99回目を迎える今シーズンのグランツール開幕戦となる「ジロ・デ・イタリア2016」（総距離3463キロ、全21ステージ）が、5月6日にオランダのアペルドールンをスタート地点とする個人タイムトライアル（9.8キロ）で幕を開けます。以降、3週間に渡りイタリアの地を中心に、最も厳しいと言われるグランツールのジロらしい2000メートル級の山岳地帯など選手たちは幾度の難所を乗り越えながら、ピンク色のジャージ「マリア・ローザ」を目指して熱い戦いを繰り広げます。
【ジロ・デ・イタリア2016コース】
昨年のジロ・デ・イタリア2015では、第5ステージ以降アルベルト・コンタドール（ティンコフ）が第13ステージを除く全てのステージでマリア・ローザにそでを通し、圧倒的な強さで2回目の総合優勝を勝ち取りました。またポイント賞であるマリア・ロッソを地元イタリア出身のジャコモ・ニッツォーロが獲得しました。
【ジロ・デ・イタリア2015ハイライト】
【ジロ・デ・イタリア2016総合優勝オッズ】
※オッズは２８日午後６時現在
優勝候補の最有力に挙がっているのがヴィンチェンツォ・ニーバリ（アスタナプロチーム）で2.50倍のオッズが付いています。2番手には僅差でミケル・ランダ（チームスカイ）で3.00倍、アレハンドロ・バルベルデ（モヴィスターチーム）が3番手となる6.00倍であとを追う展開となっています。この3選手を中心に個人総合優勝争いが繰り広げられそうです。4番手にはリゴベルト・ウラン（キャノンデールプロサイクリングチーム）で11.00倍、5番手にはラファル・マイカ（ティンコフ）で12.00倍、6番手にはイルヌール・ザカリン（チームカチューシャ）で16.00倍となっています。
2013年大会の総合王者である地元イタリアはメッシーナ出身のニーバリが2度目の総合優勝を狙います。アスタナプロチームはチームメイトでライバルでもあるファビオ・アルを今季のツール・ド・フランスに向かわせることで、2014年のツール・ド・フランスを制して史上6人目となるグランツール完全制覇を果たした31歳に、万全の態勢で2度目のマリア・ローザを狙わせます。
ランダとバルベルデは、それぞれのチームのエースであるクリス・フルーム（チームスカイ）とナイロ・キンタナ（モヴィスター）がツールに集中するために、ジロ・デ・イタリア初優勝に向けて満を持して挑みます。
ニーバリの元チームメイトで昨年の同大会で個人3位に入ったランダは、4月のブエルタ・アル・パイスバスコの2級山頂フィニッシュとなった第2ステージで今季初勝利を挙げるなど調子を上げています。36歳のバルベルデは長いキャリアの中で初のジロ・デ・イタリア参戦となり、特にその走りに注目が集まります。2009年のブエルタ・ア・エスパーニャ以来となるグランツール2勝目を果たすことができるのでしょうか。
総合優勝は、ニーバリ、ランダ、そしてバルベルデの三つ巴の争いを中心に繰り広げられそうです。
今季のジロ・デ・イタリアのポイント賞（マリア・ロッソ）も熾烈な争いが予想されます。スポーツブック「Paddy Power」が発表したポイント賞オッズによると、チームスプリンターとして活躍しているエリア・ヴィヴィアーニ（チームスカイ）が4.00倍で候補の筆頭に挙げられています。2番手には地元ミラノのジャコモ・ニッツォーロ（トレックファクトリーレーシング）で4.50倍、3番手には33歳のベテランのアンドレ・グライペル（チーム・コロンビア＝HTC）で5.50倍、4番手にはマルセル・キッテル（エティックス・クイックステップ）で6.00倍と激しいスプリンターたちの争いが繰り広げられます。
また、「Paddy Power」は第1ステージ（5月6日）の個人タイムトライアルの優勝オッズを発表しており、昨年のブエルタ・ア・エスパーニャで区間2勝を挙げて敢闘賞も獲得したトム・デュムラン（チームジャイアント・アルペシン）が2.75倍、昨年のジロ・デ・イタリア第1戦個人タイムトライアルを制して、3大グランツールすべてでリーダージャージにそでを通したファビアン・カンチェラーラ（トレック・セガフレード）が2.87倍と他を圧倒しています。
第99回ジロ・デ・イタリアは5月6日から29日までの全21ステージで行われます。各ステージの優勝オッズなどはブックメーカーから毎日発表されますので、清崎民喜の公式ブログや公式ツイッターで随時配信していく予定です。ぜひ、フォロー頂ければ幸いです。
