大相撲七月場所の開催が近づいてきました。愛知県のドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)で行われる七月場所(名古屋場所)は7月8日(日)に初日、そして7月22日(日)に千秋楽を迎えます。
横綱・鶴竜の連覇に横綱・白鵬の復活、新大関・栃ノ心の快進撃と話題に尽きない相撲界。名古屋が熱く燃え上がる七月場所の優勝オッズをブックメーカー「Marathonbet」が発表していますので、その数字を参考に大会展望をご紹介していきます。
五月場所では鶴竜が自身初の連覇を達成
平成30年五月場所を制したのは横綱・鶴竜。三月場所に続き、2場所連覇となりました。平成以降の横綱でこれまで2連覇がなかったのは鶴竜のみだったため、本人にとっては悲願の優勝となったことでしょう。
五月場所では4日目に東前頭2枚目の松鳳山に金星を配給するも、その後は無敗街道を爆走。千秋楽で白鵬を破り、見事頂点に立っています。
また、この場所で13勝を挙げた栃ノ心は一月場所で14勝1敗の幕内優勝、三月場所でも10勝を挙げており、見事大関昇進を勝ち取りました。
新入幕から10年、新三役から8年と、長い苦節を乗り越えての大関昇進。東欧・ジョージア出身の栃ノ心は琴欧州(ブルガリア)、把瑠都(エストニア)以来となるヨーロッパ出身の大関ともなっています。
昨年七月場所では白鵬が大記録を樹立する
2017年に行われた七月場所は横綱・白鵬にとって、そして相撲界にとっても記念すべき場所となりました。
歴代3位の通算1036勝で七月場所に突入した白鵬は、初日から10日目まで連勝を飾り、1046勝として千代の富士が持っていた歴代2位の通算1045勝を更新。
11日目に敗れはしたものの、さらに勝ち星を重ねて13日目には魁皇が持っていた通算1047勝を抜き、史上最多となる1048勝の記録を樹立しました。
最終的に白鵬はその記録を1050勝まで伸ばし、14勝1敗で優勝。自身の最多優勝記録も39回に更新しています。
その他の力士は横綱・日馬富士が11勝4敗としたものの、残る横綱の稀勢の里は2勝4敗9休、鶴竜は2勝2敗11休とさえない結果に終わり、白鵬1強ともいえる場所となりました。
オッズ
【大相撲七月場所オッズ(初日)】
※「Marathonbet」発表。7日午後9時更新。
<大相撲最新オッズ情報>
鶴竜は3連覇を達成し、白鵬を超える存在となりたい
今年は三月場所、五月場所と連覇を果たしている鶴竜。となれば、この七月場所自身初となる3連覇を狙いたいところでしょう。
6月30日には二所ノ関一門連合稽古に一門外から参加。その理由として鶴竜はこれまで対戦したことのない平幕・輝、そして先場所唯一土をつけられた小結・松鳳山がいたこととしました。
格下相手でもしっかりと研究し、対策する。連覇中と波に乗っていながらも次への準備をしっかり整える姿は、鶴竜の横綱としての責任感の強さを表しているといえます。
白鵬、稀勢の里の2横綱が怪我にあえいでいる今、横綱の威信を守るのは鶴竜しかいないのかもしれません。これまで白鵬の陰に隠れがちだった鶴竜は、同郷の先輩・白鵬を超えて相撲界の第一人者となれるでしょうか。
栃ノ心は地元ジョージアの期待に応え、さらなる高みへ
今場所から新大関となった栃ノ心。久しぶりのヨーロッパ出身の大関とあって、相撲のヨーロッパにおける人気の拡大にも期待がかかるところです。
母国のジョージアではもはや知らぬ人はいないというほどの大人気ぶりだという栃ノ心ですが、気になるのは先場所痛めた右手首の状態。
まだ完治には至っておらず、突っ張りができないなど相撲の取り口にも影響が出ている様子。しかし本人は日々の復調を感じており、本場所に間に合うとしています。
大関昇進を遂げて注目を集めた栃ノ心ですが、大事なのはここからです。他の力士たちからもより厳しく対策を練られることとなるでしょう。
ここで結果を出せないと、せっかくの盛り上がりも一気に冷めてしまいかねません。横綱という更なる目標を達成するためにも、今場所はなんとしても優勝したいところです。
白鵬、苦境を脱してさらに歴史を塗り替え続けることができるか
昨年11月場所以降、優勝のない白鵬。一月場所は2勝3敗10休、三月場所は全休とまさにボロボロの状態でした。
五月場所はようやく休みなく終えることができたものの、11勝4敗と優勝を逃し、6日目には阿炎に金星を配給しています。
とはいえ休まず五月場所を終えることができたのは、いい復活の足掛かりとなるはずです。7月3日には九重部屋に出稽古を行い、横綱・稀勢の里を相手に10番取って8勝2敗と充実ぶりを見せました。
白鵬は幕内1000勝まであと17勝と迫っています。記念すべき節目に向けて、今場所はそれこそ15勝を挙げて来場所での達成を確定させたいでしょう。
もはや頂点を極めつくした感のある白鵬ではありますが、通算41度目の優勝と合わせて、まだまだ達成すべき目標が残されています。