いよいよ、今年も残りあと1か月。しかしここからこそが日本競馬界において最も熱い1か月といっても過言ではありません。そんな中、中京競馬場で開催されるのがフェブラリーステークスに並ぶダートナンバーワン決定戦、チャンピオンズカップ(G1、1800㍍・ダート)です。
近代のダート王、ホッコータルマエの引退後は大混戦のダート路線。そのことを示すかのように昨年チャンピオンズカップを勝利したのは6番人気のサウンドトゥルー。更に2015年は12番人気のサンビスタが勝利するなど、国内屈指の「荒れるG1レース」となっています。
【チャンピオンズカップ2016(勝ち馬:サウンドトゥルー)】
そして迎える今年、ここまで主要ダートG1レースは中央、地方合わせて7レースが行われましたが、その中で1番人気馬が勝利したのは僅かに1レースのみ。この事実からも、やはりチャンピオンズカップがかなりの混戦になることが予想されます。
【チャンピオンズカップ2017枠順】※1日午前9時更新
1-1 コパノリッキー(牡7、田辺裕信・村山明)
1-2 ケイティブレイブ(牡4、福永祐一・目野哲也)
2-3 ミツバ(牡5、松山弘平・加用正)
2-4 ノンコノユメ(セ5、C.デムーロ・加藤征弘)
3-5 メイショウスミトモ(牡6、吉田隼人・南井克巳)
3-6 モルトベーネ(牡5、秋山真一郎・松永昌博)
4-7 ロンドンタウン(牡4、岩田康誠・牧田和弥)
4-8 グレンツェント(牡4、H.ボウマン・加藤征弘)
5-9 ゴールドドリーム(牡4、R.ムーア・平田修)
5-10 キングズガード(牡6、藤岡康太・寺島良)
6-11 アウォーディー(牡7、武豊・松永幹夫)
6-12 カフジテイク(牡5、C.ルメール・湯窪幸雄)
7-13 テイエムジンソク(牡5、古川吉洋・木原一良)
7-14 サウンドトゥルー(セ7、大野拓弥・高木登)
8-15 アポロケンタッキー(牡5、内田博幸・山内研二)
8-16 ローズプリンスダム(牡3、戸崎圭太・畠山吉宏)
特に今年は『実績馬VS新興勢力』の構図が目を引くチャンピオンズカップ。両陣営の注目馬をご紹介する前に、まずは「bet365」が発表しているオッズをご確認いただきましょう。
【チャンピオンズカップ2017オッズ】
※オッズは30日午前8時現在
<チャンピオンズカップ2017最新オッズ情報(bet365発表)>
1番手評価となっているのが、昨年のチャンピオンズカップ覇者にして、G1レース3勝の実績馬、サウンドトゥルー(4.00倍)。外国人騎手全盛時代において、大野拓弥騎手とコンビを組み続けていることからファンも多い一頭です。
後方からレースを進めて切れ味勝負に持ち込むタイプの同馬。展開が向いたこともあり、前走のJBCクラシック(G1、2000㍍・ダート)では見事に勝利を収めました。
しかし7歳と高齢になった影響もあるのか今年は安定感が見られず、脚質的にも敗北する際はあっさりと…というタイプな為、実績こそ上位ですが絶対的な信頼を寄せることができるかどうか、判断が難しい一頭といえるでしょう。
一方で、昨年のチャンピオンズカップにおいて1番人気に推されながらも2着と惜敗をしたアウォーディー(4.50倍)。
2015年からダート路線へ変更後、無傷の6連勝。そして正に昨年のチャンピオンズカップで連勝は途絶えましたが、その後も国内外を問わずファンからの支持を集め今年のドバイワールドカップにおいても2番人気に推されていました。
ドバイの地で5着に敗れたものの、その後も国内へ帰国してからの2走ともに1番人気に推され続けたアウォーディー。しかし、結果はなかなか伴わず今年はここまで勝利を挙げることはできていません。昨年の雪辱を晴らし、この舞台で再度復活を印象付けることができるでしょうか。
もう一頭、不気味な存在なのがコパノリッキー(15.00倍)。
3年連続でチャンピオンズカップには挑み続けて12着、7着、13着と大敗を喫していることからも、今回決して人気サイドとは呼べないオッズ。
しかし今年は「逃げれば強い、逃げられなければ脆い」と言われていた競馬スタイルを一新。好位からキレのある脚をみせるタイプにモデルチェンジを果たしました。
逃げ馬には非常に厳しい展開になることが多いチャンピオンズカップ。これまでの実績や、前走が1200mであることなど不安材料も散見されますがG1を10勝の実力は今回のメンバーでも断然。やはり注目すべき一頭でしょう。
そんな古豪たちに挑むのが新興勢力の2頭。
3歳秋頃から、地方交流重賞とはいえダートの古馬たちを相手に同等以上に立ち回ってきたケイティブレイブ(7.50倍)。
今年の帝王賞(G1、2000㍍・ダート)では出遅れながらも、アウォーディー、サウンドトゥルー、アポロケンタッキー、ゴールドドリームらに完勝し、念願のダート一線級の仲間入りを果たしました。経験値でいえば、4歳馬にして古馬強豪らと何ら変わりないと言えます。
鞍上の福永騎手といえば、ジャパンカップにおいてお手馬であったシュヴァルグランが見事に乗り替わりで勝利。その悔しさをバネにケイティブレイブで勝利を目指します。
昨年のアウォーディーのような伸び盛りの存在がテイエムジンソク。
2016年5月の条件戦から掲示板を外したことのない安定感が魅力のテイエムジンソク(4.50倍)。G1未勝利馬どころか初挑戦ながらにしてこのオッズはかなりの高評価といえるでしょう。
テイエムジンソクしかし今年の5月に鞍上が古川吉洋騎手に乗り代わってから一気に覚醒。
前走のみやこステークス(G3、1800㍍・ダート)での勝利を含む、5戦4勝2着1回とほぼ完ぺきな戦績で初G1に挑戦。古川騎手としてもおよそ20年ぶりのG1制覇のチャンスが巡ってきたといえるでしょう。
不安な点を挙げるとすればやはりこれまでのレースレベル。確かに強い勝ち方をしてきた馬ではありますが、今回は相手も一気に強化されるため真価が問われる一戦となります。
その他の有力出走馬としては、C.デムーロ騎手との新コンビ2戦目となるノンコノユメ(17.00倍)や、昨年のチャンピオンズカップでは11番人気にして4着に入線したカフジテイク(11.00倍)。
4歳勢からは、ジャパンカップにおいてシュヴァルグランを勝利に導いた豪腕、H.ボウマン騎手が騎乗予定のグレンツェント(21.00倍)や、今年のフェブラリーステークス(G1、1600㍍・ダート)の勝ち馬にして休み明け2戦目のゴールドドリーム(26.00倍)。
更に、前走は韓国遠征で見事に勝利したロンドンタウン(11.00倍)は、テイエムジンソクにエルムステークス(G3、1700㍍・ダート)において勝利していることからも侮れない存在でしょう。
出走各馬、全頭にチャンスがあるといっても過言ではないチャンピオンズカップは、12月3日15:30分発走予定です。