初夏のフランスを駆け巡るロードレース最大の祭典、ツール・ド・フランスの季節が今年もやってきました。
ロシアで行われているサッカーワールドカップに勝るとも劣らない熱狂が世界中で巻き起ころうとしています。
今大会は7月7日(土)にスタートし、7月29日(日)にパリのシャンゼリゼ通りでゴールを迎え、幕を閉じる日程となりました。
ブックメーカー「188BET」がこの世界一のロードレースの優勝オッズおよび各賞の獲得オッズを発表していますので、その数字を参考に大会展望をご紹介していきます。
フランスを一周する3351キロの長旅
2018年のツールはFIFAワールドカップとの重複を避けるため、1週間先送りしての開催となりました。
105回目の大会となる今回のスタートはフランス西部のヴァンデ県にある大西洋に浮かぶ島、ノワールムーティエ島。そこから時計回りにフランスを一周します。
第16ステージで15キロほどスペインを走るほかはすべてフランス国内を通るコース設定となっています。
大会は23日間の日程で行われ、平坦路8日、丘陵5日、山岳6日、チームタイムトライアル1日、個人タイムトライアル1日に休息が2日、総距離は3351キロとなりました。
なお、今大会では日本人ライダーの新城幸也(バーレーン・メリダ)は3年連続8回目となる大会出場を逃しています。
2017年はフルームがツール3連覇を達成
2017年のツールはドイツのデュッセルドルフでスタート。ドイツ国内からのツールのスタートは30年ぶり4回目で、東西ドイツの統一後は初めてとなりました。
優勝争いの中心にいたのはやはりフルーム。第5ステージの山岳コースで総合首位に立つと、第12ステージでこそファビオ・アル(アスタナ・プロチーム)にその座を譲るも、第14ステージで再び奪取。
ステージ優勝こそ一度もありませんでしたが、安定した走りぶりで見事ツール3連覇を達成しています。
そのほか、ポイント賞はオーストラリアのマイケル・マシューズ(チーム・サンウェブ)、山岳賞はフランスのワレン・バルギル(チーム・サンウェブ)、ニューライダー賞はイギリスのサイモン・イェーツ(オリカ・スコット)が獲得しました。
最強王者にツール主催団体がまさかの出場拒否!?
今年のツールは開催前から衝撃的なニュースが世界中を駆け巡りました。
なんと、5度目かつ4連続のツール制覇に挑むはずだったクリス・フルーム(チーム・スカイ)がドーピングの疑いにより主催団体のASOからツール出場を拒否されたとのニュースが報道されたのです。
昨年のツールからブエルタ・ア・エスパーニャ(以下ブエルタ)、ジロ・デ・イタリア(以下ジロ)とグランツールを3連覇し、4連覇目をかけた戦いとなるはずでした。
昨年のブエルタ第18ステージで過剰な量の喘息症状を抑える薬物「サルブタモール」が規定量以上検出され、ドーピングの疑いをかけられたフルーム。
しかし、世界アンチドーピング機関(WADA)の分析結果を受け、国際自転車競技連合(UCI)がドーピングではなかったとの判断を7月2日に発表。ASOもフルームの参加にグリーンライトを出しました。
歴史に残る最強王者がドーピングで失格となっては、かつてのランス・アームストロングのように、ツールに大きな泥を塗りかねない事態となったはずです。
疑惑が晴れたことにより、フルームはもちろん、他の選手も、世界中のファンも、心置きなく2018年のツールを楽しむことができるでしょう。
フルームの連覇に最大オッズが付く
【ツール・ド・フランス2018優勝オッズ】
※オッズは5日午前9時現在
<188BET 登録方法>
優勝候補の筆頭は疑惑を晴らし、偉業に挑むクリス・フルーム。「188BET」が発表したオッズは2.35倍となりました。
2番手は初のグランツール制覇を目指すリッチー・ポートで5.00倍、3番手は山岳のスペシャリスト、ナイロ・キンタナで8.50倍、4番手はイタリアの英雄ヴィンチェンツォ・ニバリとキンタナのチームメイトであるミケル・ランダで11.00倍となりました。
