秋冬連続G1戦線もいよいよ折り返し地点。今週末東京競馬場では日本が誇る国際派G1レースであるジャパンカップ(G1、2400㍍・芝)が開催されます。
毎年、有馬記念に負けず劣らずのドラマが生み出される本レース。
昨年は、G17戦目にして初の1番人気に推されたキタサンブラックが他を圧倒するパフォーマンスを見せつけて完勝。キタサン時代の到来を印象付ける一戦となりました。
【ジャパンカップ2016(優勝馬:キタサンブラック)】
しかし、今年は気になる発言がとあるジョッキーから飛び出します。
マイルチャンピオンシップ(G1、1600㍍・芝)において12着と敗れたサトノアラジンの鞍上を務めた川田将雅騎手がこぼした「気持ちが入り切っていなかった、前走(天皇賞・秋)が影響していたかもしれないとしか言えない」との言葉。
毎日王冠でのパフォーマンスを考えれば、サトノアラジンにとってやはり天皇賞・秋がひとつのターニングポイントとなっていた可能性は大いにあるでしょう。こういった先週の一幕からも、天皇賞・秋組の調教や状態面は特に注意しなくてはならないでしょう。
また今年は、昨年を超える4頭もの海外馬が参戦。こういった点も気になるところでしょう。しっかりとご紹介させていただきます。
【ジャパンカップ2017枠順】※23日午後8時更新
1-1 シュヴァルグラン(牡5、H.ボウマン・友道康夫)
1-2 レイデオロ(牡3、C.ルメール・藤沢和雄)
2-3 ギニョール(牡5、F.ミナリク・J.カルヴァロ)
2-4 キタサンブラック(牡5、武豊・清水久詞)
3-5 サウンズオブアース(牡6、田辺裕信・藤岡健一)
3-6 イキートス(牡5、D.ポルク・H.グリューシェル)
4-7 ディサイファ(牡8、柴山雄一・小島太)
4-8 ソウルスターリング(牝3、C.デムーロ・藤沢和雄)
5-9 レインボーライン(牡4、岩田康誠・浅見秀一)
5-10 ブームタイム(牡6、C.パリッシュ・D.ヘイズ)
6-11 マカヒキ(牡4、内田博幸・友道康夫)
6-12 サトノクラウン(牡5、M.デムーロ・堀宣行)
7-13 シャケトラ(牡4、福永祐一・角居勝彦)
7-14 アイダホ(牡4、R.ムーア・A.オブライエン)
8-15 ワンアンドオンリー(牡6、横山典弘・橋口慎介)
8-16 ヤマカツエース(牡5、池添謙一・池添兼雄)
8-17 ラストインパクト(牡7、戸崎圭太・角居勝彦)
イレギュラーな要素が非常に多く見受けられる今年のジャパンカップ。果たして、ブックメーカー「bet365」はどのようなジャッジを下しているのか、オッズをご確認いただきましょう。
【ジャパンカップ2017オッズ】
※オッズは22日午前8時現在
抜けた人気となっているのは2頭。
まずはおなじみのキタサンブラック(2.62倍)。前走の天皇賞・秋においても極悪な馬場を見事に克服し勝利。これでG1勝利数を6勝としました。
最大のライバルであり有力な古馬であったサトノダイヤモンドが年内の休養を発表。実績面、実力面から考えても、古馬の力を成長著しい3歳馬たちに見せつけることができるのはキタサンブラックが最有力といえるでしょう。
また、手綱を取るのはマイルチャンピオンシップでは主戦として戦い続けてきたエアスピネルを降ろされる一幕もあった武豊騎手。その雪辱をキタサンブラックで果たすことができるでしょうか。
気になるのはやはり天皇賞・秋の反動。
非常にタフな馬ではありますが、夏の宝塚記念において9着と大敗した理由のなかで「天皇賞・春でのレコード決着による消耗があったのではないか?」という説があったように、やはり厳しいレース後は多少評価を割り引くべきなのかもしれません。
そんなキタサンブラックにオッズ上で肉薄するのは6戦5勝のダービー馬、レイデオロ(3.75倍)です。
秋競馬を見てみるとわかるように、日本ダービーで2着入線となったスワーヴリチャードが、11月頭のアルゼンチン共和国杯(G2、1600㍍・芝)を完勝。更にはマイルチャンピオンシップにおいてペルシアンナイトが勝利。3着にもスワンステークス(G2、1400㍍・芝)を勝利したサングレーザーなど今年の3歳は非常にタレントぞろい。
その中でも未だに底を見せていないレイデオロは、まさに総大将的な位置づけといえるでしょう。
また、天皇賞・秋を介することなくジャパンカップ一本に絞ってきたことや、同じくデビューからC.ルメールが騎乗し続けたソウルスターリングではなくレイデオロに騎乗依頼を出した点などからも、陣営の本気度合いがうかがえます。
一方、乗り替わりとなったソウルスターリング(15.00倍)にはC.デムーロ騎手が騎乗予定。
レイデオロより一足先に古馬たちに入り混じって戦い続けているソウルスターリングですが、なかなか結果が出ていないのも事実。ここはオークスと同じ舞台の東京2400mで今一度真価を問われる一戦となるでしょう。
もう一頭、天皇賞・秋を介していない有力馬がいます。それが昨年のジャパンカップにおいて3着入線を果たしたシュヴァルグラン(13.00倍)です。
良績が2400m以上に集中しているまさにクラシック~ロングディスタンスのスペシャリストともいえる同馬。その中でも特に2400mを得意としており、京都大賞典(G2、2400㍍・芝)からじっくりと調整を重ね、ジャパンカップに狙いを定めてきたといえるでしょう。
この距離ならばキタサンブラックに次ぐ実力古馬ともいえるだけに、逆転を狙います。
気になる海外馬の情報もお伝えしておきましょう。
今回参戦してくる中でも特に注目したいのは昨年に引き続き参戦のイキートス、そしてドイツの主要古馬G1を連勝中のギニョールのドイツ馬2頭でしょう。
昨年のジャパンカップではキタサンブラックにこそ離されながらも2着馬には1馬身差まで迫っていたイキートス(41.00倍)。今年は6戦して1着こそ1回のみですが2着は5回と安定した成績を残しています。
そんなイキートスに今年のバイエルン大賞(海外G1、2400㍍・芝)で勝利し、バーデン大賞(海外G1、2400㍍・芝)含めドイツの主要G1を総なめにしたのがギニョール(34.00倍)。
ドイツ競馬は馬場がかなり重たいため、日本の高速馬場に対応できるか否かがカギとはなりますが、昨年のイキートスの好走ぶりを考えれば決して可能性がないとは言い切れないでしょう
その他、天皇賞・秋において2着に入線したサトノクラン(6.00倍)や、3着馬のレインボーライン(26.00倍)。また、前走天皇賞・秋において復活の兆しを見せたマカヒキ(11.00倍)など、やはり人気は天皇賞・秋の上位勢に集まっているようです。
3歳馬の台頭か、古馬の意地か、はたまた海外馬の来襲か。
ジャパンカップは11月26日日曜日、15時40分発走予定です。