ピョンチャンオリンピックにおいて、日本が最もメダルを量産する期待がかかる競技の一つであるスピードスケート。長野五輪の清水宏保以来となるスピードスケートの金メダルを今大会見事獲得することができるのでしょうか。ブックメーカー「888sport」がスピードスケート各種目の優勝オッズを発表していますので、その数字を参考に優勝展望をご紹介していきます。
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※2月9日に「フィギュアスケート」の最新記事を配信予定!
オッズの見方ですが、Winnerはいわゆるその種目の優勝オッズ(金メダルオッズ)で、(1-3)は表彰台オッズ(金・銀・銅いずれかのメダルを獲得するオッズ)となります。
日本代表男女合計16選手が決定!
11月から12月にかけて行われたワールドカップや、12月に長野で開催された五輪代表選考会などの結果をもとに、女子8選手、男子8選手の計16選手が日本代表として選出されています。
<女子>
小平奈緒(相沢病院)
郷亜里砂(イヨテツク)
神谷衣理那(高堂建設)
高木美帆(日体大助手)
菊池彩花(富士急)
押切美沙紀(富士急)
佐藤綾乃(高崎健康福祉大)
高木菜那(日本電産サンキョー)
<男子>
長谷川翼(日本電産サンキョー)
ウイリアムソン師円(日本電産サンキョー)
山中大地(電算)
加藤条治(博慈会)
小田卓朗(開発計画研究所)
中村奨太(ロジネットジャパン)
土屋良輔(メモリード)
一戸誠太郎(信州大)
女子は4種目で日本人が金メダル候補筆頭に
女子1500メートル
「888sport」発表したオッズによると、女子1500メートルの金メダル候補筆頭は、日本の高木美帆がオッズ1.75倍で挙げられました。もっとも得意とする1500メートルで初の金を狙います。メダル獲得オッズは1.15倍となりました。続く2番手は同種目バンクーバー五輪で金、ソチ五輪で銀メダルのブストで5.00倍、3番手にはスプリント複合の世界記録を持つヘザー・リチャードソン=ベルグスマ(アメリカ合衆国)が8.00倍で挙げられています。その他、日本の菊池彩花に10番手タイとなる金メダルオッズ76.00倍、メダル獲得オッズ12.50倍がつけられました。
女子1000メートル
女子1000メートルの金メダル候補筆頭は、昨年12月のワールドカップ・ソルトレイクシティ大会で世界新記録を樹立した日本の小平奈緒。オッズは金メダルオッズが1.60倍、メダル獲得オッズが1.08倍と圧倒的なものとなりました。2番手にも日本の高木美帆が8.00倍、1.60倍でつけています。3番手はリチャードソン・ベルグスマで9.00倍。また、日本の郷亜里砂が12番手タイとなる金メダルオッズ61.00倍、メダル獲得オッズ12.50倍となりました。
女子500メートル
女子500メートルの金メダル候補筆頭は、1000メートルに続いて日本の小平奈緒。オッズは金メダルオッズが1.35倍、メダル獲得オッズが1.05倍と、2冠に大きな期待がかかります。2番手は2010年のバンクーバー、2014年のソチと500メートルで金メダル2連覇を果たしている李相花(韓国)で4.75倍。地元での金獲得に燃えていることでしょう。3番手は1000、1500メートルの以前の世界記録保持者であるブリタニー・ボウエ(アメリカ合衆国)で21.00倍となりました。日本人選手では郷亜里砂が4番手で金メダルオッズ21.00倍およびメダル獲得オッズ4.50倍、神谷衣理那が12番手で61.00倍および8.00倍となっています。
女子団体追い抜き
女子団体追い抜きは高木美帆、高木菜那、佐藤綾乃の3人で昨年世界新記録を樹立した日本チームが1.20倍という非常に高いオッズで金メダル最有力候補に挙げられました。続いてソチ五輪で金メダルを獲得したオランダが5.50倍で2番手、トリノ五輪、バンクーバー五輪で金メダルを2連覇したドイツが10.00倍で3番手となっています。
女子5000メートル
女子5000メートルの金メダル候補筆頭は、同種目バンクーバー五輪、ソチ五輪で金メダル2連覇を成し遂げたマルティナ・サブリコワ(チェコ)。金メダルオッズは2.25倍となりました。2番手はリレハンメル五輪、長野五輪、ソルトレーク五輪で5000メートル3冠を成し遂げ、合計で金5個、銀、2個、銅2個を獲得しているクラウディア・ペヒシュタイン(ドイツ)で4.50倍、3番手はオランダの新鋭エスミー・ヴィッサーで5.00倍となりました。日本の高木菜那は12番手の61.00倍に挙げられています。
女子3000メートル
女子3000メートルの金メダル候補筆頭は、同種目ソチ五輪金メダリストのイレイン・ブスト(オランダ)でオッズは3.00倍となりました。5000メートルと並んで2冠を狙うサブリコワが2番手で3.50倍、カナダのイバニー・ブロンディンが3番手で6.00倍と続き、日本の高木美帆は5番手で金メダルオッズ7.50倍、メダル獲得オッズは2.00倍となっています。
女子マススタート