山岳賞はバルギルの2連覇に期待がかかる
【ツール・ド・フランス2018山岳賞オッズ】
※オッズは5日午前9時現在
山岳賞でトップに立ったのは昨年度のツールで山岳賞を獲得したワレン・バルギル。オッズは3.50倍となりました。
2番手はミケル・ランダで5.50倍、3番手はベルギーのトーマス・デ・ヘントで12.0倍、4番手はナイロ・キンタナとポーランドのラファウ・マイカで15.0倍となっています。
ポイント賞は6回目の受賞を狙うサガンがトップに
【ツール・ド・フランス2018ポイント賞オッズ】
※オッズは5日午前9時現在
ポイント賞の一番手は2012年から2016年までツールのポイント賞を5連覇したペテル・サガン。オッズは1.45倍となりました。
2番手は2017年のジロでポイント賞を獲得したフェルナンド・ガビリアで4.50倍、3番手は昨年度ツールで第21ステージを制したディラン・フルーネウェーヘンで7.00倍、4番手は昨年度ツールで5勝、通算でも14勝を挙げているマルセル・キッテルで13.0倍となっています。
ヤングライダー賞は「未来のキンタナ」が最有力に!
【ツール・ド・フランス2018ヤングライダー賞オッズ】
※オッズは5日午前9時現在
「188BET」が発表したヤングライダー賞オッズによれば、「未来のキンタナ」として地元コロンビアから大きな期待を背負っているエガン・ベルナル(チーム・スカイ)で2.00倍のオッズがついています。
2番手にはフランスのピエール・ラトゥール(アージェードゥゼール ラ モンディアル)で3.50倍、3番手には同じくフランスのギヨーム・マーティン(WGG)で7.00倍となっています。
タスマニアの脅威がついに頂点の座に達するか
タスマニアンデビルの異名を持つオーストラリア出身のリッチー・ポート(BMCレーシング)。6月にはツール前哨戦と呼ばれるツール・ド・スイスで総合優勝を果たし、ツールでも優勝候補であることを示しました。
山岳コースが多いこの大会で山岳のスペシャリストであるナイロ・キンタナを破ったことはその実力の大いなる証明となるでしょう。
2017年大会では山岳の第9ステージで落車してしまい、大怪我を負うというアクシデントに見舞われました。そのリベンジを果たす準備はすでに整ったと見ていいはずです。
ポートは初のグランツール制覇をこのツールで達成することができるでしょうか。
グランツール制覇へ、残すはツールのみ
2013年に2位、2015年も2位、2016年に3位と、3回に渡ってフルームにツール優勝を奪われ続けてきたキンタナ。2017年は2位となったジロの疲れが響いてか、12位に終わりました。
キンタナが所属するモビスターチームはキンタナに加えてミケル・ランダ、アレハンドロ・バルベルデというグランツールで優勝を狙えるトリプルエース体制。チームの総合力は非常に高いといえます。
集団スプリントやタイムトライアルはあまり得意ではありませんが、その分山岳では圧倒的。そこでどこまで差をつけることができるかが勝敗を左右しそうです。
強力な仲間たちとともに、キンタナがついにツールを制覇する時が来たのかもしれません。
ニバリはチームに初の栄冠を捧げられるか
全グランツール総合優勝を達成しているニバリ。2017年には新たに誕生したバーレーン・メリダにエースとして移籍し、話題となりました。
新チームで迎えた2017年はツールを欠場したもののジロで総合3位、ブエルタで同2位となり、実力の健在を証明。2018年はジロを欠場し、ツールにフォーカスしてきています。
イサギレ兄弟やドメニコ・ポッツォヴィーヴォ、フランコ・ペッリツォッティらを擁する今年のバーレーン・メリダはニバリが史上最強と自負する布陣となっており、そのこともニバリの総合優勝を後押しするでしょう。
ニバリはチーム初の栄冠に加え、自身2度目のツール制覇となるでしょうか。