いよいよ4月25日(現地時間)に第93回アカデミー賞の授賞式が開催されます。毎年世界中から注目を集める映画賞ですので映画関係者が喉から手が出るほど欲しい賞でありますが、今年はどの作品やその人が受賞されるのでしょうか。
アカデミー賞の授賞式は例年2月(または3月)に開催され、毎年11月に予備選考されますが今年の開催形式は例年とは変わり、例年より約2ヶ月遅れの開催となります。従来の米ロサンゼルスのドルビー・シアターでの開催というだけでなくそれに加えて、ロサンゼルスのダウンタウンにあるユニオン駅が会場として使われます。人の殺到を避けるために詳細は公開されていません。
また、アカデミー賞授賞式に向けて従来であれば試写会や昼食会などのイベントが行われるが、今年の参加型イベントはすべて中止とだそうです。一般人には縁のない話ではありますが世界トップクラスの映画祭がこうも様式が変わるのは寂しいですが、近い将来落ち着いた時には盛大な映画祭が戻ってくることを願うばかりです。
さて、アカデミー賞の受賞を予想するオッズは「ウィリアムヒル」を見ながらご紹介したいと思います。
アカデミー賞の有力作品はノマドランド
アカデミー賞はもちろん有名ですが、賞金はいくらかな?と思う方もいるかもしれませんが、賞金はありません。意外と知らない方も多いですが、本当に名誉ある賞ですが名誉のみの賞と言えます。しかしながらアカデミー賞受賞されると話題だけでなくやはり注目もされる上、それからの人生は大きく変わることでしょう。昨年は「パラサイト 半地下の家族」が受賞し、韓国だけでなく日本でも話題を呼びました。作品賞・監督賞・脚本賞・国際長編映画賞の4冠を勝ち取る偉業を成し遂げました。英語圏ではない作品が作品賞を受賞したのは初であり、世界的にも盛り上がり、日本でも近くの国の韓国の作品が受賞したことは嬉しくもありいつか日本の作品も取れるはずと希望を持てるきっかけとなりました。
今年の作品賞でノミネートされた作品の中でも最有力と言われているのは一択で「ノマドランド」です。ジェシカ・ブルーダーのノンフィクション小説を原作にし、2008年のリーマン・ショックの金融危機を舞台とし「ノマド(遊牧民)」と呼ばれる車上生活者の生きざまを描いたロードムービーです。ノマドという言葉日本の中でも「ノマドライフ」というオフィスを持たず、旅行をしながら仕事をするスタイルが流行り華やかなイメージと共に認知されてきた言葉ではありますが、現代のコロナによる経済危機とリーマン・ショックによる金融危機とリンクするところがどこかあり胸を打つところがあります。オッズについては1.17倍と群を抜いての高い支持となっています。
2番目に高い支持を受けているのは「シカゴ7裁判」で7.00倍。こちらの作品もベトナム戦争時代の実話を基にした作品でNetflix作品です。1968年に行われた抗議デモで首謀者とされた7人の男たちが、陪審員の買収などの妨害にもめげず裁判で徹底的に戦うという内容となっています。この数年でサブスクリプションの扱いと意識が大きく変わりました。Netflix作品も大きく注目されていますし、作品自体にかけられる予算も驚く額ですので内容としても豪華なものばかりです。
1桁台のオッズはこの2作品となりこの2択といっても過言でもありません。
【アカデミー賞作品賞オッズ】
※オッズは17日午後12時現在
監督賞は「ノマドランド」のクロエ・ジャオ
アカデミー賞の部門について参りたいと思います。アカデミー賞の部門についてですがいくつあるかご存知でしょうか。実は24作品もあり、こちらも意外と知られていませんがたくさんあります。部門は主に作品とキャストとスタッフの3つに分かれています。
以下がアカデミー賞部門です。
