日本の秋競馬はこれからが本格化、といったところですが、欧州競馬はオフシーズン突入前最後のビッグイベントである「QIPCOチャンピオンズデー」が10月21日(土)に、イギリスのアスコット競馬場で行われます。
開催されるレースは以下の通りです。
チャンピオンステークス(海外G1、2004㍍・芝)
クイーンエリザベス2世ステークス(海外G1、1609㍍・芝)
ブリティッシュ・チャンピオンズ・スプリントステークス(海外G1、1207㍍・芝)
ブリティッシュ・チャンピオンズ・ロングディスタンスカップ(海外G1、3219㍍・芝)
ブリティッシュ・チャンピオンズ・フィリーズ&メアズステークス(海外G1、2406㍍・芝)
※レース名をクリックすれば、「William Hill(ウィリアムヒル)」発表の最新オッズが確認できます。
この時期特有の3歳馬VS古馬という構図に加えて、チャンピオンズデーに出走した後は多くの出走馬が休養に入ることになる為、どの陣営もしっかりと仕上げてくることになります。
また、そういった単純な競馬の面白さだけでなく「今年の3歳馬たちのレベル」を推し量り、来年の古馬戦線を予想する為の試金石となる大切な時期です。
本日はそんなQIPCOチャンピオンズデーから、クイーンエリザベスII世ステークス(海外G1、1600㍍・芝)、そして英チャンピオンステークス(海外G1、2000㍍・芝)の注目G1両レースをご紹介させていただきます。
クイーンエリザベスII世ステークス2017
まずはマイル戦であるクイーンエリザベスII世ステークスからご紹介します。
ドバイミレニアムやフランケルといった超一流馬も3歳時に制している格式ある一戦。逆に言えば、ここを勝てる3歳馬は今後も期待できる馬が多いということにもつながります。
今年も3歳路線を沸かせた馬たちが、名実ともに古馬トップと言えるあの馬に挑戦することになります。まずは、ブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」が発表しているオッズをご確認いただきましょう。
【クイーンエリザベスⅡ世ステークス2017オッズ】
※オッズは18日午後4時現在
3.00倍で1番手評価となっているのは、今年の欧州古馬マイル路線でG1を3勝したリブチェスター(Ribchester)。昨年のクイーンエリザベスII世ステークスでは惜しくも2着でした。
今年敗れたレースも1800mと、1ハロン長かったドバイターフで3着、馬場が非常に悪かったサセックスステークスでの2着と、2戦のみ。それぞれに敗因がしっかりとわかっている点や、それでもしっかりとレースになっている点などは、逆に好材料とも言えます。
やはりマイル路線では最注目の一頭と言えます。
対する3歳勢からは英愛両2000ギニー制覇という偉業を成し遂げたチャーチル(Churchill)が久々にマイル路線へと復帰となります。5.00倍と2番手評価です。
しかし、両ギニー制覇後のチャーチルはお世辞にも順調とは言えませんでした。3歳マイル路線には敵なしかと思われていたにもかかわらず、セントジェイムズパレス(海外G1、1603㍍・芝)では勝ち馬から大きく引き離されての4着。
この後、中距離路線へと変更をするものの、2着、7着と完全に裏目に出てしまう結果に。マイル路線へ満を持して復帰という形ではありませんが、果たしてどういったレースを見せてくれるのでしょうか。
また、チャーチルの不調に呼応するかのように管理しているエイダン・オブライエン厩舎も春先の好調を維持できず秋シーズンは思うよう結果を残せず。
シーズンラストを勝利で飾り、昨年のマインディングに続いての同レース2連覇となるでしょうか。
そんなチャーチルにオッズ上では5.50倍と肉薄しているのが、同じく3歳馬のビートザバンク(Beat The Bank)。
春の3歳クラシック期にはG3においても10着と結果を残せていなかったビートザバンク。
ですが、ひと夏を超えて重賞を連勝。前走のジョエルステークス(海外G2、1600㍍・芝)も粗さが目立ちながらもそのスピード能力は一頭地を行くレベルのものでした。
【ジョエルステークス2017(勝ち馬:ビートザバンク)】
今回のレースはもちろんですが、もう少し競馬を覚えてくればより良い競馬を見せてくれることでしょう。今後に期待の持てる一頭です。
その他には、ジャックルマロワ賞(海外G1、1600㍍・芝)を制したアルウケア(Al Wukair)が7.00倍で。3歳牝馬ながらにG1を3勝しているローリーポーリー(Roly Poly)などが15.00倍で続いています。
英チャンピオンステークス2017
凱旋門賞とブリーダーズカップの間にあることから、谷間レースとしての印象が強かったチャンピオンステークス。
しかし近年では種牡馬価値として「2000mでの実績」が重要視される傾向にある為、チャンピオンステークスを目指す陣営もかなり増えてきました。
今年も3歳、古馬から両路線の主力級が出走。非常に楽しみなメンバーがそろいました。こちらもまずはブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」が発表しているオッズをご確認いただきましょう。
【英チャンピオンステークス2017オッズ】
※オッズは18日午後4時現在
やや割れ加減のオッズながら、3.75倍で1番手評価となったのはイギリスダービー(海外G1、2420㍍・芝)で3着、アイルランドダービー(海外G1、2400㍍・芝)で2着と、3歳クラシック路線で堅実な走りを見せていたクラックスマン(Cracksman)です。
凱旋門賞自体は同厩舎であるイネーブル(Enable)が出走することもあり見送ったものの、前哨戦である3歳限定戦ニエル賞(海外G2、2400㍍・芝)を完勝。やはり3歳馬の中ではトップクラスの実力と言えるでしょう。
もう1頭、3歳勢で注目なのが5.50倍のバーニーロイ(Barney Roy)。
クラシック路線や夏の間はチャーチルのライバルとして活躍。セントジェイムズパレスでは英2000ギニーでの雪辱を晴らし見事に勝利します。
そしてチャーチルと同じタイミングで中距離へ路線変更。バーニーロイはその後2着、3着と結果を残せたため、とうとうチャーチルとは別の道を歩む形になりました。
ダービーやニエル賞で結果を残したクラックスマンに比べると中距離での実績が豊富な分、逆転も十分に考えられるでしょう。
2000m戦ということであればこの馬もおなじみ。エクリプスステークスを含む2000m戦のG1を2勝したユリシーズ(Ulysses)。
凱旋門賞においても3着と好走したことを含め、4.00倍の高い評価となっています。
その他、今年のフランス2冠馬であるブラムト(Brametot)や、アイリッシュチャンピオンステークス(海外G1、2000㍍・芝)において2着のポエッツワールド(Poets Word)らが9.00倍のオッズで続いています。