有馬記念が終わり、日本競馬は2月のフェブラリーステークスまで大レースはおやすみとなりますが、世界競馬に目を向ければ大注目のレースが目前に迫ってきています。アメリカはガルフストリームパーク競馬場で開催される『ペガサスワールドカップデー』です。
第三回を迎えるこのレースですが、今年は非常に大きな動きがあります。従来のペガサスワールドカップに加え、総賞金700万ドルという、世界的にみても高額な賞金額が設定されたペガサスワールドカップターフ(G1、1900㍍・芝)が新設されることとなりました。
その為、2018年には総賞金1600万ドルとなっていたダートレースの総賞金額は、ターフに700万ドルを割譲し、900万ドルまで引き下げられることとなりましたが、同時にレース出走の為に購入することになる「出走枠」の価格も、100万ドルから50万ドルと半額に。更に、ターフ、ダートの両方を勝利した馬主には100万ドルのボーナスが支払われることとなります。
もうひとつ、今年のペガサスワールドカップデーにおいて面白い試みが、新馬券である『ペガサスピック24』の発売。ターフ・ダートの両レースにおける1着~12着、延べ24頭分の着順をすべて順番通りに的中させると500万ドルものボーナスを受け取ることが出来ます。
着々と、アメリカ競馬のみではなく世界競馬の中においてもビッグイベントとなりつつあるペガサスワールドカップデー。今回はペガサスワールドカップを中心にご紹介いたします。
ペガサスワールドカップ2019
世界競馬においては年始の、アメリカ競馬においては冬のビッグイベントとして根付きつつあるペガサスワールドカップ。やや特殊な出走条件の本レースですが、今年は非常に面白い力関係の2頭に注目が集まることとなりました。
まずは、ブックメーカー「bet365」が発表しているオッズをご確認いただきましょう。
【ペガサスワールドカップ2019オッズ】
※オッズは24日午前8時現在
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2.62倍で一番手評価となっているのが2018年の年度代表馬候補とも言われるアクセラレイト(Accelerate)です。
デビュー当初、未勝利を脱するまでに4戦を費やしていたこともありこれまでの競争成績は22戦10勝と決して綺麗なものではないアクセラレイト。
しかし2018年シーズンは世界ダート最高峰レースのひとつであるブリーダーズカップクラシック(海外G1、2000㍍・ダート)をはじめ、2018年は7戦6勝、G1レースを5つ勝利するなどアメリカダート界を正に席巻する結果を残しました。
ペガサスワールドカップが今季初戦となることや、ガルフストリームパーク競馬場での出走が今回初めてとなるなど、多少の不安要素も垣間見えますが、それでも昨年までのパフォーマンスを考えれば、この馬が一番手評価となることに疑問を抱くファンは非常に少ないことでしょう。
そんなアクセラレイト陣営にとって「厄介な一頭」が出走してきます。二番手評価の3.25倍のオッズを付されているシティオブライト(City Of Light)です。
先ほどご紹介したアクセラレイトは、2018年、7戦6勝という素晴らしい成績を残しました。しかしその中で1戦だけ、3着に10馬身差をつけながらも勝利に至らなかったレースがあります。
それが4月に開催されたオークローンハンデキャップ(海外G2、1800㍍・ダート)。そのレースにおいてクビ差アクセラレイトを退けたのが、何を隠そうシティオブライトでした。
【オークローンハンデキャップ(勝ち馬:シティオブライト)】
最終コーナー付近から盛んに手が動くアクセラレイトを、持ったままで交わしていったシティオブライトのレースぶりは、1キロの斤量差があったとはいえ着差以上の強さを感じさせる内容でした。
その後アクセラレイトは2000m戦であるゴールドカップアットサンタアニタステークスにおいてシティオブライトに雪辱を晴らしますが、シティオブライト自身はその後ブリーダーズカップダートマイル(海外G1、1600㍍・ダート)を勝利。
この勝利により、2000mでの敗戦が決して実力的なものではなく距離によるものであったという見方がより強まったともいえます。G1レースを3勝しているという実績面はもちろんですが、シティオブライトがここまで高評価を得ているのにはこんな裏側もあることでしょう。
悲願の初G1制覇を目指すのは昨年のペガサスワールドカップにおいて3着入線の実績を持つガンナヴェラ(Gunnevera)。オッズはやや離された8.50倍の三番手評価となっています。
3歳時には、3歳トップクラスが集まるミッドサマーダービーことトラヴァーズステークス(海外G1、約2012㍍・ダート)において2着。昨年も、先ほどご紹介したペガサスワールドカップの他に、ブリーダーズカップクラシックにおいて、アクセラレイトの1馬身差2着と、あと一歩のところでG1制覇に手が届かないガンナヴェラ。
しかしこれまでのレースぶりや、昨年と引き続きのリピーターであることを考えれば、上に挙げた2頭の間に食い込む可能性は十二分にあるといえるでしょう。
その他、距離適性は未知数ながら、マイルG1レースを連勝中のパターンレコグニション(Patternrecognition)が9.00倍。アメリカの名門厩舎、トッド・プレッチャー厩舎が送り込む昨年のフロリダダービー馬、Audible(オーディブル)が10.00倍で続いています。
ペガサスワールドカップターフ2019
今年から新設されるペガサスワールドカップターフについても少しご紹介しておきましょう。「bet365」において上位評価に推されている2頭はともになんと「日本生産馬」です。
【ペガサスワールドカップターフ2019オッズ】
※24日午前8時現在
4.00倍となっているヨシダ(Yoshida)は、昨年のウッドワードステークス(海外G1、1800㍍・ダート)やターフクラシックステークス(海外G1、1800㍍・芝)を制した1頭。
日本のノーザンファーム生産で父は日本でおなじみのハーツクライ。ダートG1でも勝利を挙げていますが、やはり血統的には「芝でこそ」という感じがします。
同じく、ノーザンファーム生産で今回日本から遠征するのがアエロリット(Aerolithe)。オッズは5.00倍とヨシダに次ぐ二番手の評価となっています。
アメリカへの遠征に加え1800mまでの距離に良績が集中しているだけに、100mの延長がカギとなりそうですが、ヨシダに比べて約5キロ軽い50.5キロの斤量で出走できる点は大きな武器となるでしょう。
是非とも、ペガサスワールドカップターフにもご注目いただければと思います。