イギリス王室が年に一度アスコット競馬場で主催する「ロイヤルアスコット」(ロイヤルミーティング)が、6月16日から20日までの日程で開催されます。何かと話題をさらっているイギリス王室ですが、エリザベス女王も競馬場に臨席し、優勝者への贈呈なども行う1711年にスタートした由緒ある競馬の祭典です。
16日から約1週間に渡って、ウィンブルドンテニス、全英オープンゴルフと並んでイギリスの夏の3大スポーツとして先陣を切って競馬レースが行われますが、主なG1レースは以下のようになります。
【ロイヤルアスコット2015主なG1レース日程】
<16日>
クイーンアンS
キングズスタンドS
セントジェームズパレスS
<17日>
プリンスオブウェールズS
<18日>
アスコットゴールドカップ
<19日>
コロネーションS
コモンウェルスカップ(2015年新設)
<20日>
ダイヤモンドジュビリーS
これだけのG1レースが1週間で行われるのですから、世界中から競馬ファンのみならずセレブたちも集まり、社交を楽しむという一面も「ロイヤルアスコット」にはあります。これらのレースからいくつかをピックアップしてブックメーカー発表のオッズとともに見ていきましょう。
プリンスオブウェールズS(17日、2000㍍・芝)
今年の「ロイヤルアスコット」には日本から4年ぶり史上6頭目となるスピルバーグ(牡・6歳)が、17日に行われるプリンスオブウェールズS(2000㍍・芝)に出場します。早速ですが、1934年創業イギリスの老舗ブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」が単勝オッズを発表していますので見てみましょう。
【プリンスオブウェールズS単勝オッズ】
※オッズは15日午後6時現在
日本から参戦しているスピルバーグ(クリストフ・スミヨン騎乗)は7番人気となる11.00倍のオッズがついています。昨年の天皇賞秋(G1、2000㍍・芝)を制した日本の中距離王がエリザベス女王の目の前で“世界の中距離王”となれるかに注目です。1番人気はアイルランドのエンタープライズS(G3)を制して、英チャンピオンS(G1)3着からぶっつけ本番となるフリーイーグル(Free Eagle)で3.75倍のオッズがついています。2番人気には昨年の仏ダービー(G1)と英チャンピオンSでフリーイーグルにも勝って2冠のザグレイギャッツビー(The Grey Gatsby)が7.00倍で2番人気となっています。
キングズスタンドS(16日、約1006㍍・芝)
【キングズスタンドS単勝オッズ】
※オッズは15日午後6時現在
キングズスタンドSは芝の直線コースのみで行われるレースで、「グローバル・スプリント・チャレンジ」の第5戦に位置づけられています。英2000ギニーと同じく直線をただひたすら走るスピードレースですね。
ブックメーカー「ウィリアムヒル」が発表したオッズによると、2013年、14年とキングスタンドSを連覇しているソールパワー(Sole Power)が4.50倍で1番人気となっています。昨年のレースでは最後方からの末脚で一気に頂点へと上り詰めました。ソールパワーが3連覇の偉業をなすために今回も得意のレースにエントリーしてきました。2番人気には、前走のグロシェーヌ賞(仏G2、1000㍍・芝)を制した英国の単距離馬であるムスミール(Muthmir)で5.50倍とソールパワーの連覇阻止筆頭に挙がっています。3番手集団には、ワールドトロフィー(英G3)を制したメッカズエンジェル(Mecca’s Angel)と、オークリープレート(豪G1、1100㍍・芝)を制したシャマルウィンド(Shamal Wind)が8.00倍であとを追っています。
【キングスタンドS2014レース映像】
アスコットゴールドカップ(18日、約4023㍍・芝)
【アスコットゴールドカップ単勝オッズ】
※オッズは15日午後6時現在
世界で最も長い距離を走るグレードレースで、世界から最強のステイヤーズが参加します。このスタイヤー・オブ・ステイヤーを決めるレースで1番人気なのがフォアゴトンルールズ(Forgotten Rules)で3.50倍のオッズがついています。フォアゴトンルールズは昨年同じアスコット競馬場で行われた「英チャンピオンズロングディスタンスC」(G2、2マイル・芝)で勝っており、距離も馬場も相性がいいようです。2番人気で6.00倍のミッズー(Mizzou)は4月のサガロs(G3、16F・芝)で同じくアスコット競馬場で勝利しています。4000㍍超えの距離がどう出るのか?4分以上の長い戦いを今年制するのはどの馬でしょうか?
ダイヤモンドジュビリーS(20日、約1207㍍・芝)
【ダイヤモンドジュビリーS単勝オッズ】
※オッズは15日午後6時現在
ロイヤルアスコットの最終日に行われるのが「グローバル・スプリント・チャレンジ」第6戦のダイヤモンドジュビリーSです。キングズスタンドSから中3日で再びこのレースに登場する馬もいるというのが驚きです。1番人気にはオーストラリアのG1レース「ニューマーケットH」(1200㍍・芝)を制したブレイズンボー(Brazen Beau)で4.50倍のオッズがついています。昨年11月の3歳牡馬限定「クールモアスタッドS」(G1、1200㍍・芝)も制しており、1200㍍のG1レース2勝とこの距離に最も強さを見せている馬ですね。ブレイズンボーと面白い対決になりそうなのが2番人気で6.50倍のオッズとなっているムスタジーブ(Mustajeeb)でしょう。ムスタジーブはG1レースの勝利こそないものの、G3レース2回、G2レースを1回制覇しており、昨年の愛2000ギニーSでも3着に入っているなどこれまで9戦中7回が3着以内と安定感もあります。
ブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」はロイヤルアスコット2015のG1全レースの単勝オッズを発表していますので、ここでは紹介しきれていないレースもあるのでぜひチェックしてみてください。ここから凱旋門賞2015へと羽ばたいていく馬たちもいるはずです。日本から唯一参戦するスピルバーグを応援しながら、16日からの“競馬ウィーク”を満喫しましょう。