プロスポーツさえもしのぎ、莫大な金額と北米の絶大な熱狂が飛び交うアマチュアスポーツ、NCAAカレッジフットボールがレギュラーシーズンを終え、プレーオフに突入します。
毎年巨大なスタジアムを満員にし、アメリカ中をテレビにくぎ付けにするこの戦い。
仮想通貨(ビットコインやリップル等40種類以上)を専門に使ってベッティングすることができる世界初のブックメーカー「Sportsbet.io」が優勝オッズを発表していますので、その数字を参考に大会展望をご紹介していきます。
レギュラーシーズン上位4チームがプレーオフに進出する
NCAAカレッジフットボールのレギュラーシーズンは13試合。主に地域ごとに10のカンファレンスに分かれ、その順位を競います。2018年は8月下旬にシーズンがスタートしました。
例年10月下旬から11月下旬ごろに選考委員会が招集され、毎週火曜日にディビジョン全体の上位25校を選出し、発表。カンファレンスごとに実力差もあるので、他カンファレンスに所属するチームとの対戦成績なども考慮し、順位が決められます。
レギュラーシーズンが終了し、各カンファレンスの最終順位が決まると最終ランキングも発表。上位4チームがプレーオフへの進出権を勝ち取ることとなります。
今シーズンのプレーオフは、準決勝がテキサス州アーリントンのAT&Tスタジアムで行われるコットンボウルとフロリダ州マイアミガーデンズのハードロック・スタジアムで行われるオレンジボウル。
コットンボウルはランキング2位のクレムゾン・タイガース(以下クレムゾン大)対同3位のノートルダム・ファイティングアイリッシュ(以下ノートルダム大)、オレンジボウルは同1位のアラバマ・クリムゾンタイド(以下アラバマ大)対同4位のオクラホマ・スーナーズ(以下オクラホマ大)で争われます。
そして全米王者決定戦はカリフォルニア州サンタクララのリーバイス・スタジアムで行われる予定となっています(日本時間1月8日)。
2018年のハイズマン賞受賞者はメジャードラフト1位の二刀流!
プレーオフに先駆けて、全米大学最優秀選手賞である「ハイズマン賞」が発表されました。
2018年の受賞者はオクラホマ大のクオーターバック(QB)カイラー・マーリー(3年)。昨年のハイズマン賞もオクラホマ大のQBベイカー・メイフィールド(現NFLブラウンズ)が獲得しており、同一チームのQBが連続でハイズマン賞を獲得するのは史上初の快挙となりました。
しかし、驚くべきことは、このマーリーがメジャーリーグ・ドラフトでオークランド・アスレチックスから1巡目指名(全体9番目)を受け、年俸466万ドル(約5億3千万円)で契約に合意しているということ。アメリカンフットボールと野球という2つの世界で、世界最高級の成功を収めていることになります。
まさに大谷翔平すらも超えるほどの二刀流を実現しているマーリー。プロの舞台でもその二刀流を続けていくことができるのか、注目が集まっています。
アラバマ大とクレムゾン大が一歩リードか?下位2校の金星にも期待したい
【NCAAカレッジフットボールプレーオフ2018優勝オッズ】
※オッズは26日午前8時現在
ブックメーカー「Sportsbet.io」の発表する優勝オッズでトップに立ったのは王者アラバマ大。昨年に続く2連覇の達成に1.40倍のオッズが付けられました。
2番手は昨年アラバマ大と準決勝で対戦したクレムゾン大で3.75倍。毎年アラバマ大と一進一退の激戦を繰り広げているクレムゾン大が対抗馬筆頭に挙げられています。
3番手はオクラホマ大とノートルダム大でともに15.00倍。上位2校と大きな差が付けられました。準決勝でアップセットを見せられるでしょうか。
王者アラバマ大と2年連続PO進出オクラホマ大の対戦は最強QB決定戦となる
準決勝の一方、オレンジ・ボウルを戦うこととなった昨年度王者のアラバマ大と、昨年度準決勝敗退のオクラホマ大。
この対決で注目したいのはQB対決となるでしょう。ハイズマン賞を獲得したオクラホマ大のマーリーと、惜しくも2位となったアラバマ大のQBトゥア・タゴバイオラの直接対決となります。
タゴバイオラはいまや絶滅危惧種と言われる左利きのQBながら、多くの専門家たちがすでに彼はNFLで活躍できるレベルに達していると断言されるほどの選手。
ハイズマン賞こそライバルであるオクラホマ大のQBマーリーに譲ったものの、175cmと身長が低いことからNFLでの活躍は厳しいと見られているマーリーよりも185cmのタゴバイオラの方がその将来性が高く評価されているようです。
一方のマーリーにしてみれば、身長を理由に評価を下げられるのは悔しいことでしょう。この準決勝は、両チームのQBが、自分の方が相手よりも上だ、ということを証明する意地と意地の張り合いとなるかもしれません。
日本時間30日に行われるプレーオフ準決勝の「10Bet」発表オッズによると、アラバマ大勝利が1.13倍に対してオクラホマ大勝利が5.10倍とアラバマ大が有利との見立てとなっています。
復活を誓う古豪と王者への雪辱を狙う強豪が準決勝で激突!
昨年度の王者アラバマ大とプレーオフで3年連続対戦しているクレムゾン大は2015年には決勝で敗れ、2016年は同じく決勝で雪辱の優勝を達成したものの2017年は準決勝で完敗を喫しており、4度目の決戦に向けて、なんとしても再び決勝に進出したいことでしょう。
クレムゾン大の強みは有力選手たちがNFLドラフトよりも、チームの勝利を優先するカルチャーがあること。有力選手は大学途中でプロ転向することが当たり前となっている昨今、重要戦力を維持できるということは大きなアドバンテージとなっています。
対するノートルダム大は過去に11回の優勝を果たしている名門校ながらも、2014年に導入されたプレーオフでは今年が初めての登場。名門復活に大きな期待がかかるところです。
2016年には選手の不正が発覚し、2012年と2013年の勝利がすべてはく奪に合う厳罰を受けるなど名門の名に傷をつけてしまっているだけに、初のプレーオフ出場の機会をその威信回復の舞台とできるでしょうか。
日本時間30日に行われるプレーオフ準決勝の「10Bet」発表オッズによると、クレムゾン大勝利が1.17倍に対してノートルダム大勝利が4.45倍とクレムゾン大が有利との見立てを示しています。