女子マススタートは2017年の世界距離別選手権で同種目を制したキム・ボルム(韓国)がオッズ3.00倍で優勝候補筆頭に挙げられました。続いて2015年の同大会金メダリストのイレーネ・ショウテン(オランダ)が4.00倍で2番手、同じく2016年の金メダリスト、イバニー・ブロンディン(カナダ)が3番手で6.00倍となりました。日本人選手では高木菜那が5番手で金メダルオッズ9.00倍にメダル獲得オッズ2.25倍、佐藤綾乃が6番手タイで15.00倍に4.00倍となっています。
男子は団体追い抜きのオッズ7番手が最高位に
男子団体追い抜き
「888sport」が発表したオッズによると、男子団体追い抜きはソチ五輪で金メダルを獲得したオランダがオッズ1.60倍で金メダル獲得候補筆頭に挙げられました。2番手はイタリアで7.50倍、3番手はノルウェーで7.50倍となっています。日本は7番手タイの18.00倍のオッズがつけられました。
男子500メートル
男子10000メートルの金メダル候補筆頭はソチ五輪の同種目銅メダリストのロナルド・ムルダー(オランダ)。オッズは4.50倍となりました。続く2番手は日系人としても知られる開フェルバイで6.00倍、3番手はホーバル・ホルメフィヨルドロレンセンで9.00倍となりました。日本人選手は山中大地が9番手タイの金メダルオッズ15.00倍およびメダル獲得オッズ5.00倍、長谷川翼が11番手タイの同21.00倍、6.50倍となっています。
男子1000メートル
男子1000メートルの金メダル候補筆頭は、昨年の世界距離別選手権で1000,1500メートルの2冠を達成したケル・ヌイス(オランダ)で、オッズは2.00倍となりました。2番手は開フェルバイで4.00倍、3番手はホーバル・ホルメフィヨルドロレンセン(ノルウェー)で5.00倍となっています。日本人選手は小田卓朗が11番手タイで金メダルオッズ51.00倍、メダル獲得オッズが11.00倍となりました。
男子1500メートル
男子1500メートルの金メダル候補筆頭は1000メートルに続いてケル・ヌイス。オッズは2.00倍となりました。2番手はソチ五輪同種目銀メダルのコーエン・フェルヴァイ(オランダ)で3.00倍、3番手はノルウェーのスヴェレ・ルンデ・ぺデルセンで9.00倍となっています。日本人選手は1000メートルに続いて小田拓朗が12番手タイの金メダルオッズ61.00倍、メダル獲得オッズ15.00倍に挙げられました。
男子マススタート
男子マススタートの金メダル獲得候補筆頭はバンクーバー五輪同種目金メダリストの李承勳(韓国)。オッズは2.00倍となりました。2番手は昨年の世界距離別選手権で金を獲得したジョーイ・マンティアで4.00倍、4番手は10000メートルと5000メートルで金メダル候補筆頭に挙げられているスヴェン・クラマーで12.50倍となりました。日本人選手は中村奨太が16番手タイで金メダルオッズ101.00倍およびメダル獲得オッズ15.00倍がつけられています。
男子10000メートル
男子10000メートルの金メダル候補筆頭はソチ五輪銀メダリストのスヴェン・クラマー(オランダ)。オッズは1.30倍となりました。2番手は10000メートルと5000メートルの世界記録保持者テッド・ジャン・ブローメン(カナダ)で3.50倍、3番手はソチ五輪同種目金メダリストのヨリト・ベルグスマ(オランダ)で10.00倍となっています。
男子5000メートル
男子5000メートル金メダル候補筆頭は、10000メートルに続きスヴェン・クラマーでオッズは1.35倍となりました。2番手は同種目世界記録保持者のテッド・ジャン・ブローメンで5.00倍、3番手はオランダのベテラン選手ボブ・デ・ブリーズで10.00倍となっています。
亡き友のためにも、小平は表彰台の頂点へ
女子1000メートルと500メートルの2種目で金メダル候補筆頭に挙げられた小平奈緒。500メートルではワールドカップで全勝し、1000メートルでは世界新記録を樹立するなど、まさに向かうところ敵なしの状態で大舞台を迎えることとなります。
不安な点があるとすれば、信州大学の同期でともにスピードスケート日本代表としてソチ五輪も戦った住吉都さんが1月20日に急逝したことでしょうか。長年の戦友を失ったことで意気消沈してしまうのか。それとも、彼女のためにも金メダルを、と奮起するのか。小平が立ち向かう最大の敵は己のメンタルとなるでしょう。それに打ち勝つことができれば、金色の輝きが彼女の胸元に輝くことは間違いありません。
高木は船木超えの複数メダル獲得に期待がかかる
女子1500メートル、およびチームの一員として臨む女子団体追い抜きで金メダル候補筆頭に挙げられている高木美帆。加えて1000メートルでも高いオッズで小平に次ぐ2番手に挙げられており、3冠も現実的な目標だといってもいいでしょう。
3000メートルでもワールドカップ第3戦で勝利を飾っており、4冠すら決して不可能ではありません。まさにオールラウンダーと呼ぶにふさわしい実力を備える高木はスピードスケートでは清水宏保以来となる1大会複数メダル(2個)、さらには日本の冬季五輪最多となる船木和喜のメダル3個を超えることができるのでしょうか。