いよいよ、日本競馬界のG1戦線も残るところあと3つ。今週末には2歳王者決定戦となる朝日杯フューチュリティステークス(G1、1600㍍・芝)が阪神競馬場において開催されます。
有馬記念と並び、年末おなじみのG1ではあるのですが、今年からは年末に行われる2歳重賞ホープフルステークスが、G1レースに昇格したこともありかなり有力馬がバラけるような状態に。
また、昔に比べると2歳時に勝ち上がったとしても年明けの3歳重賞を目標とし、年内を休養に充てる有力陣営も非常に多くなりました。
【朝日杯フューチュリティステークス2017枠順】
1-1 ダノンプレミアム(牡2、川田将雅・中内田充正)
1-2 フロンティア(牡2、岩田康誠・中内田充正)
2-3 タワーオブロンドン(牡2、C.ルメール・藤沢和雄)
2-4 ライトオンキュー(牡2、四位洋文・昆貢)
3-5 ケイアイノーテック(牡2、幸英明・平田修)
3-6 アサクサゲンキ(牡2、武豊・音無秀孝)
4-7 ヒシコスマー(牡2、松山弘平・清水久詞)
4-8 ファストアプローチ(牡2、V.シュミノー・藤沢和雄)
5-9 ムスコローソ(牡2、池添謙一・手塚貴久)
5-10 ステルヴィオ(牡2、C.デムーロ・木村哲也)
6-11 カシアス(牡2、浜中俊・清水久詞)
6-12 ダノンスマッシュ(牡2、福永祐一・安田隆行)
7-13 アイアンクロー(牡2、酒井学・斉藤崇史)
7-14 ダブルシャープ(牡2、和田竜二・渡辺薫彦)
8-15 ケイティクレバー(牡2、小林徹弥・目野哲也)
8-16 イシマツ(牡2、加藤祥太・森秀行)
※15日午後5時更新
このことに加え、今年の2歳戦線を難解にしているのが新種牡馬たちの台頭。
2歳種牡馬リーディング1位ながらに、先週行われた阪神ジュベナイルフィリーズでは最先着がマウレア(3着)であったディープインパクト産駒。今年のクラシックを思い返してみても、近年はやや不作な感じは否めません。
一方で、1着が新種牡馬であるオルフェーブル産駒のラッキーライラック、2着が2年目となるルーラーシップ産駒のリリーノーブルといった、新種牡馬産駒の台頭が目立ち始めました。
今年の朝日杯フューチュリティステークスも多分に漏れず、新種牡馬ロードカナロア産駒VS王者ディープインパクト産駒VS外国産馬の3つ巴の様相を呈しています。
それだけに注目するべき馬は多数存在しますが、まずはブックメーカー「bet365」が発表しているオッズをご確認いただきましょう。
【朝日杯フューチュリティステークス2017オッズ】
※オッズは14日午後9時現在
<朝日杯フューチュリティステークス2017最新オッズ情報(bet365発表)>
今年の本レースにおいてディープインパクト産駒の代表格となるのがダノンプレミアム(2.40倍)。ディープインパクト産駒としては珍しく先行前付からの鋭い抜け出しを武器としています。
デビュー戦は格の違いを見せつけての圧勝。続くサウジアラビアロイヤルカップ(G3、1600㍍・芝)も完勝といえる内容であり、高い完成度を伺わせます。
【サウジアラビアロイヤルカップ(優勝馬:ダノンプレミアム)】
敢えて気がかりな点を挙げるとすれば、サウジアラビアロイヤルカップ→朝日杯フューチュリティステークスというローテーションは、前身となるいちょうステークスを含めても好走馬がいないという部分でしょうか。
そんなディープインパクト産駒に挑むのが、新種牡馬にして現在2歳種牡馬リーディング2位につけるロードカナロア産駒たち。
サウジアラビアロイヤルカップにおいて、ダノンプレミアムの2着に敗れたものの「負けて尚強し」という印象を抱いたファンも多いのがステルヴィオ(5.00倍)。
敢えて気がかりな点を挙げるとすれば、サウジアラビアロイヤルカップ→朝日杯フューチュリティステークスというローテーションは、前身となるいちょうステークスを含めても好走馬がいないという部分でしょうか。
そんなディープインパクト産駒に挑むのが、新種牡馬にして現在2歳種牡馬リーディング2位につけるロードカナロア産駒たち。
サウジアラビアロイヤルカップにおいて、ダノンプレミアムの2着に敗れたものの「負けて尚強し」という印象を抱いたファンも多いのがステルヴィオ(5.00倍)。
ダノンプレミアムが先行タイプなのに対し、ステルヴィオは切れ味勝負タイプであり単純に比べることは難しいですが、それでもダントツの上がりの速さとゴール前のトップスピードの高さは目を見張るものがあります。
「結局は届かなかった」と捉えるか「大外を回してここまで追い詰めた」とも考えられる、難しい一頭。枠による恩恵の大きさも非常に大きいといえるでしょう。
また、ステルヴィオに跨るのは、今年G1レースを席巻したM.デムーロ騎手の弟であるC.デムーロ騎手。
C.デムーロ騎手自身も、今や世界的名ジョッキーの一人ではありますが、M.デムーロ騎手が本レースには出走しないところを考えると、兄としてここは弟に「花を持たせたい」と考えてのことでしょうか。
ダノンプレミアムと同じく、ダノン冠名でありながらこちらも圧倒的なレースを見せつけているのがダノンスマッシュ(17.00倍)。
未勝利戦は中団からの競馬、それ以外は先行策と、2歳馬にして自在性のある脚質が持ち味のダノンスマッシュ。ですが、これまで戦ってきた相手のその後の戦績を鑑みると、決してレベルが高かったとは声高にしづらい面もあります。
ただし、同冠名のダノンプレミアムがいることから、ダノンスマッシュ自身がどういった競馬をするのかはかなり重要になってくることでしょう。本レースにおいてもっともカギを握っている1頭と考えられます。
もうひとつ、今年の朝日杯フューチュリティステークスにおいて注目したいのが、昨年のフランケル産駒旋風に続く『外国産馬』の存在。
京王杯2歳ステークス(G2、1400㍍・芝)を制したタワーオブロンドン(3.50倍)。武器となるのは3戦連続して上がり最速をマークしているその末脚でしょう。
父であるレイヴンズパスは、日本でこそ耳馴染みがないものの、欧州おいては史上2頭目となるブリーダーズカップクラシック(当時はオールウェザーでの開催)を制した、ある意味歴史的な1頭です。
しかし、ここまで4戦を経験しているものの距離は最長でも1500mまで。しかもその1戦は2着に敗れていることから考えると、やや距離に不安を残します。
同じく、外国産馬のアサクサゲンキ(17.00倍)。
父は大血統ストームキャットの血を引いているとはいえ、未勝利馬のストーミーアトランティックということを考えれば、小倉2歳ステークス(G3、1200㍍・芝)を勝利したのは大きな1勝といえるでしょう。
やはりこちらも気にかかるのはタワーオブロンドンと同じく1600mという距離での実績がないという点。スピードで押し切ることが出来ればといったところでしょうか。
その他、函館2歳ステークス(G3、1200㍍・芝)を勝利したカシアス(17.00倍)や、同じく夏のローカル2歳重賞である新潟2歳ステークス(G3、1600㍍・芝)を制したフロンティア(16.00倍)。
道営ホッカイドウ競馬出身ながらに、クローバー賞(OP、1500㍍・芝)ではタワーオブロンドンを破ったダブルシャープ(21.00倍)などが出走予定となっています。