ロンドン五輪で銅メダルを獲得した日本は、世界の強豪チームが集う札幌の地でどのような戦いを見せてくれるでしょうか?
女子のバレーボール世界一を決める「2013バレーボールワールドグランプリ」の決勝ラウンドが28日、札幌で開幕します。ワールドグランプリは年に一度、各大陸の強豪全20チームによって争われます。まず、全20チームは予選ラウンドを戦います。4チームで構成された全5グループでの予選を3週に渡って各チーム9試合を戦い、勝ち点上位5チームと開催国(日本)が決勝ラウンドに進出します。決勝ラウンドは6チームによる総当り戦(1回戦)を行い、最も勝ち点が多いチームが世界一の称号を得ることができます。
予選ラウンドはすでに8月2日から行われており、決勝ラウンドに進出する6チームが決定しています。決勝ラウンド進出チームの予選ラウンドでの成績を下記にまとめてみたいと思います。
【予選ラウンド順位表】
① 中国:9勝0敗=勝ち点25
② ブラジル:8勝1敗=勝ち点23
③ セルビア:7勝2敗=勝ち点23
④ アメリカ:8勝1敗=勝ち点22
⑤ イタリア:7勝2敗=勝ち点21
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⑥ 日本:7勝2敗=勝ち点19
※勝ち点:3-0,3-1で勝利=3点、3-2で勝利=2点、2-3で敗戦=1点、1-3、0-3で敗戦=0点
※勝ち点が同じ場合は、勝率、セット数などで決まる
日本は5位のイタリアに勝ち点2及ばず6位となり、自力での決勝ラウンド進出はなりませんでしたが、開催国枠での進出が決まりました。日本は予選ラウンド第1週、第2週と6連勝し、第3週の会場となった仙台に乗り込みました。しかし、ブルガリアとアメリカに連敗。フルセットまでもつれた予選ラウンド最終戦のチェコ戦で何とか勝利し、7勝2敗の6位で予選ラウンドを終えました。中国が9戦全勝で予選トップ通過を果たし、ブラジルとアメリカが1敗で追う展開となりました。
予選ラウンド第3週の各グループのダイジェスト映像が、下記画像をクリックするとご覧いただけます(英語です。日本のダイジェスト映像は8分25秒くらいから始まります)。世界のバレーボール事情やそのレベルが良くわかる映像となっています。
「バレーボールは昔、体育の時間にやったことあるけど、どこの国が強いかなんてわからない」。そんな声も聞こえてきそうです。実際、「バレーボールワールドグランプリ」が1993年に創設された理由は、選手の国際経験の創出とバレーボール競技の普及や振興(主にアジア地区)です。普及や振興に最も有効な方法はテレビ放送で、日本のテレビ局が放映権を取っている関係もあって日本で大会が開催されることが多いわけですね。
最初の質問に戻りましょう。では、どの国が強いのか?私の記事を読んで下さっている方々ならピンときたのではないでしょうか。そうです。ブックメーカーに聞いてみましょう。
日本語対応のブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」が、ワールドグランプリの優勝国予想オッズを発表しています(27日午後3時現在)。最新の世界ランキングとともに下記にまとめてみたいと思います。
① ブラジル(2):2.5倍
② 中国(5):3.8倍
③ アメリカ(1):5.0倍
④ セルビア(9):9.0倍
⑤ イタリア(4):21.0倍
⑥ 日本(3):23.0倍
※(カッコ)内の数字は最新の世界ランキング
優勝候補の筆頭に挙げられているのが、北京五輪、ロンドン五輪で金メダルを獲得し、南米選手権9連覇中の世界ランキング2位のブラジルです。ブラジルは193㌢長身キャプテンのファビアナ・クラウジノがチームを引っ張ります。クラウジノはロンドン五輪ではベストブロッカーに輝くなど、相手のアタックの多くを防いでブラジルの金メダル獲得に大きく貢献しました。
2番手の中国には、190㌢のエーススパイカー・王一梅がいます。中国は、現在の世界ランキングこそ3位の日本よりも低い5位に甘んじていますが、ちょっと前までは中国が日本を圧倒していました(通算対戦成績:日本38勝、中国139勝)。アジア選手権は最多の優勝12回、今回の予選ラウンド唯一無敗の中国が2003年以来10年ぶり2度目の優勝を目指します。
予選リーグで1敗し、現在の世界ランキング1位のアメリカが3番手予想となっています。北京五輪、ロンドン五輪で銀メダルを獲得したアメリカですが、いずれもブラジルに敗れました。しかし、2010年からのワールドグランプリでは逆に、ブラジルを準優勝に追いやって大会3連覇を果たし、今回は前人未到の4連覇に挑戦します。ブラジル、中国、そしてアメリカの3チームで優勝争いが繰り広げられそうな感じがします。
セルビアやイタリアのヨーロッパ勢も高い能力を持っており、オッズ予想では最下位になっている日本も優勝争いに絡んでくる可能性もあります。ゲーム中にiPadを持って選手に指示を与える姿が印象深い真鍋政義監督が率いる「火の鳥NIPPON」は、北京五輪銅メダルの獲得の原動力となったキャプテンの木村沙織や江畑幸子ら「五輪組」と、昨シーズンのVプレミアリーグでMVPに輝いた長岡望悠や、日本代表セッターを長年務め、7月に引退を発表した竹下佳江の後釜候補筆頭に挙げられている18歳の宮下遥ら「若手組」の融合チームで初優勝を目指します。日本はアジアの覇権を争う中国には絶対に負けられませんね。
「火の鳥NIPPON」の予選ラウンド対アメリカ戦(8月17日@仙台)のフル映像を、下記の画像をクリックすればご覧いただけます。決勝ラウンドに入る前に日本のバレーボールを目に焼き付けておきましょう。
28日から決勝ラウンドは始まります。ブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」は開幕ゲーム3試合の勝敗オッズを以下のように発表しています(27日午後3時現在)。
【第1試合】セルビア勝利:2.55倍、中国:1.50倍
【第2試合】ブラジル勝利:1.40倍、アメリカ勝利:2.90倍
【第3試合】日本勝利:1.72倍、イタリア勝利:2.00倍
日本は初戦のイタリア戦は分がいいようですね。まずは初戦を勝ってブラジル、中国、アメリカの3連戦に弾みをつけたいところです。フジテレビ系列で連日午後7時から生中継されるようです。
今週の夜は「にっぽん、チャ・チャ・チャ」の大合唱となりそうですね!