世界最高のベースボールの舞台が新しいシーズンを始めようとしています。2018年のメジャーリーグベースボール(以下MLB)の開幕は3月29日(日本時間30日)。1968年以来59年ぶりに全30球団が同日に開幕戦を迎えることとなりました。
多くの日本人が参戦し、さらに注目を増しているMLB。その2018年レギュラーシーズンの優勝オッズをブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」が発表していますので、その数字を参考に優勝争いの展望をしていきたいと思います。
2017年はアストロズが史上初のワールドチャンピオンに輝く
アメリカンリーグは東地区をボストン・レッドソックス、中地区をクリーブランド・インディアンス、西地区を青木宣親擁するヒューストン・アストロズが制し、ポストシーズンへと駒を進めました。ワイルドカードでは東地区2位で田中将大擁するニューヨーク・ヤンキースと中地区2位のミネソタ・ツインズが出場権を獲得しています。岩隈久志擁するシアトル・マリナーズとシーズン途中までダルビッシュ有が在籍したテキサス・レンジャーズは西地区3位に終わりました。
ナショナルリーグは東地区をワシントン・ナショナルズ、中地区を上原浩治擁するシカゴ・カブス、西地区を前田健太とシーズン途中にトレードで加入したダルビッシュ有を擁するロサンゼルス・ドジャースが制し、ポストシーズンへの進出を決めました。ワイルドカードでは西地区2位のアリゾナ・ダイアモンドバックスと同地区3位のコロラド・ロッキーズが出場権を獲得しています。イチローと田沢純一擁するマイアミ・マーリンズは東地区2位となるも、ワイルドカード獲得することはできませんでした。
激しいポストシーズンの戦いを潜り抜けて、2017年のワールドシリーズに到達したのはヒューストン・アストロズとロサンゼルス・ドジャース。ともにレギュラーシーズンで100勝以上を挙げる圧倒ぶりを見せた両チーム。100勝以上同士のワールドシリーズは実に47年ぶりとなりました。
世界一の座を手にしたのはアストロズ。球団創設56年目にして悲願の初優勝を成し遂げています。前田健太は中継ぎとして4試合に登板して3失点に抑える活躍。ダルビッシュ有は2試合に登板して2敗を喫するなど、期待外れの結果となってしまいました。
2018年MLBを戦う日本人選手
2018年のメジャーリーガーで一番注目なのはやはりイチロー。6年ぶりに古巣シアトル・マリナーズに復帰し、新たなシーズンを戦います。ディポト・ゼネラルマネジャーが早速開幕戦での先発起用を明言するなど、シアトルの街が期待に大きく沸き立ちました。
続いて大きなニュースとなっているのは大谷翔平のロサンゼルス・エンゼルスへの移籍。まだ適応に戸惑っている姿を見せ、オープン戦での苦戦が伝えられています。大谷同様今年メジャーに挑戦するのはサンディエゴ・パドレスの牧田和久とアリゾナ・ダイアモンドバックスの平野佳寿の2人。中継ぎ、クローザーとしての起用が見込まれています。
ダルビッシュ有はドジャースをFAとなり、シカゴ・カブスに入団。6年総額1億2600万ドル(約137億円)の超大型契約を結びました。1億ドル越えの契約はカブスにとって史上4人目。大きな期待が見て取れます。その他、前田健太、田中将大、岩隈久志、田沢純一はそれぞれの球団に残留。ワールドチャンピオンに向けて、今年も活躍が期待されます。
各地区の優勝オッズ
【2018年MLBナショナルリーグ西地区優勝オッズ】
※オッズは19日午前10時現在
ブックメーカー「ウィリアムヒル」が発表した地区別優勝オッズによると、ナリーグ西地区で最高オッズとなったのは昨年度王者のドジャース。オッズは1.57倍となりました。続いて昨年度2位で平野佳寿擁するダイアモンドバックスと同最下位だったサンフランシスコ・ジャイアンツが6.00倍となっています。牧田和久のパドレスは最下位の26.00倍となりました。
【2018年MLBナショナルリーグ中地区優勝オッズ】
※オッズは19日午前10時現在
