福岡ソフトバンクホークスと広島東洋カープ。リーグを強力に牽引し続けている両雄ですが、これまで日本シリーズでの対戦は実現していませんでした。
2018年、ついに近年最高の実績を持つチーム同士が直接対決を迎えます。
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2018年の日本シリーズは10月25日のドラフト会議が終了する2日後の10月27日(土)に開幕。2試合を広島のホームであるマツダスタジアムで行ったあと、3試合をソフトバンクのホームであるヤフオクドームで開催。そして再びマツダスタジアムで2試合を行い、最大7試合で今年のチャンピオンが決定します。
日本中が注目する戦いの行方をブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」が発表していますので、その数字を参考に今大会の展望をご紹介していきます。
セリーグは前年の雪辱を果たした広島が制覇!2年ぶりの日本シリーズに臨む
2018年、セントラルリーグのクライマックスシリーズ(以下、CS)に進出したのは首位の広島東洋カープ(以下、広島)、2位の東京ヤクルトスワローズ(以下、ヤクルト)、3位の読売ジャイアンツ(以下、巨人)の3チーム。
広島はリーグ戦を序盤から独走を続け、見事球団史上初となる3連覇を果たしました。2位となったヤクルトは、昨年度は96敗という歴史的な低調に終わりましたが、今年度は逆襲に成功。優勝した2015年以来となるAクラス入りを決めています。
髙橋由伸監督体制最終年となった巨人は、浮き沈みの激しいシーズンを送りましたが、高橋監督の解任が決定して以降ブーストがかかり、ぎりぎりで横浜DeNAベイスターズ(以下横浜)を差し切り、Aクラスに滑り込みました。
CSでは3位・巨人がビジターの神宮球場で2連勝を飾り、下克上を達成。首位・広島の待つマツダスタジアムに乗り込みました。
しかし王者は強かった。3試合で3得点しか取れず、3タテで久しぶりの日本シリーズ出場を逃しています。
広島はこれで昨シーズン、リーグ優勝しながらも横浜に敗れて日本シリーズ出場を逃した雪辱を果たしたといっていいでしょう。
パリーグはソフトバンクが下克上!2年連続でCS出場を決める
パリーグのCSに出場したのは首位の埼玉西武ライオンズ(以下、西武)、2位の福岡ソフトバンクホークス(以下、ソフトバンク)、北海道日本ハムファイターズ(以下、日ハム)の3チーム。
“山賊打線”の異名を取った爆発的な攻撃力で2008年以来10年ぶりとなる優勝を勝ち取った西武を、昨年度日本一のソフトバンク、一昨年度日本一の日ハムが追う形となりました。
CSではまずソフトバンクが日ハムを相手に2勝1敗で勝抜け。2年連続出場に向け駒を一歩進めました。
そしてそのままの勢いで王者西武も5勝1敗と一蹴し、見事CS制覇。リーグ戦では後れを取ったものの、短期決戦での強さを見せつけています。
横浜が最後まで食らいつくも貫録のソフトバンクが日本一を達成
2017年の日本シリーズに駒を進めたのは、セリーグの横浜とパリーグのソフトバンク。
横浜にとっては1998年に史上2回目の優勝を果たして以来となる悲願の日本シリーズとなりました。
シリーズ序盤を制したのはソフトバンク。福岡での2連戦、そして横浜での第3戦を連取し、一気に優勝へ王手をかける展開に。
このままなすすべもなく横浜が敗れ去ると多くのファンが嘆きましたが、第4戦にドラフト1位ルーキー濱口遥大が8回1死までノーヒットノーランという快投を見せると打線も奮起し、6-0で見事勝利。続く第5戦も筒香嘉智の打棒が光り、5-4で連勝。
そして運命の第6戦、序盤からリードを続け、勝利してついにタイに持ち込めるかと思った1点差の9回裏、ドラマが待っていました。
かつて横浜でヒットを量産し、暗黒時代の数少ない救いの1つとしてファンから絶大な支持を受けていながらもチームの腐敗ぶりを嫌ってソフトバンクにFA移籍した内川聖一がここで同点ソロホームランを守護神山崎康晃から放ち、試合を振り出しに。
そして延長11回、川島慶三の右前への打球を、肩を痛めていた梶谷隆幸が正確にバックホームすることができず、勝負あり。横浜は9回以降来日初となる3イニング連投を行ったサファテの前に完全に沈黙し、98年の再現とはなりませんでした。
優勝オッズは昨年度王者ソフトバンクに軍配!僅差で広島が追いかける
【プロ野球2018日本シリーズ優勝オッズ】
※オッズは26日午前7時現在
<ウィリアムヒル 登録方法>
ブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」による日本シリーズ優勝オッズで、有利との見立てが示されたのはソフトバンク。オッズは1.83倍となりました。
昨シーズンの日本シリーズでも猛追するDeNAを相手に底力を見せており、短期決戦での強さは間違いなくリーグトップ。そこが高く評価されたのでしょう。
一方、広島のオッズは2.00倍。安定した強さでは広島に軍配が上がるでしょう。今シーズンの交流戦では2勝4敗と負け越していますが、唯一のホームゲームとなった3月25日にはしっかりと勝利。ホームで確実に勝利を拾うことが鍵となりそうです。
夢の舞台に立つ日本の主砲がソフトバンクを頂点へと押し上げる
レギュラーシーズンこそ西武に後れを取ったものの、クライマックスシリーズで見事逆転に成功したソフトバンク。広島との対戦となった今年の日本シリーズを誰よりも喜んでいるのは、ソフトバンクを代表する日本の主砲・柳田悠岐でしょう。
広島市出身で高校・大学も広島。オフには真っ赤な衣装に広島の帽子でゴルフ大会に参加するなど、自他ともに認める大の広島ファンです。
かねてより自身の夢は日本シリーズで広島と対戦し、両親をマツダスタジアムに招待することだと公言しており、ついにその夢がかなうこととなりました。
夢の舞台に立つことになった柳田は、自身がチームを優勝に導く姿を両親に見せることができるでしょうか。
リーグ最強打者丸が広島を1984年以来の優勝へ導く
広島が現在抱える大きな懸念の一つは攻守に絶大な貢献をしている丸佳浩の去就でしょう。
広島が現在の地位を築くに至るに丸の存在が及ぼした影響は計り知れません。チームとしてもなんとしても引き止めたいところです。
今シーズンの丸は打率.306に加え、本塁打2位の39本、打点4位の97、四球は2位に24も差をつける130、出塁率も2位に3分差の.468でOPSもリーグトップの1.096と最高の働きを見せました。
丸がその調子を維持することができれば、ソフトバンクといえども抑えることは至難の業でしょう。
黄金期を迎えている広島はソフトバンクを破り、丸とともに歩む更なる未来への祝砲となるでしょうか。