テニスのビッグタイトル、グランドスラムの一つである全英オープン。会場の名からウィンブルドンと呼ばれるこの大会は100年を超える長い伝統を持ち、数々のドラマを生み出してきました。7月3日(月)に開幕する2017年大会を制し、その歴史に新たに名前を連ねるのはどの選手となるのでしょうか?グランドスラム最古、1877年から続く大会が今年も始まります。
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2016年はマリーが頂点へ弾みをつける大会に
2016年の全英オープン決勝は地元出身のアンディ・マリーと、グランドスラムで初めて決勝進出となるミロシュ・ラオニッチの対戦となりました。カナダ人として初めてのグランドスラムファイナリストとなったラオニッチでしたが、マリーがその実力を見せつけてストレートで快勝。3年ぶり2度目のウィンブルドン優勝を飾り、念願の世界ランク1位へ弾みをつける大会となりました。
マリーを除くビッグ4のうち、ロジャー・フェデラーとノバク・ジョコビッチはそれぞれベスト4、3回戦敗退となり、ラファエル・ナダルは全仏でのけがの影響で大会不参加でした。錦織圭は4回戦のマリン・チリッチ戦で怪我により棄権という結果に終わっています。
復活の貴公子、フェデラーがオッズトップに挙がる
【ウィンブルドン2017男子シングルス優勝オッズ】
※オッズは2日午後9時現在
<ウィンブルドンテニス男子シングルス最新オッズ情報(bet365発表)>
ブックメーカー「Pinnacle(ピナクル)」が発表する2017年ウィンブルドン優勝オッズで、堂々の最有力はウィンブルドン歴代最多タイの7回優勝を誇るロジャー・フェデラーが挙げられました。オッズは3.230倍がつけられています。
続く2番手は、全仏オープン10回優勝を成し遂げたラファエル・ナダルで5.630倍。3番手は昨年度王者、アンディ・マリーでオッズは5.870倍となりました。4番手はノバク・ジョコビッチで6.130倍、5番手は昨年の同大会ファイナリストのミロシュ・ラオニッチで13.250倍。錦織圭は多発する怪我が響いてか、13番手の110.560倍という低い評価となりました。
歴代単独トップへ、フェデラーの準備は整った
優勝すればウィンブルドン歴代単独トップの8勝となるフェデラー。さらなる歴史の一ページを刻み込むことになるか、注目が集まるところです。
ウィンブルドン前哨戦のゲリー・ウェバー・オープン(ドイツ)で見事優勝し、その調子の良さを証明しました。同大会を優勝するのは実に9回目。36歳を目前とした今も世界最強クラスであり続けるその活躍ぶりには脱帽するほかありません。
体に負担のかかるクレーコートを避け、芝コートに焦点を合わせてきているフェデラーだけに、ウィンブルドンへの準備も十分なことでしょう。ラファエル・ナダルを破って見事優勝を飾った全豪オープンに続き、2017年2つ目のグランドスラム制覇となるでしょうか。1回戦の相手はウクライナのアレクサンダー・ドルゴポロフです。
マリー、ウィンブルドン連覇なるか?
2連覇、そして3度目のウィンブルドン制覇へ大きな期待のかかるマリー。地元イギリスのファンの応援も背中を押す力となることでしょう。
不安が残るのは身体の状態。参加予定だったエキシビションを臀部の痛みにより欠場し、ウィンブルドンへの影響が懸念されています。
その前週のエイゴン選手権では1回戦で世界90位ジョーダン・トンプソンにまさかの敗北を喫したマリー。その悪いイメージを払しょくしないままウィンブルドンに臨むこととなりました。
とはいえ、世界のトップクラスでは調子が悪いなりに勝つ修正力も大事な能力の一つ。世界ランク1位の座は伊達じゃないというところを見せられるでしょうか。1回戦では20歳になったばかりの新鋭アレクサンダー・ブブリク(カザフスタン)と対戦します。
アガシとのコンビがジョコビッチを復活させるか?
全豪オープン2回戦敗退、全仏オープン準々決勝敗退と、ここまでらしくない成績にとどまっているジョコビッチ。昨年3連覇を逃したウィンブルドンで復活を目指したいところです。
そんな悪い流れを変えるかもしれないのは、新しいコーチの存在。今年のウィンブルドンにおいて、あのキャリア・グランドスラム達成者アンドレ・アガシが帯同することを発表しています。
グランドスラムでの経験豊富なアガシの助けがあれば、よい精神状態で大会に臨みやすくなることでしょう。本来なら年間グランドスラムさえ目標となり得るレベルの選手なだけに、きっかけ次第でかつてのジョコビッチ時代を再現することは十分可能なはず。2人の伝説的プレーヤーの起こす化学反応に大いに期待しましょう。1回戦の相手はスロバキアのマルティン・クーリザン。順調に勝ち進めば4回戦で日本の杉田祐一と当たる可能性もあります。
錦織の最大の敵は芝コート?
現在世界ランキング9位の錦織。今大会では第9シードに入りました。グランドスラムで準々決勝までランク上位の選手と当たらないのは上位8シードまで。そこから外れてしまったのは、2014年の全米オープン以来です。初戦から上位ランク選手と当たる可能性もあり、厳しい戦いが予想されます。
ウィンブルドン前哨戦となるゲリー・ウェバー・オープン(ドイツ)では2回戦で棄権。これで同大会3年連続の途中リタイアとなりました。その大きな原因は芝コートであるということ。滑りやすく、足腰に負担のかかる芝コートは怪我の多い錦織の体をさらに痛めつけてしまいます。
同じ芝コートのウィンブルドンで怪我による棄権が予想されるためか、ブックメーカーのオッズも優勝候補とは言えないものとなりました。錦織はこの低評価を覆し、その存在感を世界にアピールすることができるでしょうか。まずは初戦。イタリアのマルコ・チェチナートと対戦します。順調に勝ち進めば4回戦でマリン・チリッチ、準々決勝でラファエル・ナダルと激突することとなるでしょう。