ゴルフの大会において唯一“The Open”と名乗るのを許されているのが、1860年に第1回大会がプレストウィックで行われた全英オープンです。今年で145回目を迎える「全英オープン2016」（The Open Championship 2016）が14日、“リンクスの中のリンクス”と呼ばれるスコットランドのロイヤルトゥルーンGC（7190ヤード、パー71）で開幕します。このオールドコースで行われるのは2004年大会以来となります。
2015年大会では、27年ぶりに月曜日まで持ち越された最終ラウンドでスコアを6伸ばしたザック・ジョンソンが3選手によるプレイオフを制して、2007年のマスターズ以来となるメジャー2勝目を飾りました。
【全英オープン2015ダイジェスト】
今年の大会には日本から世界ランク17位の松山英樹を筆頭に、昨年の賞金ランク2位の宮里優作、「日本オープン」覇者の小平智、今年の日本ゴルフツアー賞金ランキングで出場権を得たリオ五輪出場が濃厚な池田勇太と塚田陽亮、「～全英への道～ミズノオープン」で出場権を獲得した市原弘大、今平周吾、谷原秀人の8選手が難コースに挑みます。
8月のリオ五輪で112年ぶりに開催されるゴルフに不参加を表明している世界ランキング1位のジェイソン・デイや同2位のダスティン・ジョンソンなど、世界のトップ選手がこの全英オープン2016でクラレットジャグをその手に掲げるために照準を合わせてくるでしょう。日本語にも対応しているブックメーカー「10Bet」が全英オープンゴルフ2016の優勝オッズを発表していますので見てみましょう。
【全英オープンゴルフ2016優勝オッズ】
※オッズは１０日午後４時現在
優勝最有力にはジェイソン・デイで8.00倍のオッズとなっています。2番手にはダスティン・ジョンソンが8.75倍、３番手にはジョーダン・スピースで10.00倍、そしてローリー・マキロイが11.00倍で続いています。世界ランキング上位4選手が上位に来ていますね。
注目の松山英樹は19番手タイとなる51.00倍、そして昨年の8月以来のツアー出場となる予定だった全英オープンを過去3度（2000年、2005年、2006年）制しているタイガー・ウッズは、大会主催者であるR＆Aから欠場が発表されました。ウッズがメジャー大会を3連続でスキップするのは自身初のようで、まだ世界中にいるという“タイガー信者”のベッターのお陰もあってか66.25倍のオッズが付いています。
リオ五輪不出場を早々と表明したデイは、今年のザ・プレイヤーズ選手権を制し、前戦となるWGCブリヂストン招待では最終日にこそスコアを落としたものの、2日目、3日目と首位に立って3位と全英オープンに向けて順調に調子を上げています。同じく、リオ五輪を辞退したジョンソンは、ブリヂストン招待でデイを逆転で下し、今年の全米オープンでメジャー初制覇に続き連勝するなど最も勢いのあるゴルファーと言えるでしょう。
このジョンソンと9.00倍で並んでいるのがスピースです。スピースと言えば今年のマスターズの悪夢からの復活が期待されますが、前戦のブリヂストン招待ではデイと並んで3アンダーと着実に自分のゴルフを取り戻しています。2014年の王者であるマキロイは、昨年の同大会前にサッカーに興じていた際に足をケガしてしまい、地元開催で苦い思い出を作りました。また、今年の全米オープンではよもやの予選落ちを経験するなど、この全英オープンに期するものは大きいでしょう。
昨年の同大会で最終日一時は首位と1打差まで迫る猛追を見せ、18位でフィニッシュした松山は、このところ決して調子がいいとは言えません。リオ五輪に出場するか否かで悩んでいたことがパフォーマンスに影響したのではという報道もあります。ザ・メモリアル・トーナメントでは103位で予選落ちすると、続く全米オープンでも予選落ち、続くブリヂストン招待は予選を突破したものの42位と奮いませんでした。とはいえ、リオ五輪日本代表辞退を決意したというブリヂストン招待の最終日では、3戦ぶりにアンダーパーをマークして復調の兆しが見られました。
松山のメジャー初優勝をリオ五輪前に見ることができるか？
その他の日本勢の優勝オッズは以下の通りです：
谷原秀人：248.50倍
池田勇太：496.00倍
市原弘大：743.50倍
今平周吾＆宮里優作：970.75倍
小平智：981.00倍
塚田陽亮：1001.00倍
※11日午後11時更新
本来であれば、リオ五輪の前哨戦としても楽しみにしていたファンも多い今回の全英オープン。リオ五輪出場辞退が世界ランキング上位者に続出している中で、様々な辞退の理由が語られてきました。その“理由”が正当なものであるためにも、そしてファンが納得するようなハイレベルな戦いを全英オープン2016には期待したいと思います。
