凱旋門賞への序章がいよいよ始まります。
10月6日にフランスのロンシャン競馬場で行われる凱旋門賞の前哨戦となる「フォワ賞」と「ニエル賞」が15日、同競馬場で行われます。日本からは、昨年の凱旋門賞で惜しくも2位だったオルフェーヴルが「フォワ賞」に、今年の日本ダービーを制したキズナが「ニエル賞」に出走を予定しています。この2レースをステップにして、日本からの参戦馬としては初となる凱旋門賞制覇を目指します。
フォワ賞(2400㍍・芝)は、1955年にアンリ・フォワ男爵を記念して創設されたG2レースで、4歳以上の牡牝馬が出場できます。日本から参戦した馬では、1999年にジャパンカップなどG1で3勝したエルコンドルパサーと、昨年にオルフェーヴルが過去に優勝しています。このフォワ賞を制して凱旋門賞も優勝した馬は、1974年と1984年の2頭であり、フォワ賞で3着以内に入った馬ではこれまで5頭が栄冠に輝いています。昨年に続きオルフェーヴルが出走を予定しており、大会連覇と凱旋門賞初制覇の期待が高まっています。
「海を渡って来た侍、オルフェーヴルが日本に栄冠をもたらす」―。フランスの新聞、テレビなどの話題をも独占しているオルフェーヴルは、中央競馬史上7頭目となるクラシック三冠(皐月賞、日本ダービー、菊花賞)を達成し、昨年の凱旋門賞では1番人気にも押されて優勝目前まで迫った2位と、人気と実力ともにフォワ賞優勝最有力と言われています。
生涯成績18戦10勝(うち、G1で5勝)しているオルフェーヴルは、フランス入りして8日の調教中に帯同馬に追切直前で蹴られて外傷を負うハプニングがありました。しかし、池江泰寿調教師はJRAを通じて「アクシデントはあったが、これまで順調にきている。このまま無事にレースまでいって欲しい」と我々を安心させるコメントを発表しており、外傷の影響はほぼないとの見方を示しました。
強力な追い込みが武器で、昨年に続き凱旋門賞2勝騎手のクリストフ・スミヨンが騎乗するオルフェーヴルのライバルとなるのが、昨年のイギリス2冠馬のキャメロットと、昨年のコーフィールドカップ(G1)を含むG1で通算3勝をマークしている地元馬のデゥナダンでしょう。しかし、両馬は今年に入ってから調子がいま一つのようです。キャメロットは昨年の凱旋門賞で7着後、疝痛を患って手術をした影響もあって出遅れていますし、ドゥナダンは今年3月のドバイシーマクラシック(2410㍍・芝、G1)では4着と走りに精彩を欠いた印象があります。
では、昨年のフォワ賞のレースの模様を振り返ってみましょう。下記画像をクリックするとご覧いただけます。オルフェーヴルの強さを目に焼き付けておきましょう!
いつもならば、ブックメーカーの予想オッズでは・・・という流れになるのですが、今回はまだ出走馬や枠順などが確定していないため、今ここで紹介することはできません。しかし、競馬の母国・イギリスのブックメーカーで日本語対応の「William Hill(ウィリアムヒル)」がフォワ賞前日の14日にオッズを発表する予定なので、それが発表されましたら下記に紹介する予定にしております。ブックメーカーは競馬のベットも楽しめるんですね!また、私「清崎民喜」の公式ツイッター(@KiyoTamiyoshi)でも様々なお役立ち情報を配信していますので、ぜひチェックしてみてください!(『ブックメーカー情報局』トップページ下にも表示されています)
【フォワ賞オッズ】(14日午前0時 「William Hill(ウィリアムヒル)」発表)
枠番 馬名 オッズ
1. オルフェーヴル:1.83倍
2. ベリーナイスネーム:21.0倍
3. ステラウインド:12.0倍
4. ドゥナダン:7.0倍
5. ピリカ:26.0倍
6. キャメロット:6.50倍
7. マンドール:11.0倍
8. ゴーイングサムウェア:34.0倍
9. ナウウィーキャン:26.0倍
10.ハヤランダ:21.0倍
もう一つの前哨戦であるニエル賞(2400㍍・芝)は、1952年に3歳以上が出場できる「シャンティイ賞」として創設、1955年に3歳限定に変更され、1971年からフォワ賞と同日開催されることになり、ガストン・ニエル伯爵にちなんで現在の名前となり、3歳馬の凱旋門賞の登竜門としてのG2レースとなっています。1987年にG2に格上げされて以来のレースでは、日本からの参戦馬が優勝したことは一度もありませんので、出走を予定しているキズナにニエル賞初優勝と凱旋門賞初優勝の「ダブル初V」に期待したいところです。
武豊騎手が騎乗するキズナは、日本から参戦する3歳馬としては2011年に日本馬として初めてドバイワールドカップ(2000㍍・オールウェザー、G1)を制したヴィクトワールピサ以来2頭目の凱旋門賞挑戦となります。今回が初の海外遠征となるキズナは、海外輸送への対応が心配されていましたが、山田誠二調教助手は「状態は問題なく変わっていない。順調にきていると思う」とJRAを通じてコメントを発表しており、第一難関は突破した感じがあります。あとは、自慢の爆発的な瞬発力が重たい馬場のロンシャン競馬場でどれだけ発揮できるかが鍵を握るのではないかと思います。
ライバル馬としては、凱旋門賞の前売りで1番人気となっているフリントシャーと、イギリスダービー馬となったルーラーオブザワールドが挙げられるでしょう。フリントシャーは、7月にロンシャン競馬場で行われたパリ大賞(2400㍍・芝、G1)を制し、休養十分で2か月ぶりのレースとして挑んできます。また、前走となった7月の愛ダービー(約2414㍍・芝、G1)でこそ5着に終わって若干人気を落としたルーラーオブザワールドですが、このまま終わるとは思えませんので調子を上げてくるものと思われます。
では、今年の日本ダービーを制したキズナのレースを見てみましょう。下記画像をクリックするとご覧いただけます。
ブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」のニエル賞のオッズが発表されましたら(14日に予定)、フォワ賞同様に下記に紹介したいと思います。楽しみにしていてください!
【ニエル賞オッズ】(14日午前0時「William Hill(ウィリアムヒル)」発表)
枠番 馬名 オッズ
1. ルーラーオブザワールド:6.50倍
2. オコヴォンゴ:12.0倍
3. キズナ:5.50倍
4. プリエンプト:151.0倍
5. トリプルスレッド:7.50倍
6. ヴァンクーヴェリテ:7.0倍
7. シカルプール:17.0倍
8. マックスダイナマイト:67.0倍
9. フリントシャー:2.50倍
10.スピリットジム:34.0倍
1987年以降のデータとなりますが、このニエル賞を取った馬が凱旋門賞を過去8回制しています。フォワ賞を勝った馬よりも4倍の確率で凱旋門賞を勝ち取る計算となります。凱旋門賞では、3歳馬には56㌔と4歳以上牡馬より斤量が3.5㌔も軽いことも影響していると思いますが、キズナにはニエル賞馬になってもらい、堂々と凱旋門賞を狙って欲しいものですね。
頑張れ、オルフェーヴル&キズナ!日本のサムライ馬たちよ!!!