【ウィリアムヒル】ペガサスワールドカップ2017:1着賞金は8億5000万!ブックメーカー発表の単勝オッズでカリフォルニアクローム&アロゲートが肉薄

アロゲート

昨年末、3歳馬サトノダイヤモンドが並みいる古馬を一蹴し、新たな時代の幕開けを予感させた衝撃の有馬記念から早1か月。日本競馬の本格化は未だ先ですが、海外競馬界では新年の幕開けから、超注目レースが開催されることとなりました。

それが、アメリカのガルフストリームパーク競馬場で1月28日に開催される第1回ペガサスワールドカップ(海外G1、1800㍍・ダート)です。

ペガサスワールドカップ

ペガサスワールドカップがこれまでのG1レースと一線を画す特徴のひとつが、莫大な「賞金額」です。

これまで、世界最高賞金額のレースと言えば日本でも今やおなじみの3月末に行われる「ドバイワールドカップ」の約1000万ドル(約11億円)でしたが、ベガサスワールドカップはさらに上を行く「1200万ドル(約13億7000万円)」となっています。

ドバイワールドカップ

1着賞金は驚愕の700万ドル(8億5000万円)。とんでもない賞金額が設定されているペガサスワールドカップですが、ここにはからくりがあります。

本レースは全12頭立てなのですが、出走権を獲得するにはまず1枠を100万ドルで購入しなければなりません。

非常に高額ではありますが、出走すれば賞金のほかに馬券やスポンサー料などの売上も分配されるため、馬主サイドとしては大きな収入を得ることが出来る可能性があります。

また、出走馬や出走枠は「取引自由」とされているため、仮に100万ドルで購入した枠を150万ドルで売りさばいてしまっても問題ないということになります。

枠の発売開始から4日後には12枠すべてが完売することとなりましたが、枠を購入した大半はG1出走レベルの馬を所持していないオーナーや、生涯で一度も競走馬を所有したことがないピザ店のフランチャイズオーナーが名を連ねるなど、非常に混沌としていました。

しかし、このペガサスワールドカップが成功を収めれば、今後競馬界における新たなレース形態が産まれる可能性があることを考えると、世界中のホースマンたちが大注目しているといっても過言ではないでしょう。

さて、そうなると気になるのはやはり肝心の「出走馬」。

記念すべき第一回開催は、昨今のアメリカ競馬における『2強』がこのレースで再び相まみえるということで現地の競馬ファンたちも非常に注目する一戦となりました。

まずは、ブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」が発表しているオッズをご覧いただきましょう。

【ペガサスワールドカップ2017単勝オッズ】
ペガサスワールドカップ2017単勝オッズ
※オッズは24日午後1時現在

ペガサスワールドカップ2017最新単勝オッズ(bet365発表)

G1通算7勝の実績を誇り、名実ともに「現役最強馬の筆頭」と誉高いのがカリフォルニアクローム(California Chrome)です。今レースでは2.20倍と最も高い評価を得ることとなりました。

カリフォルニアクローム

2走前のBCクラシック(海外G1、2000㍍・ダート)では、高い支持を得ながらもまさかの2着に敗れ去ったことが世界中に衝撃を与えましたが、前走のウインターチャレンジSでは持ち前の強さを見せつけ、12馬身差をつけてレコード勝利を挙げました。

今春からテイラーメイドスタリオンズで種牡馬入りを予定しているカリフォルニアクローム。陣営からすれば「高額な賞金を手にし、かつ、種牡馬としての価値も高まる」とまさにうってつけのレースであるとも言えるだけに、1着に対しての執念は並々ならぬものがあるでしょう。

そんなカリフォルニアクロームをBCクラシックにおいて破り、大金星を挙げたのがアロゲート(Arrogate)です。オッズ上もカリフォルニアクロームに肉薄する2.25倍となっています。

【BCクラシック2016(優勝馬:アロゲート)】


ご覧いただいてもわかるように、カリフォルニアクロームとアロゲートの2頭以外ははるか後方に突き放されてしまっていることから考えても、やはりこの2頭は別格と考えるのが妥当といったところでしょうか。

ペガサスワールドカップにおいてもアロゲートがカリフォルニアクロームに勝利するとなれば、完全に「新時代の幕開け」を告げることとなります。それだけに今回の一戦が持つ意味の大きさは計り知れません。

出走を回避したガンランナー

元々、参戦に乗り気ではなかった3番手評価のガンランナー(Gun Runner)陣営がアクシデントを理由に出走を回避したこともあり、多くのアメリカ競馬ファンのみならず、関係者たちも「カリフォルニアクロームとアロゲートのマッチレースになる」と考えていることでしょう。

上記2頭に続く出走馬としてはウッドワードステークス(海外G1、1800㍍・ダート)を制したシャーマンゴースト(Shaman Ghost)が26.00倍。前走の条件戦で9馬身差逃げ切り楽勝をみせたニオリシック(Neolithic)15.00倍で続いていますが、先の2頭に比べると他の出走馬に実力や実績に大きな差があることは否めません。

シャーマンゴースト

今回のように有力馬2頭によるマッチレースが予想される際、通常のレース以上にペガサスワールドカップにおいては残りの10枠をどのように『利用するのか』という部分も大きな駆け引きが生まれます。

冒頭でご紹介したように、単純に「賞金」だけでなく「レースの売上」や「スポンサー料」なども出走枠を購入した人々には与えられるため、レース賞金自体ではなくそちらが目的の場合も有り得ます。

そんな場合、例えば「こちらの馬に走りやすいペースをそちらの馬で作ってほしい。報酬として賞金の一部をそちらに引き渡す」なんて取引も、我々の知らない裏側であり得ない話ではないでしょう。

【第1回ペガサスワールドカップ枠順抽選】


特殊なルール下で開催されるレースだけに、第1回開催はこれまでのG1以上に重要な意味を持ちます。それこそ、大成功を収めれば欧州や日本のトップレベルがこぞって参加するような世界的名レースになる可能性もあります。

そんな一戦を制するのは果たして、カリフォルニアクロームか?アロゲートか?それともまったく予想だにしない一頭が栄光を手にするのでしょうか。

多くの意味で大注目の一戦です。