瀬戸が本大会で日本人唯一の金メダル獲得!!男子メドレーリレーは銅!
瀬戸大也がその名の通り“ダイヤ”のように輝きました。
本大会で唯一、日本人選手で表彰台のてっぺんに立った瀬戸の笑顔はとても素敵でした。何かと19歳の同級生である萩野公介に注目が集まる中で、最後の最後で瀬戸が意地を見せてくれました。「萩野の活躍を見て、自分も活躍してやろうと思っていた」と言う瀬戸は、その萩野ですら首にさげることができなかった「金メダル」を獲得しました。
男子四百㍍個人メドレー決勝で、瀬戸が4分08秒69で優勝しました。萩野は最後のフリーで失速し、5位に終わりました。ワンツーフィニッシュを狙っていたという二人。ともにメダルというわけにはいきませんでしたが、萩野も初日の四百㍍自由形で銀メダル、二百㍍個人メドレーで銀メダルを獲得したことは「素晴らしい」の一言です。大会期間中にレースがないのはわずかに1日、合計17レースを泳ぎ抜いた若き鉄人に拍手に送りたいと思います。
瀬戸は萩野に勝った今回のレースを「今までで一番良かった。最高のパフォーマンスだった」と振り返っていました。萩野より3センチ小さい174センチと小柄なスイマーは、世界中の水泳ファンにその力強い泳ぎを印象付けたことでしょう。小学生の時に出会った二人は、徐々にライバルとしてお互いを見るようになったものの、同種目のロンドン五輪で萩野がマイケル・フェルプス(アメリカ)を破って銅メダルを獲得するなど、常に瀬戸の上には萩野の存在がありました。
萩野の活躍を横目で見ながら、瀬戸はそれを自分の原動力にしていたようです。「萩野は萩野。自分は自分」と言い聞かせるように、一喜一憂することなく自分の泳ぎに集中していました。そして、世界水泳という大舞台の最終日に、萩野が最も得意とする四百㍍個人メドレーでついに瀬戸が勝ち名乗りを挙げました。右手で水面を激しく叩いて、喜びを爆発させた瀬戸の姿は、何か一つ殻を突き破ったかのような大きなエネルギーを感じました。
一方、萩野は満身創痍でした。レース後に会場から引き揚げる時に、立ち上がれなくなってうずくまっていました。鉄人の萩野ですら大きな重圧と共に、17レースを泳ぎ切っての疲れがやっぱりあったのですね。萩野は瀬戸の優勝をたたえた上で「この悔しさがぼくを成長させてくれる」とコメントを残しました。
1994年生まれの「19歳コンビ」のライバル対決に、今後も期待していきましょう!
最終日の最終レースで行われた男子4×百㍍メドレーリレーで、日本(入江陵介・北島康介・藤井拓郎・塩浦慎理)は3分32秒26で4着でしたが、1着だったアメリカが失格となり、日本は繰り上げで銅メダルを獲得しました。
個人種目でメダルが期待されながら獲得できずに、4位に終わった二百㍍背泳ぎ決勝後のテレビインタビューで「今後のことはゆっくりと考えたい」と引退をほのめかすような発言をした入江は、「みんなにメダルを取らせてもらった」と笑顔を見せていました。
「みんなが取らせてくれた」-。個人スポーツの印象が強い水泳ですが、やっぱり団体競技でもあるんだなと痛感させられた入江の言葉でした。昨年のロンドン五輪の時に、北島が個人種目でメダルが取れずに「康介さんを手ぶらで帰らせるわけにはいかない」の合言葉で、見事に銅メダルを獲得した時のことが頭の中をよぎりました。
その北島は、今回のレース後に「若い力を見せてもらって、力をもらった」とコメント。19歳コンビなどの若手が台頭し、女子背泳ぎの2種目で銅メダルを獲得した28歳の寺川綾ら経験豊富な選手も活躍した世界水泳だったなと思いました。日本のメダル獲得数は、金1、銀2、銅3の計6個でした。次大会は2015年にロシアのカザニで行われます。
全英リコー女子OPはルイスが優勝、日本人最高は佐伯&比嘉の7位タイ
全英リコー女子オープンの最終日が4日最終日を迎え、ステーシー・ルイス(アメリカ)が2位に2打差のトータル8アンダーで優勝しました。ルイスは小学生の時から背骨が左右に歪んでしまう「脊柱側わん症」という病気を患っていましたが、それを見事に克服。昨年のツアーで4勝を挙げ、「プレーヤー・オブ・ザ・イヤー」にも輝いた不屈の努力人です。
