【ブックメーカー】清崎民喜コラム:ブックメーカーアービトラージは儲かるのか?

ドル札の束

ずばり結論から言うと、ブックメーカーアービトラージは儲かる。そう言い切っていいと私は考えている。やれ「面倒くさい」「賭け方に失敗したらギャンブルになる」「1回で得られる額が少なすぎる」など懐疑的な意見もあることは承知している。だが、ブックメーカーアービトラージは正しく根気よく行えば、必ず儲かるようになっているのだ。

今回のコラムではこの「ブックメーカーアービトラージ」について書いていきたいと思う。その前にブックメーカー(スポーツブック)についてまだあまりご存じではない方もいらっしゃるのではないかと思い、ブックメーカーについての説明からスタートさせたい。

Ladbrokes 路面店写真

ブックメーカーとは、スポーツの勝敗などを対象にした賭け事(スポーツベッティング)を行う胴元(ハウス)のことをいう。最近では、サッカーW杯やオリンピックなどビッグスポーツイベント前には、スポーツ新聞やテレビなど各種メディアがこぞって「ブックメーカーの予想オッズでは・・・」と報じるため、その言葉を目にしない日はない。

<参考:ブックメーカーとは?

もちろん、ブックメーカーは賭け事なので勝つときもあれば、負ける時もある。ただし、日本でいうスポーツベッティング(競馬、競輪、競艇、サッカーくじ「toto」)や、いわゆるギャンブル(パチンコ、スロット)、宝くじよりも勝てる割合が高いことは確かだ。

パチンコ店内写真

勝てる割合を表す数字として「還元率」というものがある。還元率とは、ある賭けに対してどれだけの割合が払い戻されるかを示す割合のことである。この還元率が、競馬や競輪などは約75%、パチンコやスロットは約80~85%、宝くじは約40%であると言われているのに対し、ブックメーカーは90%~95%なのだから、ギャンブルの中では最も勝てる可能性が高いのがブックメーカーであるということが言える。

とはいえ、ブックメーカーも博打には変わりないので勝てないこともある。還元率が高いとはいえ100%ではないからだ(100%以上ならば胴元であるブックメーカーは儲からずに、潰れてしまうだろう)。

前置きが長くなったが、ブックメーカーという「ギャンブル」がある方法を使うことで「投資」へと変わることをご存じだろうか?その方法こそが「ブックメーカーアービトラージ」と呼ばれるものだ。日本ではまだあまり馴染みのある言葉ではないだろう。

ブックメーカーアービトラージがなぜブックメーカーを「ギャンブル」から「投資」へと変えることができるのか?このことについて説明し、ブックメーカーアービトラージが実際に利益を得ることができるのかについて解説したいと思う。

ブックメーカーアービトラージは、投資の2つの要素から成り立っている。
1. アービトラージ(裁定取引)
2. 複利

アービトラージとは、「市場にできる価格差を利用して利益を獲得しようとする取引をいい、同一の性格を持つ2つの商品の間で、割安な方を買い、割高な方を売ることにより、理論上リスクなしで収益を確定させることができるもの」(金融経済用語集より)であり、裁定取引とも言われている。ようするに、価格差を利用して利鞘を稼ぐ手法のことだ。

このアービトラージの手法をブックメーカーに応用したのが「ブックメーカーアービトラージ」だ。ブックメーカーにおいては、「価格差」の代わりに「オッズ差」を利用して利鞘を獲得していくので、ギャンブルではなく投資として行うことができるのだ。

ベット365具体例を挙げて説明したい。例えば、プロ野球の「巨人対阪神」のオッズについて、ブックメーカー「bet365」とブックメーカー「ピナクルスポーツ」が以下のように発表していたとしよう。

<対戦カード:プロ野球「巨人対阪神」>
【bet365のオッズ】
巨人勝利:1.9倍
阪神勝利:2.5倍
【ピナクルスポーツのオッズ】
巨人勝利:2.4倍
阪神勝利:1.8倍

巨人 ロゴ阪神 ロゴ

例えば、あなたの軍資金が20万円だったとすると、bet365の阪神勝利(2.5倍)に10万円、ピナクルスポーツの巨人勝利(2.4倍)に10万円をそれぞれ賭けたとする。

すると、もし阪神が勝った場合は
10万円×2.5=25万円
逆に、巨人が勝った場合は
10万円×2.4=24万円

となり、阪神が勝った場合は5万円の利益、巨人が勝った場合でも4万円の儲けになります。つまり、阪神が勝っても巨人が勝ってもどちらにせよあなたが儲かる(利益が出る)ということなる。各ブックメーカーが発表しているオッズの差を利用して勝率100%の賭けを成立させること(両建て)-これが「ブックメーカーアービトラージ」の本質であり、投資と言える所以なのだ。

