ヨーロッパで開催される3大ツールの初戦『ジロ・デ・イタリア』が5月6日にいよいよ開催されます。真夏のツール・ド・フランス、晩夏のブエルタ・ア・エスパーニャに先駆けて5月のイタリアで3週間をかけて自転車で駆け巡るコルサ・ローザ(ばら色のレース)ことジロ・デ・イタリアは、最も美しく、最も過酷な大会と言われています。初夏の鮮やかな景色の中、悠久の歴史を感じる旧市街を駆け抜け、頂上には未だ積雪の残る標高2000m級の山々を目指します。出場予定選手も錚々たるメンバーが揃う中、全21ステージ通算3489.2kmもの距離を制し、黄金に輝く螺旋の形状から終わりのないトロフィーとも呼ばれる「トロフェオ・センサ・フィーネ」にその名を刻むのは果たしてどの選手でしょうか?
ジロ・デ・イタリアの展望は「bet365」でご覧頂きながらご紹介に移りたいと思います。
優勝候補最有力はレムコ・エヴァネプール!
イタリアの中部のアブルッツォ地方で開幕する今大会には、UCIワールドチーム18チームと、UCIプロチーム4チームの合計22チームが参加します。1チーム8人編成、176名の選手がスタートする予定です。昨年総合優勝したオーストラリアのジャイ・ヒンドリーは、7月のツール・ド・フランスに照準を合わせ今大会は欠場が決まっています。昨年の覇者不在の中、優勝候補最有力にあがるのがベルギーのレムコ・エヴァネプールで予想オッズは1.72倍です。昨年のブエルタ・ア・エスパーニャ総合優勝の勢いそのままに、世界選手権自転車競技大会にて男子ロードレース優勝を果たし世界チャンピオンの座を掴みました。5月のイタリアでも破竹の勢いで栄冠を手にすることはできるでしょうか?
そんなエヴァネプールの強敵となるのはスロベニアのプリモシュ・ログリッチで、2019年に同大会総合3位に入賞しています。昨年はパリ〜ニース総合優勝、クリテリウム・デュ・ドーフィネ総合優勝と好成績を残すも、2つのグランツールで落車した影響からついた脱臼癖を治すため、長い療養期間を過ごすこととなりました。万全の状態まで回復できるのか懸念されるところですが、その実力への期待値は高く予想オッズは3.00倍です。実力者であっても完走できるとは限らない今レース、栄誉ある「マリア・ローザ」を目指して凌ぎを削る熱い戦いに注目が集まります。
【ジロ・デ・イタリア2023 優勝予想オッズ】
※オッズは2日午後2時現在
若手台頭の中ベテラン勢の躍進はあるのか?
3番人気はゲラント・トーマスで10.00倍です。2018年にクリテリウム・デュ・ドーフィネ、ツール・ド・フランス総合優勝を果たし、昨年もツール総合3位という結果を残しています。ロードレース界全体が大きく若返ろうとしている中、36歳のベテランは5度目のジロ・デ・イタリアでどのような走りを見せるのでしょうか?
2020年の覇者であるテイオ・ゲイガン・ハートの予想オッズは13.00倍、同年総合4位のジョアン・アルメイダが15.00倍と強豪ひしめくなか、ワールドチームに残り続ける唯一の日本人である新城幸也も参戦します。同大会の2010年、14年、20年、21年に完走、2010年の第5ステージでは3位、フーガ賞(逃げ賞)を獲得しています。残念ながら予想オッズには入っていませんが、その活躍に期待したいです。
5月6日から28日までの3週間にも及ぶ、長く険しい過酷なロードレース「ジロ・デ・イタリア」で総合優勝を果たし、総合覇者に与えられるマリア・ローザを身にまとうのは誰か?