凱旋門賞2015(10月4日、ロンシャン競馬場)の前哨戦である欧州2つのレースが今週末に行われます。アイルランドのレパーズタウン競馬場で行われるアイリッシュチャンピオンステークス2015(愛チャンピオンS、愛G1、約2012㍍・芝)と、フランスのロンシャン競馬場で行われるヴェルメイユ賞(仏G1、2400㍍・芝)です。
今年の凱旋門賞の有力馬たちがこの2つのレースに相次いで登場します。世界的にも注目度の高い2つのレースについてブックメーカー(スポーツブック)が単勝オッズを発表していますので見てみましょう。
愛チャンピオンS(愛G1、10F・芝、日本時間13日午前0時発走)
【愛チャンピオンS単勝オッズ】
※オッズは11日午前1時現在
イギリスのブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」発表の愛チャンピオンS2015の単勝オッズによると、ゴールデンホーン(Golden Horn)が2.87倍で1番人気に挙げられています。2番人気にはフリーイーグル(Free Eagle)で3.50倍、3番人気にはグレンイーグルス(Gleneagles)で5.00倍のオッズ、ザグレイギャッツビー(The Grey Gatsby)が9.00倍で4番人気とここまでが1ケタのオッズとなっています。
ゴールデンホーンはイギリス馬最強の牡馬と呼び声が高く、英ダービーとエクリプスSを2着に3馬身以上の差を付けて勝利するなど、これまでG1レース2勝を含む6戦5勝と順調に白星を重ねています。前走となる8月19日の英インターナショナルS(G1、約2092㍍・芝)では3歳牝馬のアラビアンクイーンに首差で敗れて初黒星を喫し、稍重での競馬に若干の不得意さが見られましたが、普通に走ればやはりゴールデンホーンが頭一つ抜けている印象です。
しかし、今回はそう簡単には勝たせてもらえないでしょう。僅差で2番人気のフリーイーグルは、前走(6月17日)のプリンスオブウェールズS(G1、約2012㍍・芝)でG1初制覇を果たしてその強さを見せつけました。道中は2番手に控えて、直線に入るとグングン加速して先頭馬を捉えてそのままゴールに流れ込みました。フリーイーグルは将来を有望視されていた馬でしたが、脂の乗った3歳時にケガ(骨折)に苦しめられました。しかし、見事に復活して再び表舞台に戻ってきました。「フリーイーグルで凱旋門賞を取りたい」と語ったパット・スマレン騎手が騎乗予定のフリーイーグルの末脚に期待しましょう。
フリーイーグルと打倒・ゴールデンホーンに挑むグレンイーグルスは、英2000ギニー、愛2000ギニーなどG1レース5連戦4勝の実績を引っ提げてG1レース5勝目を狙います。ライアン・ムーア騎手とのタッグで挑んだ前走(6月18日)のセントジェームズパレスS(G1、8F・芝)でも2着に2馬身半差をつけて圧勝したグレンイーグルスは、あとは10Fとこれまでの戦いよりも長い距離でどれだけ力が発揮できるかが勝敗のカギを握りそうです。
昨年の愛チャンピオンSの優勝馬であるザグレイギャッツビーは、昨年の同レース以来の1着と連覇を狙います。プリンスオブウェールズS、エクリプスS、そしてインターナショナルSと2着、3着、3着と必ず上位に食い込んではいるものの、ゴールデンホーンとフリーイーグルの後塵を拝してきました。愛チャンピオンSでリベンジなるかに注目しましょう。
【愛チャンピオンS2014(優勝:ザグレイギャッツビー)】
ヴェルメイユ賞(仏G1、2400㍍・芝、日本時間13日午後11時15分発走)
【ヴェルメイユ賞2015単勝オッズ】
※オッズは11日午前1時現在
アイルランドのブックメーカー「Paddy Power」発表のヴェルメイユ賞2015の単勝オッズでは、トレヴ(Treve)が1番人気で1.50倍のオッズが付いています。2番手にはアラビアンクイーン(Arabian Queen)で5.00倍、3番手にはシーカリシ(Sea Calisi)で9.00倍のオッズとなっています。
凱旋門賞2連覇中のトレヴがやはり今年の凱旋門賞でも優勝最有力で、その前哨戦となるヴェルメイユ賞できっちり勝って凱旋門へと乗り込みたいところでしょう。G1レース5勝を含む11戦8勝とやはり化け物です。前走となる6月28日のサンクルー大賞(G1、2400㍍・芝)でも直線に入ってゆったりと上がってきて、残り200㍍で先頭馬をかわして余裕のゴールとなりました。昨年のヴェルメイユ賞は1番人気ながら4着に終わったトレヴはここでリベンジを果たして、凱旋門賞3連覇へまっしぐらとしたいでしょう。
【サンクルー大賞2015(優勝トレヴ)】
トレヴの独走を止めたいのが、今年のインターナショナルSでゴールデンホーンに土を付けたアラビアンクイーンです。6月のコロネーションS(G1、1600㍍・芝)は5着、8月のナッソーS(G1、9F192Y・芝)では3着と徐々に調子を上げると、中2週で出走したインターナショナルSでジャイアントキリングを果たして、一躍脚光を浴びました。今度は凱旋門賞2連覇中の“女王切り”となるかに期待が集まります。
ドルニヤは今年3月のドバイシーマクラシック(G1、2410㍍・芝)を制し、前走のサンクルー大賞では2番人気での3着でヴェルメイユ賞へと出走します。ドバイでのフリントシャーを2馬身半差で破る強い競馬ができれば、面白い存在となりそうです。また、6月28日のマルレ賞(仏G2、2400㍍・芝)の勝ち馬で、前走のヨークシャーオークス(G1、約2414㍍・芝)で3着に入ったシーカリシにも注目です。
【ヴェルメイユ賞2014】
愛チャンピオンSとヴェルメイユ賞でどの馬が勝つのか?10月4日の大一番「凱旋門賞2015」に向けて、すでに火花は散っています。