1年間、激闘を続けてきたアメリカPGA男子ツアー。世界最強の男たちが織り成す激闘の数々が、ついに総決算の日を迎えようとしています。フェデックスカップ・プレーオフ最終戦となるツアー選手権が9月21日(木)に開幕します。この大会を制するのは、そしてアメリカPGA男子ツアーの頂点に君臨するのはどのプレーヤーなのか。ブックメーカー「bet365」がその優勝オッズを発表していますので、ご紹介していきます。
フェデックスカップ・ツアー選手権とは
アメリカPGA男子ツアーのシリーズ・トーナメントであるフェデックスカップ。1年間に渡り、出場した大会の順位ごとにポイントが与えられ、その総計を競います。ポイントランキング上位125名がプレーオフに進出することとなります。プレーオフは4大会。初戦のザ・ノーザン・トラストに上位125名、2戦目のデルテクノロジー選手権に上位100名、3戦目のBMW選手権に上位70名が参加。そして、上位30名のみが参加できるプレーオフ最終戦がツアー選手権です。
通常大会では大会の重要度等に応じて300~600ポイントが与えられます。しかし、プレーオフでは優勝者に2000ポイント。2位以下にも通常よりはるかに多いポイントが与えられるので、プレーオフの結果次第で大きく順位が動くこととなります。ツアー選手権は全てが決する最後の舞台なので、どの選手も残った死力を尽くして毎年壮絶な戦いが繰り広げられます。
昨年度はマキロイの大逆転で幕を閉じる
昨年のツアー選手権はローリー・マキロイによる逆転劇に彩られました。最終日、首位と2打差でスタートしたマキロイは1イーグル、5バーディ、1ボギーの64の成績を残し、66で回った首位タイのケビン・チャッペル、そして64で回ったライアン・ムーアの3人によるプレーオフに突入しました。4ホールに及んだプレーオフでは、最後まで追いすがったムーアに競り勝ったマキロイが見事逆転勝利を手中に。
さらにこの勝利でフェデックスカップポイントも6位から首位にジャンプアップ。首位だったダスティン・ジョンソンを逆転して見事年間王者に輝いています。
現在のフェデックスカップポイント
プレーオフ第3戦のBMW選手権が終了した時点で、フェデックスカップポイントでトップに立ったのはジョーダン・スピース。5421ポイントを獲得しています。2位はプレーオフ第2戦のデルテクノロジー選手権を制したジャスティン・トーマスで5081ポイント。続いてプレーオフ初戦のザ・ノーザン・トラストを制したダスティン・ジョンソンが4730ポイントで3位、先日のBMW選手権を制したマーク・レイシュマンが4084ポイントで4位に付けています。年間王者の可能性を残すこの4選手は特に最終戦に高い意気込みで臨むことでしょう。日本の松山英樹は3058ポイントで7位となっています。
最終戦のツアー選手権を前にここまでのポイントはリセットされ、今大会までのランクに応じたポイントが再分配されました。前週の4位から7位へと後退した松山は960ポイントが配分され、ツアー選手権で優勝して2000ポイントを獲得しても自動的に年間王者は確定せず、現在首位のスピース(2000ポイント)が3位以下であれば逆転優勝の可能性はあります。
優勝オッズ
【ツアー選手権2017優勝オッズ】
※オッズは19日午前8時現在
ブックメーカー「bet365」が発表したツアー選手権2017優勝オッズによると、2017年のツアー選手権優勝者候補筆頭はジョーダン・スピース。フェデックスカップポイントでトップに立つアメリカ人がオッズ6.00倍で1番手となりました。
2番手には世界ランキング1位のダスティン・ジョンソンとリッキー・ファウラーが8.50倍で並んでいます。続いて4番手にジョン・ラームが10.00倍、5番手タイにジェイソン・デイとジャスティン・トーマスが11.00倍、7番手にジャスティン・ローズが15.00倍。日本の松山英樹は19.00倍で8番手タイとなりました。
スピースが2度目の年間王者獲得に手をかける
世界ランキングこそダスティン・ジョンソンに一歩譲って2位につけるも、フェデックスカップポイントと賞金ランキングでは堂々の1位に輝いているスピース。このプレーオフでもBMW選手権こそ7位となるもその前の2戦はともに2位と、好調を維持しています。
2015年にはツアー選手権を制し、最年少の22歳で年間王者となりました。昨年は1168ポイントの9位に終わるも、今年再び24歳で2度目の年間王者にリーチをかけています。このツアー選手権を制覇すれば文句なしの年間王者となれるだけに、気合は十分でしょう。最強の王者として一時代を築き上げる契機の戦いとなるかもしれません。
昨年逃した年間王者の座をジョンソンは奪えるか
2016年の全英オープンで悲願のメジャー初制覇を成し遂げ、さらに2017年2月のジェネシス・オープンで勝利したことでついに世界ランキング1位の座を獲得したジョンソンでしたが、その後マスターズを怪我で欠場して以降不調に陥りました。とはいえプレーオフのザ・ノーザン・トラストを制したことは復活の兆しと見ることができるかもしれません。
昨年度は最終戦を制したローリー・マキロイに逆転され、最後の最後で年間王者の座を逃しました。今年は反対に、最終戦を制して逆転勝利といきたいところです。
あと一歩で足踏みを続ける松山
世界ランキングで3位、フェデックスカップポイントで7位、賞金ランキングで4位と過去最高のシーズンを送っている松山。もはやトップ10の常連として世界に認められる存在となりましたが、唯一足りていないビッグタイトルについては、いまだ足踏みをしている現状です。
プレッシャーのかかる舞台に弱いのか、フェデックスカップ・プレーオフの3試合でも71位、23位、47位とあまり良い成績は残せていません。それでも4年連続となる最終戦出場に成功しているのはさすがですが、優勝が期待されているだけにファンにとっては物足りない状態です。
松山のフェデックスカップポイントは現時点ですでに昨年度の13位728ポイントを大きく更新する過去最高記録となっています。真の世界トップクラスまであともう一歩。BMW選手権中には、ゴルフの不調を忘れて気分転換のために宿舎にあったビリヤードをプレーするも、うまくいかずに逆にイライラを募らせてしまったといいます。
逆に言えば、メンタルコントロールさえうまくなれば更なる飛躍も期することができるということ。1つの勝利が人を変えることは多くあります。松山は注目の最終戦を見事勝利し、世界のトップに立つ選手に成長することができるでしょうか。