【ブックメーカー】清崎民喜コラム:リオ五輪をブックメーカーで100倍楽しむ方法「オッズを見ればすべてが見えてくる」

リオ五輪ロゴ

4年に一度のスポーツの祭典「オリンピック」がいよいよ間近に迫ってきた。8月5日から21日までブラジルのリオデジャネイロオリンピック(リオ五輪)が開催される。オリンピックが南米で行われるのは初めてであり、インフラ整備や政治的問題、そしてジカ熱などの環境問題など様々な問題を抱えているのが連日のように報道されているが、無事にリオ五輪の開会式が開かれることを期待したい。

いきなりの話となってしまうが、リオ五輪のあとは2020年に東京五輪が開催されることはすでに決定している。実は、東京五輪の次の2024年のオリンピックの開催地がどこになるのか?ということをリオ五輪も始まっていない中で話題にしているところがある。

bet365路面店

ブックメーカー(スポーツブック)だ。

<関連記事>
ブックメーカーとは?

イギリス系のブックメーカー「Coral」(コラル)は、早くも2024年の夏季オリンピックの開催地になるのはどこか?というオッズを発表しているのだ。

【2024年オリンピック開催地オッズ】
2024年オリンピック開催地オッズ
※オッズは30日午後7時現在

いやはや、何と気が早いことかと半ばあきれてしまう方も多いかとは思うが、これが何事も賭けの対象にしてしまうブックメーカーのある種のユニークさともいえる。2024年の夏季五輪開催地の最有力候補にはフランスのパリが挙げられており、1.91倍のオッズが付いている。2番手にはイタリアのローマとアメリカのロサンゼルスでともに4.00倍、そしてハンガリーの首都・ブタペストが11.00倍となっている。ブタペスト以外はすでに過去に開催経験のある都市が名を連ねている。

2024年の夏季五輪開催地は、2017年9月13日にペルーで開かれるIOC総会で決定する。まだ決定まで1年以上はあるのだが、気が早いのが性分であるブックメーカーはオッズを発表することで、世界中の人々に話題と娯楽を提供しているのだ。

リオ五輪実施競技

さて、話をリオ五輪に戻そう。第31回夏季五輪となるリオ五輪は28競技、306種目が行われ、1904年のセントルイス五輪以来112年ぶりに復活するゴルフや、リオ五輪から追加競技となった7人制のラグビーなど見どころの多い大会となりそうだ。

松山英樹

まず、オリンピックで最も注目されるのが「メダル獲得数」だ。米国の大手データ会社・グレースノートによると、日本が獲得すると予想されたメダルの数は39個(金12、銀15、銅12)で、過去最多だった2012年のロンドン五輪でのメダル獲得数38個を抜くと予想している。国・地域別のメダル獲得数はアメリカが最多の102個、続いて中国が78個、ロシアが66個となり、日本の39個は全体の7番目と同社は予想している(注:2016年4月に発表されたデータ。ロシアはその後、ドーピング問題で陸上競技に国として参加できなくなった)。

ピナクル ロゴブックメーカー「Pinnacle(ピナクル)」は主要国の金メダル数に関するオッズを発表しており、「リオ五輪でどの国が最も金メダルを獲得するか?」ではアメリカが1.285倍で最有力に、2番手に中国で3.630倍と2強をなしている。3番手には国民投票でEU離脱が決まったイギリスで19.700倍となっている。ドーピング問題で陸上競技へ国として参加ができなくなったロシアは52.870倍と4番手だ。

【リオ五輪で最も金メダルを獲得する国は?】
リオ五輪で最も金メダルを獲得する国は?
※オッズは30日午後7時現在

日本は上記オッズでフランスと並んで7番手となる73.600倍のオッズとなっているが、では日本が何個の金メダルを獲得するのだろうか?こちらも「Pinnacle(ピナクル)」がオッズを発表しており、12.5個を基準に「13個以上」(Over 12.5 Medals)が2.120倍、「12個以下」(Under 12.5 Medals)が1.735倍となっており、日本の金メダル獲得数は12個前後で推移するのではないかとブックメーカーは見ていることになる。

【日本の金メダル獲得数は?】
日本の金メダル獲得数は?
※オッズは30日午後7時現在

アジア予選を勝ち抜いたリオ五輪ラグビー日本代表男子

Paddy Power Logoブックメーカー各社は、リオ五輪に関する各種目別のオッズは全種目ではないが多数発表している。リオ五輪から加わったラグビーもブックメーカー「Paddy Power」(パディー・パワー)が優勝オッズを発表しており、ラグビー男子の優勝オッズで日本は下から2番目の301.00倍のオッズがついている。優勝候補の筆頭はフィジーで3.10倍、2番手にはニュージーランドと南アフリカで3.50倍と続いている。フィジーがニュージーランドや南アフリカなどのラグビー強豪国の上をいっているあたりが非常に面白いところだ。

