凱旋門賞ウィーク、ドバイミーティング、香港国際競走に並び、世界でも有数のビッグレースが集う日であるアメリカ競馬の祭典『ブリーダーズカップ・ワールド・サラブレッド・チャンピオンシップ』が、今年も現地時間3日と4日の2日間に渡って開催されます。
【ブリーダーズカップ2017レース日程と最新オッズ(bet365発表)】
<第1日(現地3日)>
・ブリーダーズCジュベナイルターフ
・ブリーダーズCジュベナイルフィリーズターフ
・ブリーダーズCディスタフ
・ブリーダーズCダートマイル
<第2日(現地4日)>
・ブリーダーズCスプリント
・ブリーダーズCクラシック
・ブリーダーズCジュベナイル
・ブリーダーズCマイル
・ブリーダーズCターフ
・ブリーダーズCジュベナイルフィリーズ
・ブリーダーズCフィリーズ&メアスプリント
・ブリーダーズCフィリーズ&メアターフ
・ブリーダーズCターフスプリント
2歳馬たちのG1レースをはじめ、牝馬限定戦やスプリントからクラシックディスタンスまで…。2日間にわたり全13ものG1レースが開催される豪華さは、正にアメリカ競馬の祭典と言えるでしょう。
その中でもメインとなるブリーダーズカップクラシック(海外G1、2000㍍・ダート)、ブリーダーズカップターフ(海外G1、約2400㍍・芝)この2レースをご紹介します。
ブリーダーズカップクラシック2017
ドバイワールドカップ(海外G1、2000㍍・ダート)に並び、世界で最も栄誉を与えられるダートG1レースがブリーダーズカップクラシック。
ドバイでは日本からエスポワールシチーらが出走し優勝するなど、多様な出走馬が顔をそろえますが、ブリーダーズカップクラシックは「アメリカダート王決定戦」といった側面が非常に強くなっています。
そして今年は正に「アメリカ頂上決戦」という言葉が相応しいメンバーがそろいました。まずはブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」のオッズをご確認いただきましょう。
【ブリーダーズカップクラシック2017オッズ】
※オッズは1日午前11時現在
オッズ上では4頭が抜けている状態。順を追ってご紹介していきましょう。
わずかな差ではありますが、3.00倍で一番手評価となっているのはガンランナー(Gun Runner)。今年はここまで5戦4勝2着1回とほぼパーフェクトの結果を残しています。
3歳時は好走こそすれど勝ち味に遅い印象があったガンランナーですが、古馬になって一気に本格化、安定した走りを見せています。
しかし、2000mではこれまで勝ち星がなく、やや距離的には長すぎるとの見方もあることや、今年ドバイワールドカップで戦った相手以外はお世辞にも一線級ではなかったことなど、不安材料もチラホラ散見されます。
そんなガンランナーに対し、3.25倍とほぼ同等のオッズを付されているのが今年のペガサスワールドカップ(海外G1、1800㍍・ダート)、ドバイワールドカップの両高額賞金レースを制したアロゲート(Arrogate)。
【ドバイワールドカップ2017(勝ち馬:アロゲート)】
正に桁違いの加速とスピードで突き放す圧倒的な強さ。
春先までで言えば、この馬が世界最強ダートホースであったと多くの競馬ファンが口をそろえて言えたことでしょう。
しかし、休み明けで迎えたG2のサンディエゴハンデでまさかの5頭立て5着と大敗北。
更に、2戦目となったパシフィッククラシックステークス(海外G1、2000㍍・芝)においても、半馬身差の2着に敗れるなど精彩を欠いています。
そして今回は、ドバイワールドカップでは完勝した相手であるガンランナーにオッズ上では逆転を許す屈辱的な展開に。果たして、王者の復活なるでしょうか。
ガンランナーに勝利し、一気に評価を上げたのが6.50倍で続くコレクテッド(Collected)。
3歳時のプリークネスステークスから約1年の休養を明けのLRを快勝。そこから遅れていた時を取り戻すかのように連勝。そしてとうとう前走では世代最強のアロゲートを打ち破り勝利を挙げました。