史上初の同一シーズンでの「メジャーグランドスラム」に挑戦した朴仁妃(韓国)は、決勝ラウンドで合わせて6つスコアを落とすなど、トータル6オーバーの42位タイで偉業達成はなりませんでした。優勝が期待された宮里藍は予選落ち、宮里美香は11オーバーの59位、日本人最高位は佐伯三貴と比嘉真美子がそれぞれ2アンダーで7位でした。
予選ラウンド2日間が終わって、佐伯が9アンダーで2位の位置につけた時、「佐伯がひょっとしたら」と思った方もいたのではないかと思います。2日目のフロントナインでは2つのイーグルを決めるなど、何かに取りつかれたかのようにスコアをぐいぐい押し上げました。この日は大会コースレコードの66で回るなど、圧巻のゴルフを見せました。また、19歳の比嘉は重圧なんて微塵も感じていないかのようにひょうひょうとプレーし、最終日以外は全てアンダーパーでラウンドする安定感を見せました。
どのプレイヤーをも悩ませたのが、強烈な風です。大会3日目は強風の為、試合が一時中断するハプニングに見舞われるほどでした。このインターバルが決勝ラウンドの勝敗を分けたような気がします。佐伯は、決勝ラウンドでスコアを7つ落としてしまいました。「集中力が切れてしまった」と佐伯はコメントしており、どのような環境下でもいかに集中力を保つかが、日本人プレイヤーがメジャータイトルを取るために必要なことの一つであることを感じた大会でもありました。でも、確実にメジャータイトルに近づいていますね!
ウッズが7打差でV、松山は21位タイ―ブリジストンインビテーショナル
世界No.1のタイガー・ウッズ(アメリカ)はそう簡単に倒せる相手ではありませんでした。
予選ラウンドを同組で回ったウッズと松山英樹の初対決は、予選ラウンド2日間でウッズが127(-13)に対し、松山は140(0)。松山はウッズに実力の差を見せ付けられました。ウッズは予選の勢いのまま決勝でも安定した磐石のゴルフで、通算15アンダーで2位に7打差を付けて今季5勝目、同大会8度目の栄冠に輝きました。一方、松山は通算1オーバーで全英オープンを制したフィル・ミケルソン(アメリカ)と同じ21位タイで最終日を終えました。
ウッズの圧倒的な強さを見逃した方、下記画像をクリックすると予選ラウンドのダイジェスト映像がご覧いただけます。間近でウッズのスーパープレーを見た松山は、どんな気持ちでウッズのプレーを見ていたのでしょうか?
通算79勝目を挙げたウッズは、歴代最多の82勝の記録を持つサム・スニード(アメリカ、1912-2002)にあと3勝と迫りました。8日から始まる「全米プロゴルフ選手権」で大台の「80勝」に乗せることができるのか?松山と石川遼も参戦するメジャー最終戦「全米プロゴルフ選手権」から目が離せません!
世界水泳のあとは「世界陸上」が開幕!
昨日4日に世界水泳が閉幕したと思ったら、今週末10日から今度は「世界陸上モスクワ」が開幕します。世界陸上ですっかりおなじみとなった織田裕二さんがTBSでメーンキャスターを務めます。決してTBSの回し者ではありませんが(笑)、無料で「世界陸上モスクワ」をテレビ、BS、そしてインターネットライブ配信を楽しむことができそうです。
【TBS「世界陸上モスクワ」HP】http://www.tbs.co.jp/seriku/
一番の注目といえば、男子百㍍で9秒58の世界記録を持つウサイン・ボルト(ジャマイカ)でしょう。大会初日の10日に予選、11日に決勝が行われ、世界新記録の更新に期待が高まります。
ブックメーカー「888sport」は、世界陸上の男子百㍍の優勝者予想を発表し、ボルトに1.12倍のオッズを付けています(5日午後5時半現在)。また、6月のダイヤモンドリーグ第5戦で、ボルトを0.01秒差で破ったジャスティン・ガトリン(アメリカ)に2番目となる7.5倍を付けています。また、10秒01の日本歴代2位の自己ベストを持ち、日本人として初の9秒台を狙うインターハイ「三冠」の桐生祥秀のオッズは150.0倍となっています。
「世界陸上モスクワ」に出場する日本人選手や注目の競技などは、開幕直前となる次回の記事(8月8日付)から詳しく書いてみたいと思います。
暑い、熱い8月になりそうですね!!