
山田章仁(パナソニック ワイルドナイツ/2015RWC日本代表 15キャップ)
アマナキ・ロトアヘア(リコーブラックラムズ)
ジョン・スチュワート(元U20フィジー代表)
【FB】
笹倉康誉(パナソニック ワイルドナイツ/7人制日本代表)
山下一(豊田自動織機シャトルズ)
リアン・フィルヨーン(グリクアス/南アフリカ代表 0キャップ)
※「ラグビー共和国」より引用
W杯イングランド大会の日本代表メンバーが10人、外国出身選手が12人、そして日本代表キャップ保持者やセブンズの日本代表経験者など合計34選手がサンウルブズのスコットに選出されました。そのサンウルブズは13日にプレシーズンマッチとしてトップリーグのオールスターチームと対戦し、53-24で快勝しました。そして27日(午後1時15分~)の開幕戦ではホーム・秩父宮でライオンズ(南アフリカ)と対戦し、以降サンウルブズは、全15試合(ホーム:8試合、アウェイ7試合)を戦います。
【スーパーラグビー2016のサンウルブズ試合日程】
2/27(土)13:15 ライオンズ(秩父宮ラグビー場)
3/12(土)19:50 チーターズ(シンガポール国立競技場)
3/19(土)13:15 レベルズ(秩父宮ラグビー場)
3/26(土)19:50 ブルズ(シンガポール国立競技場)
4/2(土)24:05 キングス(ネルソン・マンデラ・ベイスタジアム)
4/8(金)26:10 ストーマーズ(DHL・ニューランズ・スタジアム)
4/15(土)26:10 チーターズ(フリーステートスタジアム)
4/23(土)14:15 アルゼンチンチーム(秩父宮ラグビー場)
5/7(土)14:15 フォース(秩父宮ラグビー場)
5/14(土)20:45 ストーマーズ(シンガポール国立競技場)
5/21(土)14:05 レッズ(サンコープ・スタジアム)
5/28(土)10:40 ブランビーズ(キャンベラ・スタジアム)
7/2(土)14:15 ワラタス(秩父宮ラグビー場)
7/9(土)24:05 ブルズ(ロフタス・ヴァースフェルド)
7/15(金)26:10 シャークス(キングス・パーク・スタジアム)
もう一つは、ワールドカップを盛り上げた日本代表選手たちがスーパーラグビー2016に参戦するチームの一員として数多く加入している点です。例えば、日本代表SH田中史朗はハイランダーズ(ニュージーランド)、日本代表の主将を務めたリーチ・マイケルはチーフス(ニュージーランド)、WTB松島幸太朗はレベルズ(オーストラリア)で戦います。最も注目はレッズ(オーストラリア)に今季から加入したFB五郎丸歩でしょう。日本のラグビーブームに再び火をつけたのは彼のW杯での活躍の影響が非常に大きいと言えます。レッズには強力なライバルである13人制ラグビーの元豪州代表であるカーマイケル・ハントがいます。「ハント対五郎丸」の定位置争いに着目しながら、五郎丸の更なる躍進に期待したいものです。サンウルブズとは5月21日に戦うので、こちらにも注目でしょう。
【スーパーラグビー2016グループ&カンファレンス】
※「サンウルブズ」公式HPより抜粋
スーパーラグビー2016はまずレギュラーシーズンを戦いますが、4つのカンファレンスに分かれています。オーストラリア・ニュージーランドグループのオーストラリアカンファレンス(ブランビーズ、ワラタス、レッズ、フォース、レベルズ)とニュージーランドカンファレンス(ブルーズ、チーフス、クルセイダーズ、ハイランダーズ、ハリケーンズ)、そして南アフリカグループのサンウルブズが所属するカンファレンス1(ブルズ、チーターズ、ストーマーズ)、そしてカンファレンス2(ライオンズ、シャークス、キングス、アルゼンチン)の4つのカンファレンスに分かれます。サンウルブズは同じカンファレンスのブルズ、チーターズ、ストーマーズとはホーム&アウェイで各2試合ずつ、その他の南アフリカグループのチームと1試合ずつ、そしてオーストラリアンカンファレンスに所属する5チームと各1試合ずつの合計15試合を戦うことになります。
ブックメーカー「Paddy Power」は、サンウルブズが所属する南アフリカグループの優勝オッズを発表しています。スーパーラグビー初参戦のサンウルブズは最も優勝に遠い101.00倍のオッズが付いています。そうは簡単に勝たせてくれないとの見方が強いようです。優勝最有力には日本と同じカンファレンス2に属するストーマーズが2.50倍、そのあとをジャガーズが4.00倍、シャークスが5.50倍で追う展開となっています。
【南アフリカグループ優勝オッズ】
※オッズは22日午後5時現在
各カンファレンス優勝チーム4チームと、南アフリカグループで1位チームを除くチームで最も勝率が高い1チームと、オーストラリア・ニュージーランドグループで1位チームを除いて最も勝率が高い3チームの計8チームによるファイナルシリーズに突入します。
ファイナルシリーズに進出して、スーパーラグビー2016の頂点に立つチームはどのチームでしょうか?日本語対応のブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」がスーパーラグビー2016の優勝オッズを発表していますので見てみましょう。
【スーパーラグビー2016優勝オッズ】
オッズは22日午後5時現在
優勝候補の筆頭に挙がっているのはハリケーンズ(ニュージーランド)で6.50倍のオッズが付いています。2番手にはリーチが所属するチーフス(ニュージーランド)と田中所属のハイランダーズ(ニュージーランド)で7.00倍、3番手にはクルセイダーズ(ニュージーランド)とワラタス(オーストラリア)で9.00倍と続きます。圧倒的にニュージーランド勢が強いですね。日本代表「サンウルブズ」は南アフリカのキングスと並んで最下位となる151.00倍のオッズとなっています。優勝候補の一角に挙がっており、昨シーズン初めてスーパーラグビーを制したハイランダーズですら加入した1996年は最下位でした。日本のラグビーがさらに進化する大きな一歩になると思います。
スーパーラグビー2016の日程は、2月26日にレギュラーシーズンが開幕し、第17節の最終戦が7月17日に行われ、上位8チームによるファイナルシリーズ(トーナメント)は7月22日に開幕、決勝戦は8月6日に行われます。