作品賞
監督賞
主演男優賞
主演女優賞
助演男優賞
助演女優賞
脚本賞
脚色賞
国際長編映画賞
長編アニメーション賞
撮影賞
編集賞
美術賞
衣装デザイン賞
メーキャップ&ヘアスタイリング賞
オリジナル作曲賞
オリジナル歌曲賞
録音賞
音響編集賞
視覚効果賞
長編ドキュメンタリー映画賞
短編ドキュメンタリー映画賞
短編実写映画賞
短編アニメーション映画賞
中でも上位6つの作品賞・監督賞・主演男優賞・主演女優賞・助演男優賞・助演女優賞は主要6部門とされています。
作品賞は先述に紹介した通りですが、監督賞はその名のごとく最も優れた映画監督にあたえられる賞となります。監督賞の最有力候補はクロエ・ジャオ監督です。彼女は「ノマドランド」のメガホンを執りました。彼女が受賞すれば史上初のアジア系の女性監督となります。それだけで注目されているわけでなく前作の2017年の「ザ・ライダー」でも高く評価され彗星のごとく現れたというわけではありません。前作の「ザ・ライダー」はバラクオバマ元アメリカ大統領のお気に入り映画ともされ実力としても確固たるものであります。『ザ・ライダー』の高い評価は今回のノミネートのステップであることは間違いないでしょう。注目のオッズは1.05倍です。2番目の支持ですでに2桁ですので獲得間違いなしというくらいの支持です。
次には「Mank/マンク」の指揮を執ったデヴィッド・フィンチャーで10.00倍です。「市民ケーン」の脚本家、ハーマン・J・マンキウィッツを主人公にした人間ドラマです。アルコール依存症に苦しんだ「マンク」と呼ばれた脚本家の物語です。デヴィッド・フィンチャーは“ハリウッドきってのパンク系映画作家”と言われ、話題作、野心作、過激作を生み出し続けて来ました。彼にまつわる逸話は数え切れないほどありますが、そこは置いておいてアメリカ映画の歴史の中でも一際まばゆい光を放っています。
【アカデミー賞監督賞オッズ】
※オッズは17日午後12時現在
主演男優賞は、盤石のチャドウィック・ボーズマン
1番にはNetflix作品の「マ・レイニーのブラックボトム」主演チャドウィック・ボーズマンで1.06倍の高い支持です。チャドウィック・ボーズマンはMarvel作品の「ブラックパンサー」でもハマり役でありますが、つい先日43歳の若さでこの世を去り、世界中が衝撃を走りました。彼が最後まで闘病を公表せず俳優の中の俳優でした。今回受賞すれば死後での受賞となり、また今後彼の新作というのが見れないとなると残念ではあります。
次に「ファーザー」のアンソニー・ホプキンスです。日本でも過去に恐怖を呼んだ「羊たちの沈黙」以来のノミネートです。私自身も幼いながら震えるほど恐ろしいという記憶は残っています。オッズについては8.00倍でチャドウィック・ボーズマンの1.06倍に離れてはいますが希望をもてるオッズでしょう。
【アカデミー賞主演男優賞オッズ】
※オッズは17日午後12時現在
華麗なるキャリー・マリガンが主演女優賞か
フォーカス・フィーチャーズ製作の話題作「プロミシング・ヤング・ウーマン」のキャリー・マリガンが最有力とされていて、2.37倍です。かつて将来を嘱望された医学部の生徒だった主人公キャシーが、ある過去の出来事によって、明るい未来が奪われ、今はコーヒーショップで働くごく平凡な生活を送っていますが彼女はある思いを内に秘め、夜の街に繰り出していくという転機のストーリー。そんな難しい主人公を魅了的に演じきったキャリー・マリガンを高く評価されています。
「マ・レイニーのブラックボトム」のヴィオラ・デイヴィスは僅差の2.75倍です。オスカー女優であるヴィオラ・デイヴィスの実力は保証付でありますし、再び受賞するかどうかも注目ポイントです。