今シーズンの世界４大メジャートーナメントの最後を飾る「全米プロゴルフ選手権」が８日から４日間、アメリカはニューヨークのオークヒルカントリークラブ（7163ヤード、パー７０）で行われます。出場資格は過去の同選手権優勝者や、４大メジャー大会での過去５年間の優勝者、賞金ランキング上位７０人など、世界の選りすぐりの選手にしか門戸は開かれません。また、全米オープンや全英オープンとは異なり、アマチュア選手は出場できません。
１９１６年に創設された「全米プロゴルフ選手権」で、過去最多となる５度の優勝（1963年、1971年、1973年、1975年、1980年）を果たしているのは、メジャー大会歴代１位の通算１８勝を誇る「ゴールデンベアー」（黄金の熊）ことジャック・ニクラス（アメリカ）です。また、同選手権で過去最多１５回のトップ１０入りを果たしているのもニクラスです。ニクラスは、日本では「帝王」として馴染みのある世界を代表する名ゴルファーですね。
そのニクラスに次ぐメジャー大会通算１４勝を挙げているのが、タイガー・ウッズ（アメリカ）です。ウッズは２００８年の全米オープンに優勝して以来、メジャー大会での優勝から遠ざかっています。先週行われた「ブリジストンインビテーショナル」で２位に７打差をつけて圧勝したウッズは、今回の「全米プロゴルフ選手権」にツアー通算８０勝目とメジャー通算１５勝目をかけて戦います。同選手権では過去４度優勝しており、さらに2000年と2006年には通算スコアで同選手権歴代最高となる１８アンダーをたたき出すなど、ウッズにとって相性のいい大会と言えるでしょう。
「全米プロゴルフ選手権」のプレビュー映像（英語）がありますので、ご紹介しておきます。下記画像をクリックすればご覧いただけます。
日本からは、今年の全米オープンで１０位、全英オープンで６位に入った松山英樹をはじめ、石川遼、藤田寛之、そして５月の「全米シニア選手権」で日本勢としては初めてシニアメジャーを制した井戸木鴻樹の４選手が出場します。日本勢を含めたアジア人選手が本選手権を制したのは、2009年のY・E・ヤン（韓国）の一人だけで、ヤンは同時にアジア人初のメジャー制覇を達成しました。日本人最高位は１９８８年の中嶋常幸の3位です。
メジャー大会３連続トップ１０入りを目指す初出場の松山は「調子は上向いているところで試合を迎えることが出来る。（この２週よりは）自信が持てる」とコメント。５年連続の同選手権出場となった石川は、過去２度の予選落ちを経験し、昨年は５９位タイに終わっています。今シーズンは同級生の松山の活躍ばかりがクローズアップされる中で、同選手権での巻き返しに期待です。
昨年の「全米プロゴルフ選手権」での石川のダイジェストプレーが、下記画像をクリックするとご覧いただけます。
優勝の本命はやはりウッズなのでしょうか？日本語対応のブックメーカー「M88」は、優勝者予想のオッズを発表し、ウッズに最有力となる４．５倍のオッズを付けています（８日午後１時現在）。全英オープンを制したフィル・ミケルソン（アメリカ）とマスターズでメジャー初優勝を飾ったアダム・スコット（オーストラリア）に２番目となる１６．０倍、全米オープンを制覇したジャスティン・ローズ（イングランド）に４番目となる２８．０倍のオッズがそれぞれ付いています。昨年、同選手権を制した２４歳のローリー・マキロイ（イギリス）には３４．０倍のオッズとなっています。
日本勢では唯一、松山に６７．０倍のオッズが予想されています。また、「トップ１０入り」の予想オッズでは、松山は６．５倍と高い評価を受けており、メジャー３連続トップ１０入りにも期待が膨らみますね。
「M88」はフィリピンに拠点を置くブックメーカーだけあって、「アジア勢の中で最上位は誰か？」という“アジアらしい”オッズも発表しています。そのオッズを見てみると、松山にトップとなる２．７倍が付いています。石川には１３．０倍、藤田には１５．０倍、そして「予選を突破できたら（焼酎の）森伊蔵で祝杯だ」とコメントしていた５１歳の井戸木鴻樹に２６．０倍が予想されています。
ウッズの５年ぶりのメジャー制覇なるか？松山をはじめとするアジア勢が旋風を巻き起こすのか？「全米プロゴルフ選手権」はＴＢＳ系列で日本時間の９日（金）午前３時３０分から４日間生中継されます。１０日（土）からは「世界陸上モスクワ」も開幕し、「ゴルフを見て陸上を見る。そしてまたゴルフを見る」というハードだけども熱い週末となりそうです！
