Jリーグからアジアチャンピオンを―。今シーズンのJリーグ代表はアジア覇権をかけて23日、24日に開幕する「アジアチャンピオンズリーグ2016」(ACL 2016)のグループリーグ戦に挑みます。Jリーグの村井チェアマンは16日に行われた出場4チーム(サンフレッチェ広島、ガンバ大阪、浦和レッズ、FC東京)とのミーティングで「4クラブが全てラウンド16に進出し、日本対決で東アジアのチャンピオンを決め、西エリアのチャンピオンと決勝を争う。そういう戦いを構想しています」と意気込みを述べ、Jリーグの強さをアジアに見せつけることができることを望んでいることを各クラブの出席者に伝えました。
アジアチャンピオンズリーグ2016は、まずは西エリアと東エリアに分かれて参加32チームが8つの組に分かれてグループリーグを、ホーム&アウェイで戦います(日程:23日~5月4日)。各組上位2チームが5月17日から始まる決勝トーナメント(ラウンド16)に進出し、ホーム&アウェイで2回戦制のノックアウト方式で戦います。決勝戦は11月19日と26日に行われ、そこでの勝者がアジア王者の称号を得ることができます。これから約9か月間に渡る長い戦いがスタートするのです。
2007年の浦和レッズ、そして翌年のガンバ大阪以来、アジアチャンピオンズリーグの優勝から遠ざかっている日本勢が再びアジアの頂点に立てるのでしょうか?世界中のサッカーのオッズを幅広く提供している日本語にも対応したブックメーカー(スポーツブック)「10Bet」が優勝オッズを発表していますので見てみましょう。
【アジアチャンピオンズリーグ2016優勝オッズ】
※オッズは18日午後6時現在
優勝候補の筆頭に挙げられているのは、ディフェンディングチャンピオンの広州恒大(中国)で5.00倍のオッズとなっています。広州恒大はグループHに入り、浦和レッズと同組となりました。2番手にはグループEでFC東京と同組の全北現代モータース(韓国)で8.50倍、3番手にはガンバ大阪と同組となるグループGの上海上港(中国)で9.00倍となっています。
日本勢は、FCソウル(韓国)と同じく6番手につけているサンフレッチェ広島が15.00倍、ガンバ大阪と浦和レッズは11番手タイとなる21.00倍、そして15番手タイにFC東京で26.00倍のオッズが付いています。優勝オッズでは中国や韓国に先を行かれている感が否めません。まずはグループリーグで上位2チームに入って、グループリーグを突破できるかが一つの関門となってきます。
日本勢(広島、G大阪、浦和、FC東京)のグループリーグ
グループE(FC東京)
※「Wikipedia」から抜粋
グループEにはJ1リーグ2015で4位のFC東京、全北現代モータース(韓国)、江蘇蘇寧(中国)、そしてビン・ズオン(ベトナム)が入りました。優勝候補の一角に挙がっている全北現代モータース、2番手をFC東京と江蘇蘇寧が争う構図となりそうです。
FC東京は2012年以来2回目となるアジアチャンピオンズリーグ出場となります。9日に行われたプレーオフでチョンブリFC(タイ)と対戦し、9-0の圧勝劇で日本最後の1枚の切符を手にしました。今オフに中盤選手で豊富な運動力を誇る水沼宏太や、中盤からトップまでこなせるドリブラーの阿部拓馬を迎えて、選手層が増しました。すでに1度今年のACLを戦って快勝したチームは勢いに乗っていることでしょう。FC東京は、グループリーグ開幕戦では23日(午後7時)からアウェイで全北現代モータースと対戦します。
グループF(サンフレッチェ広島)
※「Wikipedia」から抜粋
グループFには昨シーズンのJ1リーグ王者のサンフレッチェ広島、FCソウル(韓国)、ブリーラム・ユナイテッド(タイ)、そして山東魯能(中国)が入りました。順当に行けば広島が1位、FCソウルが2位ということになりそうですが、近年力を付けている中国勢の山東魯能も侮れません。
J1リーグ連覇を果たしたサンフレッチェ広島は、初戦となる23日(午後7時)からホームでの山東魯能戦を前に、20日にガンバ大阪との富士ゼロックススーパーカップで戦います。27日にはJ1リーグの開幕戦を戦うなど1週間で3試合といういきなりのハードスケジュールに対応できるかが、ひとつのポイントになりそうです。Jリーグ歴代最多タイとなる157ゴールを挙げているFW佐藤寿人や、司令塔の青山敏弘ら経験豊富なベテラン陣の活躍に期待が高まります。昨年のFIFAクラブW杯でのベスト4進出で自信を深めたサンフレッチェの躍進に注目です。
グループG(ガンバ大阪)
※「Wikipedia」から抜粋
グループGにはガンバ大阪に加えて、メルボルンビクトリー(オーストラリア)、水原三星ブルーウィングス(韓国)、そして上海上港(中国)が入りました。日本勢Vの最後となる2008年大会を制したガンバ大阪を本命としたいところですが、水原三星ブルーウィングスも非常に力を持っており、この2チームによる激戦が予想されます。
ガンバ大阪は今シーズンから新ホームスタジアム「市立吹田サッカースタジアム」が完成し、その“こけら落とし”で14日に3万5271人の大観衆を集めて、名古屋グランパスと「パナソニックカップ」を戦いました(結果:G大阪3-1名古屋)。百戦錬磨のキャプテンのMF遠藤保仁や23歳のゴールハンター・宇佐美貴史らに加えてサイドバックに18歳の初瀬亮を起用するなど、若手とベテランの融合で早くも今シーズンの躍進を期待させるパフォーマンスを見せていました。広島と同様に過密日程となるG大阪は、24日(午後7時30分)からアウェイで強敵・水原三星ブルーウィングスと対戦します。
グループH(浦和レッズ)
※「Wikipedia」から抜粋
グループHには、日本勢から浦和レッズ、そして優勝候補の筆頭である広州恒大(中国)、シドニーFC(オーストラリア)、浦項スティーラース(韓国)が入りました。死のグループとも言われるこのグループは、広州恒大が頭一つ抜けていますが、2番手争いを浦和レッズと浦項スティーラースが奪い合うという熾烈な争いになりそうです。
2007年のACL王者の浦和レッズは、16日に韓国Kリーグの蔚山と練習試合を行い、4-5で逆転負けを喫しました。主力組が出場した前半は2-0と勝っていたものの、後半の数分間で一挙に3失点するなど、ホームで迎えるACL開幕戦(24日午後7時30分)のFCシドニー戦に課題を残す試合となりました。DF陣の森脇良太や那須大亮のほか、点取り屋の興梠慎三など体調不良やケガで出遅れています。それでも選手層の厚さでうまく序盤を乗り切れれば、決勝トーナメント進出は望めそうです。
9か月間に及ぶアジア王者への戦いが2月23日から本格スタートします。8年ぶりにJリーグ勢からアジア王者は誕生するのでしょうか?