ナリーグ中地区で最高オッズとなったのはダルビッシュ有を擁する昨年度王者でワールドシリーズファイナリストのカブス。オッズは1.53倍となりました。2番手は昨年度地区2位のミルウォーキー・ブルワーズで5.00倍、3番手は同3位のセントルイス・カージナルスで5.50倍となっています。
【2018年MLBナショナルリーグ東地区優勝オッズ】
※オッズは19日午前10時現在
ナリーグ東地区で最高オッズとなったのは昨年度王者のナショナルズ。オッズは1.53倍となりました。2番手は3.50倍でニューヨーク・メッツが続いています。田沢純一擁するマーリンズは101.00倍で最下位となりました。
【2018年MLBアメリカンリーグ西地区優勝オッズ】
※オッズは19日午前10時現在
アリーグ西地区で最高オッズとなったのは昨年度ワールドチャンピオンのアストロズ。オッズは1.50倍となりました。2番手に大谷翔平擁するエンゼルスで5.50倍、3番手にイチローと岩隈久志擁するマリナーズが8.00倍で続いています。
【2018年MLBアメリカンリーグ中地区優勝オッズ】
※オッズは19日午前10時現在
アリーグ中地区で最高オッズとなったのは昨年度王者のインディアンス。オッズは1.20倍となりました。2番手に7.00倍で昨年度2位のミネソタ・ツインズ、3番手に15.00倍で同3位のカンザスシティ・ロイヤルズが続いています。
【2018年MLBアメリカンリーグ東地区優勝オッズ】
※オッズは19日午前10時現在
アリーグ東地区で最高オッズとなったのは昨年度地区2位で田中将大擁するヤンキース。オッズは1.73倍となりました。2番手に昨年度王者のボストン・レッドソックスで3.25倍、3番手に同4位のトロント・ブルージェイズで8.00倍と続いています。
MLB2018優勝オッズ
【2018年MLBワールドシリーズ優勝オッズ】
※オッズは19日午前10時現在
「ウィリアムヒル」が発表した2018年のワールドシリーズ優勝争いで最高のオッズが付いたのは昨年度覇者のアストロズ。オッズは6.50倍となりました。続いてヤンキースとドジャースが7.00倍で2番手につけています。4番手はインディアンスで8.00倍、5番手はカブスで10.00倍、6番手はナショナルズで11.00倍となりました。
連覇への鍵は日本でも活躍したあの選手か
昨シーズン悲願のワールドシリーズ制覇を成し遂げたアストロズ。連覇を狙う今年は昨年度アリーグMVPのホセ・アルトゥーベとの契約を5年延長するなど、リーグ屈指の戦力の意地に成功しています。気になるのは1塁手として不動の地位を築いたユリエスキ・グリエルの状態。横浜DeNAベイスターズでも活躍したこのキューバ人は2月に左手の手術を受け、復帰に向けたトレーニングを行っています。グリエルはシーズン序盤を欠場すると見られており、その穴を塞ぎ切れるかどうかがアストロズの序盤の戦いを左右することになりそうです。
ヤンキースは最強打線で巻き返しを目指す
昨シーズンはポストシーズンになんとか進出はしたものの、パッとしない1年を送ったヤンキース。今年はマーリンズから昨年度ナリーグMVPのジャンカルロ・スタントンを獲得し、リーグ屈指の破壊力を持つ打線を完成させました。MLB公式サイトでも2018年にもっとも勝ち点を伸ばすチームになると予想されたヤンキースはその球界の盟主たる地位を取り戻すことができるでしょうか。4年連続開幕投手となることが濃厚なエース田中将大の活躍にも注目したいところです。
ドジャース、30年ぶりの世界制覇なるか
昨シーズンはあと少しのところで1988年以来となるワールドシリーズ制覇を逃したドジャース。今シーズンの目標はもちろんその忘れ物を今度こそ奪い取ることとなるでしょう。先発に中継ぎに、八面六臂の活躍をした前田健太は今年も大きな戦力となるはずです。世界的大都市ロサンゼルスを本拠地に持ち、2014年以降メジャーリーグ最高の年棒総額を支払いながらも1988年以降手が届かない世界一の座に、今年こそ30年ぶりに到達することができるでしょうか。