超一流のテニスプレーヤーたちが世界中を1年間転戦し、その実力を競い合います。その1年の集大成として、その年の最強王者を決める戦い、それがNitto ATPファイナルズです。
世界中の注目が集まる2018年最後の大一番の優勝オッズをブックメーカー「10Bet」が発表していますので、その数字を参考に大会展望をご紹介していきます。
超一流選手たちによる1年間の総決算、Nitto ATPファイナルズ
ATP(男子プロテニス協会)ワールドツアーの年間最終戦となるNitto ATPファイナルズ(以下、ツアーファイナル)。イギリス・ロンドンのO2アリーナで開催される1年間の総決算となるこの大会は、1970年に日本でスタートしました。2017年からは大阪に本社を置く日東電工がスポンサーとなっており、日本にとっても縁の強い大会といえるでしょう。
ツアーファイナルでは1月から行われてきた年間レースランキングをもとに8選手が選出され、年間王者の座を競います。なお、9位~20位の選手の中にグランドスラム制覇者がいた場合は、8位の選手と交代で出場する規定となっています。
2018年度の参加者はランキング1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)を筆頭に、3位のロジャー・フェデラー(スイス)、5位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)、6位のケビン・アンダーソン(南アフリカ)、7位のマリン・チリッチ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)、8位のドミニク・ティエム(オーストリア)、9位の錦織圭(日本)、10位のジョン・イズナー(アメリカ)の8選手。
錦織は2位のラファエル・ナダル(スペイン)、イズナーはファン・マルティン・デル・ポトロ(アルゼンチン)が負傷により出場辞退したため、交代選手としての出場となりました。
2017年はディミトロフが初優勝!キャリアハイシーズンに大輪の花を添える
2017年のツアーファイナルを制したのはブルガリアの26歳、グリゴール・ディミトロフ。自身最高成績である全豪オープンベスト4やシンシナティ・マスターズでのマスターズ1000初優勝といった好成績によってはじめてのツアーファイナル出場を果たしたディミトロフが見事初優勝を達成しています。
ディミトロフはラウンドロビンで3戦全勝、準決勝でジャック・ソック、決勝でダビド・ゴフィンを相手に勝利。その結果をもって自身最高位となる世界ランキング3位にも輝きました。
年間レースランキング1位だったラファエル・ナダルは初戦のゴフィン戦後に膝の負傷により出場を辞退。
ナダルに勝利したゴフィンが準決勝でランキング2位のフェデラーも破り、決勝に進出するもディミトロフの前に屈しています。
優勝オッズはジョコビッチとフェデラーが2トップ!錦織は6番手に
【Nitto ATPファイナルズ2018優勝オッズ】
※オッズは8日午後8時現在
<10Bet 登録方法>
ブックメーカー「10Bet」により今大会の優勝候補の筆頭に挙げられたのはジョコビッチ。オッズは1.60倍となりました。
続いてフェデラーが2番手で3.25倍。この2人が優勝候補の大本命と見ていいでしょう。
3番手タイはオッズ12.00倍でアレクサンダー・ズベレフとマリン・チリッチ。5番手にアンダーソンで18.25倍、そして6番手に日本の錦織でオッズは21.00倍。錦織は初優勝に期待がかかります。
7番手はドミニク・ティエムで23.00倍、8番手はイズナーで31.00倍となっています。
怪我に苦しんだジョコビッチ、劇的な復活のシーズンを最高の締めくくりへ
ジョコビッチは長く怪我に苦しみ、今シーズンの全豪オープンで一度復帰したもののその後手術を受けることとなり、一時は世界ランキングが22位にまで下落しました。
しかしウィンブルドンで見事4度目の優勝を果たすと、8月のシンシナティ・マスターズを制して前人未到の「ゴールデン・マスターズ」(ATPマスターズ1000の9大会を通算で全制覇)を達成。
さらに全米オープンも制覇し、ランキングは急上昇。同一シーズン内で20位以下からついに世界ランキング1位にまで返り咲きました。
ツアーファイナルズは2007年の初優勝以降2012~2015年の4連覇を含め、5回制しています。復活の1年となった今シーズンを、最高の形で締めくくることができるでしょうか。
再びの頂点へ!フェデラーが自身の最多優勝記録更新を狙う
37歳となった今年も全豪オープンで見事勝利を勝ち取るなど、今なお世界の最高峰に君臨していることを示したフェデラー。圧倒的な実力と人気を持ち合わせるテニス界最高のスーパースターは今も健在です。
フェデラーは今年2月には5年3か月ぶりに世界ランキング1位の座を奪還しています。この時フェデラーは御年36歳6か月。歴代最年長記録の樹立となりました。
ツアーファイナルズに臨むにあたって、10月末から11月頭にかけて開催されたパリ・マスターズでは準々決勝で錦織にストレート勝利。初戦で対決するライバルを相手に好結果を残していることもフェデラーにとって好材料となるでしょう。
現在のツアーファイナルズ最多優勝記録はフェデラーの6回。とはいえすぐ下にはジョコビッチが5回で迫ってきています。
フェデラーが今年その記録をさらに伸ばし、確固たるものとすることができるのか、いやがおうにも期待が高まっています。
初優勝なるか!?錦織は相性のいい対戦相手の多いグループに入る
ラウンドロビンではフェデラー、アンダーソン、ティエムと同組となった錦織。フェデラーを相手には過去2勝7敗と非常に分が悪いものの、残りの2人はアンダーソンが6勝3敗、ティエムが3勝1敗と大きく勝ち越しており、準決勝進出の可能性が高い組み合わせとなりました。
今年に限ってみても10月にエルステ・バンク・オープンでティエムを、パリ・マスターズでアンダーソンをストレートで下しており、いいイメージを持ったままツアーファイナルでの対戦に臨むことができるでしょう。
2014年、2016年の準決勝進出を超える成績にも、ぜひ期待したいところです。