夏巡業が終わり、いよいよ九月場所が9月10日に初日を迎えます。両国国技館で行われる九月場所を制するのは、前場所、前々場所に続いて最強横綱・白鵬となるのでしょうか。それとも横綱・日馬富士やその他大関勢が彼の三連覇を阻むのでしょうか。思わぬ伏兵が登場し、新たな時代の幕開けを告げるかもしれません。
2017年大相撲九月場所概要
両国国技館で開催される九月場所。2017年度は9月10日(日)から9月24日(日)の日程で行われます。稀勢の里の日本人横綱フィーバーから続く相撲ブームは今も衰えることなく、すでに前売り券は全日程で完売。わずかに販売される当日券のみが残っている状況です。残念ながら横綱・稀勢の里と同じく横綱・鶴竜はけがの影響で休場を発表しています。
七月場所はまさに白鵬の独り舞台
愛知県で行われた2017年七月場所を制したのは横綱・白鵬。14勝1敗の成績を残し、五月場所に続いて連覇を果たしました。13日目には大関・魁皇が持っていた歴代最多1047勝を更新する1048勝目を記録。また、優勝回数も自身の持つ最多記録を更新する39回目となり、史上最強力士の1人と呼ぶにふさわしい成績をさらに高め続けています。
横綱・稀勢の里と鶴竜はけがの影響でそろって途中欠場。日馬富士は序盤の連敗が響き、11勝4敗にとなりました。大関も照ノ富士が欠場、高安が9勝6敗、豪栄道が7勝8敗と芳しくない成績となっています。
三賞は13勝を挙げた前頭8枚目の碧山が敢闘賞、初日に稀勢の里を破った御嶽海が殊勲賞を受賞しています(技能賞は該当者なし)。
昨年の九月場所は大関・豪栄道が制す
横綱・白鵬が足のけがの影響で全休を発表し、優勝争いが分からなくなった昨年九月場所では、番大関の豪栄道が見事15戦全勝を成し遂げて優勝を果たしました。日本人力士による全勝優勝は1996年9月場所の貴乃花以来20年ぶりの快挙となります。
当時綱取りが期待されていた稀勢の里は10勝5敗に終わり、再び横綱昇進に失敗することとなりました。三賞は隠岐の海が殊勲賞、高安が敢闘賞、遠藤が技能賞に輝いています。技能賞の遠藤は13勝を挙げ、優勝次点ともなっています。
2人の横綱が休場を発表。大穴が来る可能性も
九月場所を間近に迎え、4人の横綱がみな怪我と格闘している現状が明らかとなりました。前場所欠場した稀勢の里はその後も治療と調整を続けていましたが、3日の稽古を休むなど、本調子とは程遠い状態です。鶴竜に至っては稽古すらまともにできず、引退の2文字までちらつくほど。そろって今場所を初日から休場することとなりました。
白鵬も左ひざのけがの影響で思うように稽古ができていません。1日の稽古総見に横綱として唯一参加した日馬富士も左ひじに負傷を抱えています。
大関勢もよい結果を残せていないことから、前場所で白鵬に次ぐ13勝と結果を残した碧山のような力士が平幕優勝を成し遂げる可能性も大いにあるといえるでしょう。大穴狙いの大チャンスかもしれません。
大相撲九月場所幕内優勝オッズ
【大相撲九月場所優勝オッズ】
※オッズは9日午後7時現在(同時刻更新)
<大相撲九月場所2017最新オッズ情報(Marathonbet発表)>
大相撲のオッズを発表することで有名なイギリスのブックメーカー「Marathonbet」(マラソンベット)。大相撲九月場所のオッズについては、現在のところ(9月8日午前8時現在)まだ発表されていないので、発表され次第更新します(※9月9日午後7時更新しました)。
三連覇がかかるも、けがを抱える白鵬
前場所には見事2連覇を達成した白鵬。しかし、左ひざのけがを押しての出場だったためにその状態はさらに悪化。今場所の出場が大きく危ぶまれています。稽古をすると痛みが発することから恒例の出稽古も行わず、稽古総見も欠場しました。出場に対しては「心と体と相談してから」決めると、多少弱気になっている様子もうかがえます。
前場所では歴代最多勝利を達成し一つの区切りを迎えたため、モチベーションの維持にも一苦労かもしれません。しかし、横綱2人が休場を発表した今場所、白鵬までいないとなると盛り上がりに大きく欠けてしまいます。なんとかその実力を今場所も土俵で発揮することができるでしょうか。
優勝へ、日馬富士に機会到来か
2017年は怪我が多く、場所ごとに欠場が取り沙汰されながらも強行出場を続けてきた日馬富士。前場所もけがの影響で立ち合い負けして押される相撲が多かったとの指摘を受けています。
それでも、稀勢の里と鶴竜の両横綱が不在とあっては、白鵬を孤独な横綱としないためにも彼の存在は重要です。前場所もけがの影響はありながらも11勝4敗の成績を残しました。その後の回復具合では十分優勝戦線に絡む活躍ができるはずです。
横綱として唯一参加した稽古総見では関脇の御嶽海や平幕の松鳳山などを相手に9戦負けなしと調子の良さをアピール。昨年七月場所以来の優勝へ好スタートを切ったといえるでしょう。ライバルが不調に陥っている今は優勝の大きなチャンスのはず。相撲界を盛り上げる活躍に期待したいところです。
稀勢の里は休場が決定
五月場所と七月場所の途中欠場に続き、今場所の窮状を発表した稀勢の里。一月場所で優勝を飾って横綱に昇進、横綱として初めて臨んだ三月場所では13勝2敗の成績を残し、照ノ富士との優勝決定戦の末見事2連覇を果たしました。しかしそこで無理をしすぎた結果けがを悪化させ、3場所連続での休場の憂き目にあっています。
4日には一門の関取衆が集まった連合稽古に参加し、13番相撲を取りましたが相手にしたのは幕下の力士のみ。幕内との対戦を回避したことを見てもまだまだ本調子ではないようです。
久しぶりの日本人横綱として、日本中の期待を一身に集める稀勢の里。満員御礼となることが確実な観衆の一番の目当ても彼のはずでした。ぜひとも次の場所ではその力強い姿を土俵に見せてほしいものです。