現4歳世代の遅れてきた大物が、得も言えぬ存在感を放っています。
コレクテッドとともに並んで6.50倍となっているのが、3歳世代トップの実力馬ウェストコースト(West Coast)です。
主役不在と言われた今年の3歳クラシック路線でしたが、ミッドサマーダービーことトラヴァーズステークス(海外G1、2000㍍・芝)においてそのクラシック組を圧倒的パフォーマンスでねじふせたのがウェストコースト。
続く、ペンシルヴァニアダービー(海外G1、1800㍍・ダート)においても7馬身差をつける圧勝劇。勢いそのままに古馬たちに挑むこととなります。
また、欧州からは英愛両ギニー制覇を成し遂げたチャーチル(Churchill)が参戦予定。ダート初挑戦ながらに17.00倍とそれなりの評価を下されています。同馬の果敢な挑戦にも注目です。
ブリーダーズカップターフ2017
欧州の最高峰レースが凱旋門賞であるなら、アメリカの芝レースにおける最高峰はこのブリーダーズカップターフでしょう。
近年では欧州馬がこぞって遠征してくることに加え、アメリカ競馬と言えばダートのイメージが強くありますが、直近5年間ではアメリカ馬が2勝を挙げています。
ちなみに、他の3勝はすべてアイルランドのA.オブライエン陣営。もはや“アメリカ競馬 vs. A.オブライエン”のような構図になりつつあります。
今年もオブライエン陣営から手ごわい刺客が送り込まれることになるブリーダーズカップターフ。迎え撃つアメリカ勢やいかに?まずはこちらもブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」から発表されているオッズをご確認いただきましょう。
【ブリーダーズカップターフ2017オッズ】
※オッズは1日午前11時現在
3.00倍で1番手評価は今年G1レースを2勝したユリシーズ(Ulysses)。
現在世界的な有名馬となったウィンクスとイネーブルを除けば、芝馬で3番目のレーティング(127)とかなり高評価なユリシーズ。
今年の充実度に加え、あまり良い状態とは言えなかった馬場の中でイネーブル相手に3着ならば上出来だったと言えるでしょう。昨年(4着)以上の結果を狙います。
人馬ともに連覇を狙うのはA.オブライエン厩舎が誇る名馬の一頭、もはやおなじみのハイランドリール(Highland Reel)。ユリシーズとほとんど差のない3.25倍となっています。
凱旋門賞は馬場の悪化の為回避、迎えたイギリスチャンピオンステークス(海外G1、2000㍍・芝)も、生憎のコンディション。結果は勝ち馬クラックスマンから7馬身はなされた3着に。
この結果を受けてA.オブライエン師は「前走(7月のG1キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス)から間隔も開いていたし、ソフトな馬場も向かない馬だし、それでもよく走ってくれた」と、一定以上の評価を下すコメント。連覇に向けて自信をのぞかせます。
一方、迎え撃つアメリカ勢の有力馬と言えば、9.00倍で4番手評価となっているビーチパトロール(Beach Patrol)。
3歳時にセクレタリアトステークス(海外G1、2000㍍・芝)を制し、アメリカの芝レース界期待の新星となるも、その後勝ち星に恵まれず。
転機となったのは今年の8月、ブリーダーズクラシックターフと並びアメリカの芝最高峰レースであるアーリントンミリオン(海外G1、2000㍍・芝)での勝利。
この時、鞍上を務めたのが久々の騎乗となったJ.ロザリオ騎手でした。
正に「馬が合う」という言葉が示し合わせるように、前走のジョーハーシュターフクラシックステークス(海外G1、2400㍍・芝)も同じコンビで5馬身差の圧勝。アメリカ競馬に新たな旋風を巻き起こしたコンビが、欧州勢を迎え撃ちます。
その他の注目馬としては、今年G1を3勝しているデコーテッドナイト(Decorated Knight)が8.00倍。今年のアメリカベルモントダービー馬のオスカーパフォーマンス(Oscar Performance)が15.00倍で続いています。