「春のセンバツ」こと第95回記念選抜高等学校野球大会が3月18日から14日間(雨天順延、準々決勝・準決勝翌日の休養日を含む)にわたって阪神甲子園球場で開催されます。今大会は5年に1度の記念大会のため、平年より4校多い36校が出場します。今年からコロナ対策が緩和され、観客上限なし、ブラスバンド人数制限なし、声出し応援解禁(マスク着用が条件)となりました。これで2019年の夏以来、3年ぶりに高校野球の聖地にも歓声が戻ってきます。18日の開幕式では、当たりくじを引いた高松商業(香川)の横井主将が選手宣誓を務めます。先日10日に組み合わせ抽選会が行われ、前回大会の覇者である大阪桐蔭(大阪)は20日に敦賀気比(福井)と対戦、夏の甲子園で初優勝を果たした仙台育英は21日に慶応(神奈川)との対戦が決まりました。
出場校は以下36校です。
クラーク国際(北海道)
仙台育英(宮城)
東北(宮城)
能代松陽(秋田)
山梨学院(山梨)
専大松戸(千葉)
高崎健康福祉大高崎(群馬)
慶応(神奈川)
作新学院(栃木)
東海大菅生(東京)
二松学舎大付(東京)
東邦(愛知)
常葉大菊川(静岡)
大垣日大(岐阜)
北陸(福井)
敦賀気比(福井)
大阪桐蔭(大阪)
報徳学園(兵庫)
智弁和歌山(和歌山)
龍谷大平安(京都)
履正社(大阪)
彦根総合(滋賀)
社(兵庫)
広陵(広島)
光(山口)
鳥取城北(鳥取)
英明(香川)
高松商(香川)
高知(高知)
沖縄尚学(沖縄)
長崎日大(長崎)
海星(長崎)
大分商(大分)
氷見(富山)
城東(徳島)
石橋(栃木)
春の選抜高校野球の展望は「ベットチャンネル」でご覧頂きながらご紹介に移りたいと思います。
優勝候補は大阪桐蔭か仙台育英か?
昨年秋の明治神宮大会を優勝し同大会2連覇を果たした大阪桐蔭高校は、春の選抜高校野球でも優勝候補の筆頭です。オッズは2.37倍と優勝最有力の予想です。前チームから野手は総入れ替えとなりましたが、前田悠俉選手が新キャプテンとして率いる現在のチームも強さは変わらず、決勝、準決勝共に逆転勝ちするなどチャンスを引き寄せる力があります。そんなキャプテン前田選手は「世代No.1左腕」の呼び声高く、1年時からエース級の活躍を見せていました。また、2番手には最速145キロを投げる右腕・南恒誠選手や、1年生ながら最速146キロを投げる南陽人選手など140キロ越えの力強いストレートを投げるポテンシャルの高い投手陣が揃っています。
総入れ替えとなった野手陣も、強打の捕手の南川幸輝選手や身長182cmの大型ショート・小川大地選手、明治神宮大会では5割越えを記録した山田太成選手など心強いメンバーです。智弁和歌山で4番を打っていた徳丸天晴選手の弟である徳丸快晴選手ら1年生にも将来性豊かな選手が揃います。昨季は新チームを結成したばかりで攻守にわたりミスも多くありましたが、新戦力の底力に期待が集まります。
そして優勝争いの対抗馬となる仙台育英は、2022年夏の甲子園で東北勢初の優勝を果たす快挙を成し遂げました。夏からの連覇に期待がかかりますが、明治神宮大会では敗戦を喫し各選手リベンジに燃えています。エースの高橋煌稀選手は夏の甲子園で背番号11ながらも胴上げ投手になるなど経験豊富で、そこからさらに下半身強化に励み、安定感が増しています。控えの右腕・湯田統真選手、左腕の仁田陽翔選手、更に新チームから登板している田中優飛選手ら140キロを超える投手陣は他校を圧巻するパワーがあります。投手陣とともにキャッチャーの尾形選手、ショート山田選手、センター橋本選手など野球で重要なセンターラインが去年の夏を経験しているので守備面でも安定感があります。その他にも甲子園優勝メンバーが今大会8名出場することも強みとなるのではないでしょうか。予想オッズは3.90倍と大阪桐蔭よりやや劣勢の予想です。
選手以外で注目を集めるのが、夏の甲子園で東北勢初優勝を飾った直後のインタビューで「青春って、すごく密なので」という名言を残した須江監督です。春の大会でも名言が出るのか注目したいところです。
【第95回選抜高等学校野球大会 優勝予想オッズ】
※オッズは15日午後9時現在
打倒・大阪桐蔭に燃える広陵高校!
秋の明治神宮大会では2年連続大阪桐蔭に敗退し準優勝だった広陵高校も雪辱を晴らすべく闘志を燃やします。予想オッズは8.00倍と3番手の予想ですが、なんといっても今大会注目はエースの左腕・倉重聡選手です。最速は139キロとやや心許ないですが、183cmの長身から繰り出すボールは角度がつくため打ちづらく、さらに大きなカーブとチェンジアップで緩急をつけられるピッチングが魅力です。控えには昨年1年生ながらにエース番号を背負った最速145キロの右腕・高尾響選手もいます。
既に左右に力のある投手が揃っていますが、チーム内の競争は激しく、横山倖選手や行武幸晟選手、センバツのマウンドを経験している岡山勇斗選手らが控えています。野手陣も1年生の時から4番を打っている真鍋慧選手を中心に打力に加えて足も使える選手が多く攻撃に隙がありません。スーパー1年生キャッチャーの只石貫太選手にも注目です。かつては「春の広陵」と呼ばれた実力校の真価を発揮できるでしょうか?
WBC開幕で連日野球熱が高まっていますが、高校球児達による春のセンバツも見逃せません。条件付きではあるもののコロナ禍に入ってから初の規制緩和となるこの春、聖地甲子園でどのようなドラマが生まれるでしょうか。