50回目を迎えるスーパーボウルが、日本時間の8日午前8時30分からカリフォルニア州サンタクララにあるサンフランシスコ49ersの本拠地・リーバイススタジアムでいよいよ行われます。今回、スーパーボウルにコマを進めたのは2年ぶりの王座奪還を目指すデンバー・ブロンコスと、第38回大会以来2度目の出場で初制覇を狙うカロライナ・パンサーズです。
NFLプレーオフ開幕前のカンファレンス優勝オッズ(ブックメーカー「888sport」発表)では、AFCを勝ち上がったブロンコスはペイトリオッツに次ぐ3.25倍のオッズで、NFCを勝ち抜いたパンサーズは優勝候補の筆頭に挙がっており2.75倍のオッズでした。両カンファレンスともに予想されたチームが順当に勝ち上がってきたというのが率直な感想です。
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スーパーボウルはアメリカ最大の人気スポーツです。2015年の主な優勝決定戦の全米視聴率を比較しても、カレッジフットボールのナショナルチャンピオンシップゲームが18.6%、カレッジバスケットボールのナショナルチャンピオンシップゲームが16.0%であるのに対して、このスーパーボウルは47.5%と破格の視聴率をマークしています。また、世界200か国以上で生中継がなされ、サッカーのUEFAチャンピオンズリーグ決勝をしのぐ視聴者数がいると言われています。また、アメリカ国内のテレビ放送でのCMは最も注目され、30秒あたりの平均価格は380万ドル(約4億5000万円)に達しています。
この最大級の注目スポーツイベント「スーパーボウル」にスポーツの勝敗のオッズを発表している海外の賭け屋・ブックメーカーが黙っているはずがありません。高配当で世界的に人気の高いブックメーカー「ピナクルスポーツ」は、第50回スーパーボウルのオッズを発表していますが、そのスプレッドオッズ(ハンデ)へ受け付ける賭け金を最大一人あたり50万ドル(6,000万円)まで引き上げることを1月末に公式に発表しました。各ブックメーカーは通常、一部のVIPを除いてお客が賭けることのできる金額に上限(Max bet)が設定されていますが、その金額が破格の6,000万円とは異例中の異例です。簡単に言えば、第50回スーパーボウルに6,000万円まで賭けることが可能というわけです。
ブロンコスなのか?それともパンサーズなのか?世界中が視線を注ぐブックメーカー「ピナクルスポーツ」が第50回スーパーボウルのオッズを発表していますので見てみましょう。
まずは、Money Line(マネーライン)から見てみましょう。このマネーラインとは通常の勝敗オッズでどちらが勝つかを予想するオッズです。パンサーズ勝利が1.434倍、ブロンコス勝利が3.050倍と初制覇を目指すパンサーズが有利との見方が強いようです。次に、Total(トータル)は、両チーム合わせて何点取るかを予想するオッズで、Over 45(45点以上)とUnder 45(45点以下)と45点を境にしています。ともに1.952倍のオッズが設定されています。最後に、Spread(スプレッド)です。今回「ピナクルスポーツ」ではこのオッズに対して最大6,000万円賭けることが可能となっています。
スプレッドはいわゆる“ハンデ”であり、最終的なスコアから勝つ可能性が高いチームから一定数引いて、もしくは負ける可能性が高いチームへ一定数足したスコアで勝敗を決めるものです。今回のスーパーボウルのスプレッドは、パンサーズに-5.5(オッズ:1.925倍)、ブロンコスに+5.5(オッズ:1.980倍)のハンデが設定されています。ハンデが小数なのは引き分けを防ぐためです。スプレッドの面白さは、ゲームでの勝者が賭けの勝者には必ずしもならないという点でしょう。今回、パンサーズ優勢とのオッズが発表されていますが、仮にパンサーズが25対20でブロンコスに勝ったとしましょう。もちろん、パンサーズがスーパーボウル初制覇となるわけですが、もしあなたがスプレッドでブロンコスにベットしていれば、19.5対20でブロンコス勝利、すなわちあなたの勝ちとなるわけです。スプレッドでパンサーズに賭けていれば、6点差以上の差を付けてブロンコスに勝たないと、勝ちではないんですね。
おそらくですが、このピナクルスポーツで50万ドル(6000万円)を賭けるベッターは多数現れると思います。一夜にして勝てば“ミリオネアー”ですからね。スーパーボウル後におそらくニュースになること間違いなしです。あなたはどちらに?
ブロンコス対パンサーズ
ブロンコスは、ディビジョナル・プレーオフでピッツバーグ・スティーラーズと対戦して23対16で勝利すると、カンファレンス・チャンピオンシップではスーパーボウル連覇を狙うニューイングランド・ペイトリオッツと対戦し、20対18の薄氷の勝利を勝ち取って8回目のスーパーボウル進出を果たしました。第4Qでのマクマヌスのフィールドゴールで何とか逃げ切ったブロンコスが17年ぶりのチャンピオンを狙います。
ブロンコスは何といってもQBペイトン・マニングでしょう。39歳を迎えた大ベテランは、2年ぶり4回目のスーパーボウル出場となりますが、今回で現役生活にピリオドを打つのではないかというのが各メディアの見方です。この背景としては、パフォーマンスの衰えです。実際にマニングのパス成功率はルーキーの時(1999年)に次ぐワーストとなる59.8%と精彩を欠いているのは間違いないのです。多くの得点を期待できないブロンコスは、やはり守りでリズムを作りたいところでしょう。ペイトリオッツの強力オフェンスラインとQBトム・ブレイディを止めたLBボン・ミラーを中心に、鉄壁なディフェンスから勝機を生み出したいところです。
一方、パンサーズはディビジョナル・プレーオフでシアトル・シーホークスを31対24、カンファレンス・チャンピオンシップでアリゾナ・カーディナルスを49対15で大勝して初のスーパーボウル制覇に挑みます。過去50年でシーズン15勝をしたチームはわずか7チームであり、圧倒的な攻撃力で勝ち上がってきました。
その攻撃力の原動力となっているのがQBキャム・ニュートンです。ニュートンはパスもさることながらランもできるので、ディフェンスは非常に的が絞りにくいNFL屈指のQBです。堅守のブロンコスを支えるCBアキブ・タリブは「NFLで最も危険なQB」と警戒しています。ニュートンの攻撃力を生かすRBジョナサン・スチュワートはカンファレンス・チャンピオンシップでは、両チーム最多の19ランで83ヤードを獲得するなどケガから復活し、調子を上げています。
リーグトップのディフェンス力のブロンコス、リーグトップのオフェンス力のパンサーズ。
日本時間の2月8日午前8時30分に戦いの火ぶたは切って落とされます。