3月に行われた高松宮記念から幕を開けた春のG1戦線。そのフィナーレを飾り競馬界における夏の訪れを告げるのが、阪神競馬場で行われる第57回宝塚記念(G1、2200㍍、芝)です。
昨年はJRA発表の単勝オッズ6番人気のラブリーデイが見事なG1初勝利を挙げるとともに、2着デニムアンドルビー、3着ショウナンパンドラ共に2桁人気馬が入線する波乱の決着となりました。
【宝塚記念2015レース映像(優勝馬:ラブリーデイ)】
今年も春競馬を締めくくるに相応しい豪華メンバーが顔を揃えることとなった宝塚記念2016。ブックメーカー「bet365」において発表されているオッズとJRAから発表された枠順をご覧いただきながら、オッズ上位馬たちの動向をみていきましょう。
【宝塚記念2016単勝オッズ】
※オッズは24日午後5時現在
【宝塚記念2016枠順】
1-1 フェイムゲーム(柴山雄一)
1-2 アンビシャス(横山典弘)
2-3 キタサンブラック(武豊)
2-4 ワンアンドオンリー(田辺裕信)
3-5 シュヴァルグラン(福永祐一)
3-6 ラストインパクト(川田将雅)
4-7 ラブリーデイ(C.ルメール)
4-8 ステファノス(戸崎圭太)
5-9 ドゥラメンテ(M.デムーロ)
5-10 カレンミロティック(T.ベリー)
6-11 トーホウジャッカル(酒井学)
6-12 サトノノブレス(和田竜二)
7-13 タッチングスピーチ(浜中俊)
7-14 ヒットザターゲット(小牧太)
8-15 サトノクラウン(岩田康誠)
8-16 マリアライト(蛯名正義)
8-17 ヤマカツエース(池添謙一)
※(カッコ)内は騎乗騎手
現在2.50倍で1番人気に推されているのが昨年の2冠馬ドゥラメンテ。前走のドバイシーマクラシック(海外G1、2410㍍、芝)においては馬場入り後に落鉄するアクシデントに見舞われながらも2着。地力の高さを見せてくれる結果となりました。
鞍上のM.デムーロ騎手も「蹄鉄がないのは厳しい。馬場が硬かった」とレース後に悔しさをにじませるコメントを残していましたが、陣営からは「裸足で走ったダメージが心配でしたが、何ともなかったので宝塚記念を目標に調整することが出来ました」と、今回に向けて問題なしのジャッジ。
ただその中で「本当に良くなるのは先だと思いますが、心身ともに成長が見られます」とのコメントからも、今後に控える「凱旋門賞」や秋競馬にもすでに目を向けているようであり、最高の状態での出走とはいかないようです。
それでもこれまで見せてきたパフォーマンスの高さは現役屈指。昨年の3歳王者が古馬戦線もひとひねり…。そんな光景があっても何ら不思議ではありません。
そんなドゥラメンテにリベンジを誓うのが昨年のクラシック路線ではドゥラメンテの後塵を拝していたキタサンブラック(5.00倍)。ファン投票では圧倒的な票数で1位を獲得となりました。
5月中には「中央」「地方」「海外」の3場においてG1勝利を挙げる離れ業を成し遂げた武豊騎手。その内中央で勝利を挙げたのがこのキタサンブラックとのコンビで挑んだ天皇賞春(G1、3200㍍、芝)。「思い描いた通りの競馬ができた」とは天皇賞春後の武豊騎手の談。キタサンブラックを所有する演歌界の大御所北島三郎氏と競馬界の大御所武豊騎手のコンビで3度目のG1勝利に期待がかかります。
3200㍍戦の天皇賞春や、昨年は菊花賞(G1、3000㍍、芝)を制していることから「ステイヤー適性」が高く見られがちな同馬ではあるものの、大阪杯(G2、2000㍍、芝)においてもクビ差2着に入線するなど、中距離実績も十分。むしろ「宝塚記念こそ適距離ではないか」との見方をするメディア、関係者も少なくはないほどです。
G1未勝利馬であるにもかかわらず7.00倍と高い評価を得ているのが、キタサンブラックを大阪杯で破ったのがアンビシャス。大阪杯ではこれまでの「後方一気」のレーススタイルから一転「先行抜け出し」からの見事な勝利を挙げ、いよいよ同馬の本格化を予感させるだけの内容でした。
この大幅な脚質転換を実行したのが名手横山典弘騎手。前走はなんとレース当日になってから調教師へ進言をし、そのままオーナーサイドへ急きょ確認し実現と相成りました。
「先行抜け出し」か「後方一気」か。否が応にも他陣営はアンビシャスの動向を気にしなくてはならないことでしょう。今回の2200㍍戦は同馬にとってこれまで経験したことのない距離。現在の充実度で距離の壁を打ち破ることが出来るのかが大きなカギを握ることでしょう。
昨年、この宝塚記念を制し堂々古馬路線の主役を張っていたのがラブリーデイ(9.00倍)。前走の香港QEII世C(海外G1、2000m、芝)では雨の影響が残る馬場、その中でも特に傷んだ内側を通る厳しい展開ながらも4着は見せ場十分の結果だったといえます。
海外遠征帰りの馬は得てして調整面に課題を残すことが少なくはありませんが、ラブリーデイ陣営からは「昨年より馬体のバランスが良くなった」と自信を覗かせる一言。昨年の宝塚記念を制した際は、年内6戦目であったことに比べ今年はこれで3戦目。十二分な余力を持っての調整内容、そして臨戦態勢で挑み連覇を狙います。
昨年のエリザベス女王杯(G1、2200㍍、芝)を制したマリアライト(19.00倍)や昨年のジャパンカップ(G1、2400㍍、芝)において2着、今年のドバイシーマ(海外G1、2410㍍、芝)においても3着に入線した実績馬ラストインパクト(26.00倍)など、人気面では上述の馬たちに譲るものの、実績面では決してヒケを取ることない馬たちも多数出走を予定しています。
春のドリームレース宝塚記念は6月26日日曜日、発走時刻は午後3時40分を予定しています。