7月25日有明アリーナにて待望のWBO•WBC世界スーパーバンタム級タイトルマッチ:井上尚弥 vs. スティーブン・フルトンが開催されます。日本人初の4団体統一王者となった井上は、2023年1月に王座返上を発表し、スーパーバンタム級に階級をあげて今対戦に挑みます。24戦24勝(21 KO)と圧倒的な戦績を誇る井上に対し、フルトンも21戦21勝(8 KO)と互いに無敗を誇ります。今回のビッグマッチは当初今年の5月に開催予定でしたが、井上の練習中の負傷により延期されました。史上初の2階級4団体統一へ向けての期待がかかるファン待望の一戦がいよいよ開幕します。
WBO•WBC世界スーパーバンタム級タイトルマッチの展望は「ベットチャンネル」でご覧頂きながらご紹介に移りたいと思います。
井上尚弥vsフルトン無敗記録に黒星をつけるのはどちらか?
今回、井上が挑むWBC•WBO世界スーパーバンダム級王者のスティーブ・フルトンは、2021年にWBC王座獲得およびWBO王座の初防衛に成功し、2団体統一王者となりました。昨年はWBO世界スーパーバンタム級1位の元WBAスーパー・IBF世界スーパーバンタム級王者ダニエル・ローマンと対戦し、WBC王座の初防衛、2度目のWBO王座防衛に成功しています。今回の対戦では井上との体格差を強調しており、階級の壁を突きつけるべく闘志を燃やしています。
そのファイトスタイルは右のオーソドックススタイルで、相手との間合いを取りジャブと鋭い右ショートを放つカウンター型です。正確で鋭い切れ味のワンパンチでダメージを与えていくタイプですが、KO率40%未満というところからも分かるように、ハードパンチを打てる選手ではありません。ですが、技巧派スタイルでディフェンス技術やスタミナ面の能力が非常に高く、特にインファイトやアウトボクシングでのディフェンス能力は世界トップレベルと言われています。ダッキングやスウェーの速度が非常に速く、井上の強烈なパンチをどこまで躱すことができるのか注目ですが、気になる試合予想オッズはフルトン5.17倍、井上1.15倍と井上優勢の予想です。果たして注目の一戦はどのような展開となるのでしょうか?
【WBO•WBC世界スーパーバンタム級タイトルマッチ予想オッズ】
※オッズは22日午前9時現在
絶対王者・井上尚弥の新たなる挑戦の行方は?
井上尚弥は「強い相手としか戦わない」という信条を基に、KO率の高いハードパンチャーや、ダウン経験のないボクサー、KO負けをしたことがない選手らと対戦し、数々の強豪をマットに沈めてきました。2019年5月に行われたWBSS準決勝では、IBF世界バンタム級王者エマヌエル・ロドリゲスを相手に3度のダウンを奪い、2ラウンドTKO勝ちで海外有力メディアからも大きな注目を集めました。その後、2022年にアジア人初の4団体統一王者となり、スーパーバンタム級への転向を発表しました。
勝つことが当たり前と思われるほど圧倒的な強さを誇る井上ですが、一部ではフルトン勝利の見方もあります。その一つの要因は、フルトン自身も強調している「体格差」です。身長169 cmでありながら、そのリーチは179 cmと長いのが特徴で、強力なパンチが持ち味の井上もリーチの長さ、高いディフェンス力を前にどれだけ通じるかが勝敗を分けるかぎとなるでしょう。勝敗予想オッズでは井上勝利が優勢ではあるものの、KOラウンド予想を見ると「KO勝利できない/フルトン勝利」が最有力で今までにない苦戦を強いられる可能性もあります。
ボクシングでは、階級が一つ変わるだけで体格、パワー、パンチなどが大きく変わるので、未知の階級に挑む井上がどのような進化を遂げるのか期待が集まります。