【リオ五輪ラグビー男子優勝オッズ】
リオ五輪ラグビー男子優勝オッズ
※オッズは30日午後7時現在

ブックメーカーが発表するリオ五輪のオッズをチェックすることで、日本の強さを世界の視点から客観的に見ることができるという利点がある。ブックメーカーにはスポーツ各種目に「オッズメーカー」と呼ばれるその種目の専門家がいて、彼らが過去の対戦成績や実力などを客観的に分析してオッズをはじき出すので、その信頼性は高い。もし、このオッズメーカーがオッズを付け間違うと、ブックメーカーに大きな損害を与えることになるので、嫌でも客観的かつ正確なオッズを提供することが求められるのだ。

<関連記事>
清崎民喜コラム:レスターシティ優勝5001倍の衝撃!スポーツブック史上最大の番狂わせとブックメーカー発表オッズの裏側

金メダルが期待される体操・内村航平

また、オリンピックを見ていて多くの方が思っていることの一つが「その国(選手・チーム)は果たして強いのか?」ということだ。日本の選手、チームに関する情報は毎日のように新聞やテレビなどマスコミが報じているのである程度はわかっても、対戦相手やライバルチームに関する情報が大きく欠落しているのだ。そんな情報不足を解消するのがブックメーカーのオッズなのだ。オッズは世界共通の数字だ。この数字が国によって意味が異なることはない。客観的にその国のチームや選手の実力を測るには持って来いの尺度なのだ。

木村沙織

ベット365また、日本国内ではメダルは獲得できる、世界的に見ても強いと考えられていても、世界から見ればそうではないケースもある。ロンドン五輪で銅メダルを獲得し、リオ五輪ではそれ以上をと意気込んでいる女子バレー・真鍋政義監督率いる「火の鳥NIPPON」。日本国内ではメダル獲得の期待が高まっているが、ブックメーカー「bet365」が発表したリオ五輪女子バレー優勝オッズ(金メダルオッズ)では、日本は12チーム中8番手となる51.00倍と非常に評価が低いのだ。

【リオ五輪女子バレーボール優勝オッズ】
リオ五輪女子バレーボール優勝オッズ
※オッズは30日午後7時現在

開催国のブラジルが2.50倍で優勝最有力、そしてアメリカが3.50倍、中国が5.00倍と続き、7月6日から行われるワールドGP2016の決勝ラウンドにいずれも進出を決めている「世界の3強」であることは間違いない。この3強を脅かすのが全日本女子であると考えていた方が多いと思うのだが、現実はそうではない。ロシア(11.00倍)、セルビア(15.00倍)、オランダ(17.00倍)、イタリア(21.00倍)に次いで、日本が7番手のイタリアよりも2倍以上のオッズ差を開けられて51.00倍となっているのだ。

火の鳥NIPPONのブックメーカーのリオ五輪での評価は相対的に見ても低いのだ。しかしながら、これを逆手にとって日本が金メダルと予想してベッティングを仮に行ったとして、日本が金メダルを獲得すれば51倍の多額配当を受け取るチャンスがあるととらえることもできる。ブックメーカーも神の子ではないので、間違えはある。ブックメーカーの過小評価を踏んで、日本で勝負するというやり方もありうる選択肢なのだ。

連覇の期待がかかるウサイン・ボルト

ブックメーカーが提供するオッズをどう解釈するかはあなたの自由だ。ブックメーカーのオッズ通りと見るのもよし、過大評価もしくは過小評価と読んで高額配当を期待できるオッズで勝負するのもよし。リオ五輪をただ見て楽しむのではなく、ブックメーカーの視点、オッズに注目しながらリオ五輪を見ると、またこれまでとは違った新しく、新鮮な楽しみかができ、これまでに経験のない感動や興奮が味わえることだろう。

オッズを見ればリオ五輪が見えてくる。

ブックメーカーはリオ五輪のあらゆる競技のオッズを提供している。ブックメーカー情報局のサイトや、ブックメーカーポッドキャスト、私清崎民喜のブログツイッターでもリオ五輪とブックメーカーの関係に追っていきたい。

リオ五輪は8月5日から21日までだが、すでにオッズ上での戦いは始まっている。リオ五輪を上から見ているコロコバードのキリスト像はどう見ているのであろうか?

コルコバードのキリスト像

Save

Save