でも、実際は例に挙げたようなオッズが逆転しているものはあまり見られない。最も多くみられるのが「どちらも有利なチーム(オッズが低い)は同じだけど、アービトラージが成立する」というパターンだ。

SBOBET ロゴ今度はJリーグの例で説明しよう。ガンバ大阪対浦和レッズの試合について、ブックメーカー「SBOBET」とブックメーカー「10Bet」が以下のようなオッズを発表していたとしよう。

<対戦カード:Jリーグ「ガンバ大阪―浦和レッズ」>
【SBOBETのオッズ】
ガンバ大阪勝利:1.8倍
浦和レッズ勝利:2.1倍
【10Betのオッズ】
ガンバ大阪勝利:1.6倍
浦和レッズ勝利:2.6倍

ガンバ大阪 ロゴ浦和レッズ ロゴ

両ブックメーカーともにガンバ大阪が有利なオッズをつけている。この時、20万円の軍資金の賭ける額を変えてベットすることでアービトラージを完成させることができる。

10Bet ロゴSBOBETのガンバ大阪勝利に12万円、10Betの浦和レッズ勝利に8万円を賭けるとする。すると、次のような結果が生み出される。

ガンバ大阪が勝利(1.8倍)の場合:12万円×1.8=21万6000円
浦和レッズが勝利(2.6倍)の場合:8万円×2.5=20万8000円

ガンバ大阪が勝てば1万6000円の利益が、浦和レッズが勝っても8000円の利益が生まれることになり、どちらが勝ってもあなたが勝つという勝率100%の状態を作り上げることがアービトラージによってできるのだ。

では、世界に1000社とも2000社もあると言われているブックメーカーの中から、アービトラージを完成させることができる「オッズ差」をどのようにして発見すればいいのか?という疑問をお持ちになるだろう。数多あるオッズの中から人力で探すのは不可能だ。

じゃあ、どうすればいいのか?それは、海外の「アービトラージアラートサービス」を活用することだ。サービス料が月額、もしくは年額で必要だが、このサービスを用いれば、アービトラージが成立するオッズが発表されればアラームで知らせてくれ、どのくらいのお金をどのチーム(選手)に賭ければよいかを教えてくれる優れたサービスだ。

このサービスを受けることで、あなたは何も考えずに、そのサービスが知らせてくれるオッズを探して、指示された金額をベットするだけでアービトラージが完成、つまり100%勝てる投資を成立させることができるのだ。

RebelBetting ロゴこの「アービトラージアラートサービス」は世界中にいくつか存在するが、私は「RebelBetting」(レベルベッティング)をおススメしたい。利点としては、①無料版が存在し、オッズを探したりベットをしたりする練習ができる②アービトラージを知らせる回数が多い③プロのベッターも使用しており、信頼性が高いという3点が挙げられる。登録方法などの詳しい情報は、「ブックメーカー情報局」のサイドバーにある「アービトラージアラートサービス」を参照するといいだろう。

最後に、ブックメーカーアービトラージが投資である所以の2つ目「複利」について説明しておこう。複利とは、「一定期間毎に利息を元本に組み入れ、その元本に対して利息が計算されるもの」(Wikipediaより)で、例えば月利5%の案件に10万円を投資すると、翌月には10万円の5%である5000円が利益として発生する。その利益5000円を元本である10万円に追加して、10万5000円としてまた投資することで、その翌月には11万250円と10万円を投資するよりも多い見返りを得ることができる。このことを繰り返すことで大きな利益を生んでいこうというのが複利の基本的考え方だ。

ブックメーカーアービトラージでは、1日3~5回アービトラージを行い、月に約100回の賭けを正しくすることで月利が15%~20%が出ると言われています。例えば、元本50万円でブックメーカーアービトラージを行い、複利で回していけば以下のような利益を見込めることができるであろう。

【ブックメーカーアービトラージを50万円スタートし、複利で回した場合の利益予想】
1か月目:500,000
2か月目:575,000
3か月目:661,250
4か月目:760,437
5か月目:874,503
6か月目:1,005,678
7か月目:1,156,530
8か月目:1,330,009
9か月目:1,529,511
10か月目:1,758,438
11か月目:2,022,778
12か月目:2,326,194
※月利15%、複利で回した時の収益予想。ベット額が大きくなればMaxbetの制限(賭け金の上限が制限されること)がかかり、月利が15%いかない場合もある

複利の力はいかがでしょうか?最初50万円のものが、ブックメーカーアービトラージの複利の力によって1年後には200万円を超えて4倍以上となるのだ。

アインシュタイン

相対性理論などで世界的権威であるアインシュタイン博士は、次のような言葉を遺している。

「人間の発明した仕組みでもっとも驚くべきものは複利である」

ブックメーカーアービトラージで投資を始めてみてはいかがだろうか?