空飛ぶ17歳が、ソチの大地へと大きく羽ばたいた―。
おそらくソチ五輪で日本人選手として最も「金メダル」に限りなく近いのは、スキージャンプ女子の高梨沙羅でしょう。
まずは、ソチ五輪での金メダル予想オッズを発表している日本語対応のブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」のオッズをご紹介します。
【スキージャンプ女子優勝予想オッズ】
※オッズは30日午後3現在
ダントツの金メダル候補ですね!
高梨は、小学校2年生から地元のジャンプ少年団に入団してスキー競技をスタートし、2011年14歳で迎えた「HBCカップジャンプ競技会」決勝で141㍍の女子バッケンレコード(そのジャンプ台を使用して記録された最長不倒飛行距離のこと)をマークし、女子スキージャンプ界に彗星のごとく現れたのはまだ記憶に新しいところです。
高梨はこれ以降、スターへの階段を登っていきます。2011-2012シーズンの山形市蔵王で行われたW杯第11戦で、日本人女子としてW杯初優勝を飾ると、2012-2013シーズンのW杯では全16戦中実に8戦で優勝を飾り、個人総合優勝を果たしました。
迎えた今シーズン(2013-2014シーズン)で、高梨は2つの金字塔を打ち立てました。一つ目は、1月12日に札幌・宮の森で行われたW杯第7戦でW杯15勝目を挙げて、サラ・ヘンドリクソン(アメリカ)の持つ14勝を抜いて女子歴代1位の記録をマークしました。
もう一つは、1月19日に山形市蔵王で行われた第9戦で通算17回目の優勝を果たし、葛西紀明の通算16勝を抜いて日本人選手歴代勝利数1位の座に就きました。高梨、17歳で17勝。下記画像をクリックすると17勝目を挙げた試合のダイジェスト映像(コメント付き)がご覧いただけます。
今シーズンだけでW杯8勝を挙げた高梨ですが、スロベニアのプラニツァで25日に行われた第10、11戦ではともに2位に終わりました。一部の報道では、一度は引退した金メダル候補2番手に予想されているヘンドリクソンが、ソチ五輪へ出場することになったことや、そのヘンドリクソンが持つシーズン8勝の記録を塗り替えることへの重圧があったと言われていますが、その真意はわかりません。
日本からは金メダル予想6番手に挙がっている伊藤有希にも表彰台への期待が高まります。一方、男子は高梨とは真逆という言い方は失礼ですが、今回のソチ五輪で史上最多となる7度目のオリンピック出場となる葛西紀明に表彰台への期待が高まっています。
ヨーロッパのブックメーカー「888sport」がスキージャンプ男子の優勝オッズを発表していますので見てみたいと思います。
【スキージャンプ男子優勝オッズ】
※オッズは30日午後2現在
41歳のベテラン・葛西に3番目のオッズが予想されています。また、1-3位以内の予想では2.75倍と、1994年のリレハンメル五輪の男子団体で銀メダルを獲得して以来の表彰台を射程圏内に捉えていますね。
葛西は、最近の10シーズンでW杯での優勝から遠ざかっていましたが、2013-2014シーズンのオーストリアで行われた第13戦では、スキージャンプW杯史上最年長(41歳7ヶ月)で見事に優勝し、ソチ五輪に向けて大きな弾みをつけました。下記画像をクリックすればW杯第13戦の葛西のジャンプをご覧いただけます。歴史的偉業の瞬間に、実況するアナウンサーも大興奮しています。
男子は、団体でも表彰台を狙っています。葛西に加えて、竹内択、伊東大貴、渡瀬雄太、清水礼留飛の5選手が日本代表としてソチ五輪に出場します。ブックメーカー「888sport」の団体優勝オッズでは6番手となる12.5倍と予想されています。葛西、竹内、伊東に続くもうひとりが出てくればというところだと思います。
【スキージャンプ男子団体優勝オッズ】
※オッズは30日午後2現在
最後に、1998年の長野五輪での感動をもう一度!ということで原田雅彦のリベンジ大ジャンプで金メダルを取った時のドキュメント映像を下記に紹介して、ソチ五輪への応援とします。